竜頭蛇尾
「じいちゃん! おれ、今日お宝見つけたんだ!」
「ほお、どんなお宝なんじゃ?」
「剣だよ! アーサー王伝説の!」
「けん?」
少年は独り歩いている時に、開けた
近づいて見ると、なんと、冒険漫画で見るような剣の柄が地面から突き出ていたのだ。
その柄はとても金ピカで、まるで王様が持つような代物だった。
少年はそれを見て目を輝かやかせた。
これは運命だ!冒険の始まりだ!
「おれ、絶対にあの剣を引き抜くんだ。そして旅に出るよ。そうなったら、もう爺ちゃんには気軽に会えないけど……」
「けん? ケンさんのことかい?」
少年は家に帰って爺さんに報告すると、またあの柄の元へ向かった。
少年は両手でそれをギュッと握って、力いっぱい引っ張る。しかし、ビクともしない。
これは試練なんだ。
簡単に抜けるもんじゃあない。
少年は毎日挑戦した。
最初の三日はやる気に満ち溢れて何時間も引き抜こうと頑張っていたけど、十日目になるとやる気を失い、二回程引っ張っただけで直ぐに家に戻る日々だった。
どうせ抜けないんだし、もうやめようかな。
一回だけ試してみて無理だったらやめよう。
少年は柄を両手で握りグイッと引っ張る。すると、ポンっと剣が簡単に抜けてしまった。
「やったぁぁああ!!! って…………あれ?」
少年は剣を見て驚く。
金ピカの柄に繋がっていたのはアーサー王伝説にあるような長剣では無く、十センチほどの小さく短い剣身だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます