この映画がおすすめだ!!
かげのひと
MEG ザ・モンスターズ2 ~導入編~
果たして、一番モンスターはどれなのか。
2023年8月26日。
もう暦の上では残暑のはずが、気温は相も変わらず35度を超える。
そんな日に私は友達に誘われて、映画館にやってきた。
映画館に来る事がとても久々で、あの内容が一切分からないジブリが気になっていた。しかし、友達はジェイソン・ステイサムを推してくる。
安心して見れる。すべてを解決してくれる。だから大丈夫だと。
「MEGザ・モンスターズ2」
待ってくれ。私は1を観ていない。
もっと言えば、これがどう言う映画なのかもよく分かっていないのだ。完全にノーマークだ。ジブリの映画よりも情報がない。
ふと、そこで映画館のポスターが目に入った。
「絶叫を楽しめ。」
それは楽しめるものなのか?
いやいや、主人公のハゲは総じて強い。安心して悲鳴も上げられよう。
しかも、銛? 槍? らしきものを担ぎ、モーターボートも片手運転だ。頼もしいことこの上ない。
だが、その背後からは巨大な鮫が口を大きく開けて、モーターボートに乗る男を後ろからバクりとしようとしている。
見るからにパニック映画だ。
登場人物の半分がサメのエサであろうことは目にみえている。
私の勘が告げている。これは、絶対にB級映画だ。
B級映画は家で友達と酒を飲みながらゲラゲラ笑いつつ観るのが私の普段のスタイルであり、断じて映画館の大画面で静かに見るものではない。
しかし友達は乗り気だ。ステイサムに釘づけた。
これはよくない流れだ。
だが、勘違いして欲しくない。私は、別にステイサムを否定する気は毛頭無いのである。
ただ同じハゲなら笑顔のチャーミングなロック様ことドウェイン・ジョンソン派なだけだ。
※本作とは関係ないがゴリラとゴリラ(人間)の友情物「ランペイジ」は、とてもオススメである。
しかし、このためらいがよく良くなかった。
曖昧な返事をしていた私の態度を「YES」と取ったのだろう、タッチパネルの主導権をいつの間にか握られていた。
早い。早すぎる。
手慣れた操作で見る間に「MEG ザ・モンスターズ」を選択。さらに、まさか私の観ていないところで3D映画を選択していたとは驚きだ。
映画一本2000円に値上がったというのも驚きだが、ここに来て値段でごねるのはスマートではない。そう、何故なら私はもういい大人なのだ。
颯爽と財布を取り出し、映画料金+3D料金を笑顔で手渡した。
円盤が買える、などとはちょっとしか思わなかった。
しかし、心の中は穏やかでは無い。何故なら、映画館では絶対観ないであろうサメ映画を押し切られたのだ。
実のところ血が飛び散る映画はあまり得意では無い。
家で観る分には止めたり、飛ばしたり出来るが、映画館という箱の中では目を閉じることがせいぜい。
それに車酔いもしやすい私が、3Dに耐えられるだろうか?
しかも字幕だ。もともと洋画は字幕でみるのが好きだが、3Dの字幕は初体験だ。
見づらいのでは? と少しだけものを申したが、相手はステイサム同様に「大丈夫だ」と自信たっぷりだ。
一抹の不安と少しの文句を抱えながら、私は映画館の席に着いた。
待ってくれ、みんなそんなにサメ映画が好きなのか?
いや、確かに夏といえば鮫の映画がお昼のロードショーに組まれるほどだ。毎年といっていいほど鮫の映画は新作が作られている気がするが、指定されたスクリーンに行くと、そこそこに座席は埋まっていた。
今回選んだ席は前から5列目。
後ろの席は満席状態だが、前側の席はまばらだ。なんなら私の右横にも人はいない。
快適だが、やはり画面が近かっただろうか。字幕でこんな大きい画面、疲れるのでは? いざとなったら寝るしかない。
そう思っていた。
そう思っていたんだ!
……私はなんて愚かだったんだろう。
そう、相手はステイサム。ヒロインよりも先に脱ぐ男だ。
1を観ていない? 巨大鮫? 深海? 関係ない。ステイサムだ。ジェイソン・ステイサムだけ観ていれば問題なかったんだ!
なんだ、この安心感は。
迫りくる巨大鮫をいなし、肉食トカゲを殴り、テロリストを一捻り。しかも戦闘シーンがくどくない。フラグすらもへし折る男、そう彼がステイサムだ!
彼がいれば、もうなにも怖くない。
考えてみれば、この映画R指定もG指定もついていないじゃないか。
……わかるか坊や? つまりそういう事だ。
大人から子供まで安心して見れる、そういう事だったんだ!
お約束の人が死ぬ展開もメジロ押しなんだが、敵が巨大なので大体はその大きなお口でパクリとひと呑み。死ぬのも一瞬だ。
グロいシーンというのがあまりなく、なんならお約束の展開すぎて人が死ぬシーンで「だよね~」と、笑ってしまうことすらあった。
エンタメとしてはこれ以上無い傑作。
家のテレビで観るよりも、映画館の迫力の大画面で観て良かったとすら思える作品だった。
この映画を見る前にブルーだった私を殴りたい。
激押ししてくれた友達に感謝し、やはりステイサムは全てを解決してくれる男だったと心に刻んだのであった。
……ネタバレ編に続く……かも?
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