第30話


 「焼きそばできたぞ!」


 「はーい!」



 スタミナ満点の焼きそばを平らげた後、祐輔の部屋に上がった。


 2階はほとんど、祐輔が使ってるようなもんだ。


 物置と化したロフト付きの部屋。


 三角屋根の下の剥き出しの梁。


 木の壁。



 1階の居間と違って、2階の部屋は畳も、襖もない。


 部屋へと通じる廊下もドアも、全部木でできてる。


 杉って言ってたかな?


 ログハウスって感じなんだ。


 塗装も装飾もない、自然な素材の感じが。



 「お邪魔します」



 部屋は相変わらず散らかり放題だ。


 せっかく広々とした間取りなのに、台無しだよ。


 漫画は読んだら本棚にしまったら?


 広げたままにしないで。



 「ほっとけ」


 「あーあー何これ、ほんっとだらしないね」



 靴下は投げたまんまだし、クローゼットは開いたままだし。


 「整理整頓」って言葉知ってる?


 毎回掃除してあげてたのを思い出した。


 しばらく見ないうちに、悲惨なことになってまぁ…

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