第2話

「あ、あのみなさんどうして俺に抱きついて」


「・・・ゆうき、その、やっぱり覚えてない??一緒に暮らしたこと」


 「一緒に????」


  クラス中からも驚きが上がる。


 「勇気くん、覚えてないですか、何度も私達を助けてくれたことを」


「助けたぁ??」

パシりをしてたことに感謝してたの??いや違うよね。


 「ユウ、私達、貴方ことが好きだったんだよ。」


「はぁー??」


クラスはむしろ驚きを通り越して、笑いを抑えている。

 どうやら、俺をみんなで嵌めているらしい。


 あぁ終わった。さっきの話からするに、俺はきっと彼女達を助けた、好きだと思われている変質者にしたてあげるつもりだろう。


 「きっと、その顔は間違ったことを思ってる。」


「幾ら覚えてなくて、悲しいとはいえ今回のは私達が悪いですよ。」


「クラスの人達もきっと誤解してる。つか今までからしてそう思わない方が凄いよね」


三人は俺を抱きしめながら、話をしている。


 「でもさぁ、勇気を見て涙出てきた」


「私もです」


「うん、私も」


三人は泣いている。そこまでする??演技??


 「普段は競争だけど、」


「今回は」


「三人で」


三人は何か決めたようで俺に三人で同時にキスをして来た。


 「そこまでするぅー??」


今度は口に出てしまった。


 クラスメイトも流石に笑わずにポカーンとしている。

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