第106話 アリアの手記16
〇月〇日
今日はユーリさんが旅立つということで街の外れまで皆で見送りに来ていた。
ユーリさんは馬に乗って去って行った。
その後、クスは用事があるとかで途中で別れアレンと道場まで戻ってきた。
アレンと素振りをしていると不良の先輩達が通りかかる。
まるで私達を避けているようだった。
しばらくしてクスが戻ってきて休憩することになった。
差し入れの焼き菓子は美味しかった。
クスは街で不良の先輩達の動向を確認していたらしい。
不良の先輩達を雇ってくれるようなお店があるのか気になったので聞いてみたら真っ当なところで働いているわけではないようだ。
修練に戻ろうと思ったらクスが剣術に興味を示した。
私はクスに基礎を教え、一緒に素振りをした。
夕食を食べたらクスはすぐに眠ってしまった。
慣れないことをして疲れたのだろう。
私とアレンは月明りの中、2人で素振りをしていた。
木刀を持った不良の先輩達に襲われかけた。
アレンが守ってくれ、異変を感じ取った他の不良の先輩達の助けもあって難を逃れた。
素振りを続ける気分にもなれず母屋に戻ったすぐに眠った。
〇月×日
私が起きるとアレンとクスが朝食を用意してくれていた。
クスは昨日のことを聞いたらしく後で様子を見に行くと言っていた。
道場の前に移動してアレンと素振りをしているとクスがやってきた。
昨日、襲ってきた不良の先輩達の処遇を説明してくれた。
沈んだ空気を温めようとしたのかクスが冗談を言った。
私はそれに乗るようにアレンは渡さないと宣言した。
別の女の子を構おうとしているアレンに少しむっとしたが素振りに戻った。
昼頃、不良の先輩がやってきてクスに何かを渡していた。
中身は不足していた薬草などの薬の材料だと言っていた。
クスは荷物を抱えて戻ってしまった。
アレンと2人で夕方まで素振りをして過ごした。
母屋に戻り2人で水を浴びる。
クスが夕食を用意してくれていた。
夕食を食べ終わり片づけをしている中、クスが時間があるか聞いてきた。
薬作りを手伝って欲しいらしい。
アレンが迷わず受け入れ私もそれに続いた。
言われた薬草をすり潰す。
無心に薬草をすり潰すのは結構好きかもしれない。
アレンが飲み物を用意してくれて皆で飲んだ。
作業が終わった時、クスが回復薬だと言って1本瓶を渡してくれた。
この回復薬が使われることがないといいけれど・・・。
その後はすぐに眠りについた。
夜中、クスを起こしてあるお願いをする。
私は病気や妊娠をしていないかクスに調べてもらった。
その結果は全て問題なかった。
部屋から出るとアレンが不安そうな顔をしていた。
心配をかけてしまったがアレンには言いにくい。
結局そのまま眠ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます