雪景色、偶然出会った少女と過ごす新たな日常

オララオ

第1話 寒い日に出会った謎な少女

至る所からザクザクと音を立て、雪の上を歩く人々。

人の口から、白い吐息が漏れる。

視界いっぱいに広がる真っ白な風景。

そんな凍える寒さの季節。

人々は厚手の服装でそれを凌ぐ。

人はそれぞれの居場所に向かって歩いている。


昨日から天候が崩れ、少しずつ雪が降り始めた。昨日のニュースでは夜にかけて強くなると言っていた。

朝起きて、ベッドから降りて窓の外を見る。そこには一面に広がる真っ白な雪。気温も相当低いのだろう。まだ朝早く、積もった雪には人の足跡も、タイヤ痕もない。この景色もあと数時間経てば汚くなるだろう。


景色を眺めるのをやめて、寝間着から高校の制服に着替える。着替える時に気が付いたが、この部屋も十分寒い。さっさと着替えて自室を出る。寒い廊下、冷たい床、早く居間に行って暖まりたい。

キッチンの横を通ると母が朝食の支度をしているところだった。父親は仕事で今は家を空けている。

母と手早く朝食を済ませ、他の朝の準備を始める。


ある程度片付いたので、学校に行くまでの間、テレビを付けてニュース番組に切り替える。ちょうど画面に映ったのは天気についてだ。その後もいくつか報道が流れる。見ていたところ物騒な事件などは起きていないようで安心した。


いつもの学校に行く時間になり、防寒着を着て母親に行ってきますと告げて、家を出る。予報ではこの後また雪が降るらしいので傘を持参した。

外の天気は曇りで地面は白。そして、とても寒かった。防寒着を着てこれだけ寒いのだから、今の気温は何度くらいなのか気になる。


歩く横と先には誰かが歩いたと思われる足跡が残っていた。その足跡は今歩いている方向に向かって伸びていた。恐らくこの辺に住む同じ学校の生徒のものだと思う。そうだと信じ、足跡を追っていく。いつの間にか足跡を追うのに夢中になってしまい、学校付近のある普段登校では使わない一本道に来ていた。そしてそこで足跡が途切れた。

確か、歩いている時に雪は降ってなかったはず。なら跡が埋まることもない。

なら、何故ここで足跡が消えている?

周りを見渡してみるけれど、誰もいない。ちょっとずつ怖くなってきた。学校に遅刻するわけにもいかないので、来た道を引き返す。

引き返そうと、回れ右をした瞬間。


「ねぇ、君についていって良い?」


いきなり誰かに話しかけられて、体がビクッとなった。恐る恐る声がした方に顔と体を向ける。するとそこには白い服を来た少女が居た。

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