第2話
「…三夏!ねえ、三夏!!」
「…千枝さん。落ちついて…!」
…母さんの声がする。
それと、…男の人?
周りを見渡すと、たくさんベットが敷き並べられていた。
マスク姿の人達と、白いエプロン。
母さんもその中にいた。
ヘンテコな白い帽子をつけて。
「…母…さん…?」
喉がガラガラだ。
詰まって何も出ない。
どっかに水ない?
「…あの」
近くに人がいたから、呼ぼうとした。
腕には包帯と、チューブみたいなものが張り付いてる。
なにこれ…??
首にはなにか巻き付いてるし、思うように動けないんだけど…
「…あの、すいません」
「あ、橘さん!目が覚めましたか!」
橘さん?
…えーっと
どちら様のことでしょうか
ベットの横には、機械とモニターが設置されていた。
着た覚えのない服。
関節の痛み。
「イタタタ」
「あまり無理しないで。ここがどこかはわかりますか?」
…ここが、どこか…?
うーんと、私の部屋じゃないことは確かなんだけど…
「…あの、今何時ですか?」
「今は朝の8時です。木曜日の」
木曜日??
…あれ
今日って確か…
カレンダーを見ようと思ったけど、無いな…
っていうかスマホは?
枕元に置いてたはず…
「私のスマホ、知りませんか?」
「スマホ…ですか?えーっと」
自分が今どこにいるのか
今、何時か
そんなことが頭の中に掠めて、記憶を辿る。
恭子にラインを送った後、寝たんだ。
朝、吹奏楽部の練習があるから、早めに寝ようと思って…
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