第23話 <番外編>キルト

朝、よくわからない音楽が宿屋中に響くので、ベッドというやつの上で目が覚める。



アイザックと旅をする前までは、昼間は寝て夜動いていた。

太陽の光は苦手だ。

そのせいで、力も出しきれないし、歩くのも遅くなる。

すっごくゆっくり歩いているのにアイザックは文句も言わない。

魔物の群れに会っても、夜みたいにすぐに倒せないのに、「すごい」って褒めてくれる。



頼んだら、回復魔法も教えてくれた。

悪いから攻撃魔法を代わりに教えた。

おれと違ってすぐに習得していた。


おれはアイザックのおかげで指の逆剥けを治す回復魔法を覚えることができた!

人間の姿になって、この逆剥けには苦労していたから、これをすぐに治せるのは嬉しい。



アイザックは毎日欠かさず日記も書いてくれている。

いつか、おれがひとりぼっちになっても、これを読んだら、きっと、寂しくない。



アイザックはおれのことを「仲間」だと言ってくれる。



アイザックに会えて良かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る