第三章 本当の終末

第21話 世界情勢

 通信網は壊れかけていたが、先進国では衛星を用いて情報の更新を行っていた。

 その中に、人の乗っていない装甲車や戦車、重機関銃だけを搭載して走り回る兵器が、モンスターも含め何かも攻撃をする報告が出始めた。


 日本でも、未確認の戦闘機が飛来し始める。

 出会った瞬間に標的をロックし、空対空ミサイルを撃ってくる。

 性能差により、容易に防御はできていたが、危機感は広がっていく。


「今は航空機だけだが、船舶、特に潜水艦が来始めると面倒だぞ」

「まだ国があったことにも驚きですが、自動防衛システムが、何らかの影響で起動をしたとか? 状態として考えられませんか?」

「うーむ。あり得るな。だが、警戒をしておこう。日本海側。徹底的に防御態勢を作れ」

「はっ」

 陸海空、探知防衛網を日本海側重視で構築する。

 当然日本もAIを使い、自動対応システム構築している。日本国自動防御システム、アマテラス。

 日本の、EEZ。排他的経済水域全体を、二十四時間。三百六十五日、完全にカバーする。


 実は、秘密裏に打ち上げていた攻撃衛星ともリンクしており、攻撃をしようと思えば、他国への攻撃にも転換可能。

 神の雷と呼ばれる攻撃も行える。


 一つは、加工した岩石を、隕石として落とす質量兵器。弾は自動的に宇宙空間を漂っている岩石を集めて加工し、補充されている。


 次がEMP。電離層外核爆発レベルの電磁パルス攻撃。


 最後に、太陽光を利用した光熱攻撃。太陽光の利点でもあり欠点は、熱を含んでいること。

 初期計画はレーザーにする予定だったが、強大な熱により、うまく行かなかった。

 そのため、巨大な魔法瓶を作り、指向性を与えて一方を開くという単純な構造を持たせた。これがアマテラスの由縁でもある。

 駆動用の発電は、太陽光の熱と、太陽電池の双方で、まかなっている。


 そのため、イオンエンジンを用いて、ある程度の軌道を、変更できる機能を有している。


 海中においては、この時代、水中電場センサー、水中磁気センサー、音響、熱尾流の各センサーが張り巡らされており、死角はすでに無いに等しくなっている。


 この頃陸続きの所は、モンスターによる感染が拡大し、人々は、追いやられていた。 その後を追いかける自動マシン達は、地形による不都合を学習し、自らの攻撃武装の不便さと欠点を発見。

 構造を変化させて、人間側としては、未知のマシン達が誕生を始めた。


 参考データは、モンスターや動物たち、生き物からヒントを貰い、効率的な形を搭載し始める。


 追尾、攻撃装置。四足型、二足型、多脚型、ワーム型。次々と、投入が開始される。そして、効率優先のAIは、燃料に核を発見する。

 たまたま、その国には、濃縮されたものが多数存在していた。


 AI側。環境への影響など考慮しない。効率的に運用できる核が採用される。

 少々の放射線など機械には、あまり影響がないため、平気で運用をする。


 注意をしたのは、影響を受けるメルトダウンのみ。

 冷却システムと効率は、考えられていた。


 かくして、壊れた機体により核汚染まで広がり始め。生存圏はどんどん狭くなっていく。


 これは、館野が魔改造をして、遊んでいる数ヶ月後に発生する。

 この報告を受けて、密閉型のサポートアーマーが必要となり、メカニックがふざけて言った、酸素ボンベが急遽組み付けられることになる。



 だが現在。

「なあ、思ったんだが、ソレノイドで」

「力が無い。無理」

 言葉をぶった切られる。最近メカニックのあたりがキツい。


 とうとうぶち切れて、ため口になってきたし。

 これ良いなあと、ちょっと思いついて試すだけなのに。

 あげく、自分でやれと言うから、自分で改造をしていたら、それはそれで、また叱られるし。


「もう、そのマシン。館野さんの専用機にしますので、他のマシンはいじらないでください」

 そう言って、マシンの頭の上に、ちょんまげみたいなものをつけられた。


「通信。送りだけですが、他の倍届きます。見た目は、ちょんまげですが」

 そう言って、双ループアンテナを取り付ける。


「それとも、反射器と導波管をつけた、八木タイプにしましょうか?」

「やめてくれ、動いただけで折れそうだ」

「じゃあ太くて、立派な奴をつけましょう」

 言っている顔と、その言い回しに危機感を覚える。


「ちょっと待て、模式図を書いてみろ。今何を考えた?」

 ホワイトボードに、形が書かれる。


「やめろ、モザイクがいるじゃないか」

「やだなあ、イメージは、串に刺さった松茸ですよ。こいつがクルクル頭の上で回るんです。素敵でしょ」

 ガンマンと、何でも切る侍を連れた、大泥棒のような変な笑い方で、メカニックが笑う。


「さすがに、叱られるわよ」

 いつの間にか、メンバーが来て、呆れられる。

 唯一、館野だけが受けていた。


「アンテナじゃなくて、ランチャーならイケるんじゃねえか?」

「一緒だよ。それに頭の上に、ランチャーなんかのせてみろ、某アニメに出てくる作業用を改造した汎用タイプみたいじゃないか」

「良いじゃ無いか、首だけで動くんだろ」

「あれは首じゃない。それはまた別。サポートアーマーの場合、首の中は頭しか入ってないの。普通に死ぬから」

「えー。サポートアーマー弱い。大きいの造ろうぜ」

「だめ」

 こんな馬鹿話をして、一日が終わっていく。

 勉強として、大昔のアニメを見だして、皆の言動がおかしい。

 隊長機が、赤い伝説の元も理由が分かったよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る