第731話 ビッグフルコース
「というわけで、なんか分かんないけどエンダーくんっていう後輩と戦うことになったんだよね」
「ああ、もしかして前にツイルが言ってたタイトルマッチのやつか……」
「早食い大会のリベンジならいつでも受けて立つんだけどなー」
「そっちはシュータくんに勝てる見込みが無いから誰も挑まないのだ」
クロガネ寮で茶々丸くんに協力してもらって高級フルコースの食事マナー練習をしていたところ、シャクドウ寮からギロくんが遊びにきてくれたので、エンダーくんと新旧チャンピオン対決をすることになった経緯を話す。
「まあ、エンダーと勝負することは分かったけどよ……それは一体なにやってんだ……?」
「なにって、上層区の高級フルコース料理を食べに行くための食事マナーの練習だけど」
「高級フルコース料理にそんなバカでかいタライみたいな皿のスープと煮込み料理用のオタマみたいなスプーンは出てこねえだろ……」
「シュータくん仕様なのだ」
チュールさんに教えてもらうと1品ずつの量が少なすぎて食べれば食べるほどお腹空いちゃうんだよね。
それにこれだけ量があれば練習も多くできるし。
「見て見てギロくん。スープ音立てないで飲めるようになったんだよ」
俺は巨大なオタマを器用に動かしてスープをたっぷり掬い、静かに口を付けて音を立てずにすーっと飲み干した。
「今のオタマひと掬いでニーメンのどんぶり1杯くらい飲んでないか……?」
「パンはかぶりつかないで少しずつちぎって食べるんだって」
俺は自分の顔よりも大きなパンをちぎって二口で食べ終えた。
「半分にして食っただけじゃねえか……少しずつちぎるってのはどこいったんだよ……」
「ホットホグノーズの早食いで鍛え抜かれたシュータくんはこれくらいのパンなら二口で余裕なのだ」
「あ、ちなみに圧縮食いはマナー違反だからダメだよ」
「圧縮食いってなんだよ……」
小学生の頃、給食のコッペパンを一口で食ってやるとか言って両手で圧縮して口に入れたお調子者の男子がいたんだけど、口の中でパンが膨らみを取り戻して窒息しそうになり、それが先生に見つかって禁止になった事件を思い出す。
やっぱ気道は確保しておかないと危ないね。
「シュータくん、お肉の焼き加減はどうするのだ?」
「丸焼き!」
「丸焼きは焼き加減じゃなくて調理方法だろ……」
「じゃあレアでお願い!」
「今日のお肉はしっかり焼かないとお腹壊す系のやつなのだ」
「うーん……じゃあレア!」
「なんで変わんねえんだよ……」
まあ、俺はお腹丈夫だからなんだっていいんだけど、レアの方がお肉の野性味を感じられて好きなんだよね。
寄生系の小型の魔物がいるかもしれないからそこはちょっと怖いけど……毒無効スキルもさすがにそういうのには効かないだろうし。
「シュータくんは何年経ってもシンプルな丸焼き料理が大好きなのだ」
「やっぱお肉は大胆に丸焼きで外はカリカリ、中はスーパーレアなのが美味しいよね」
「スーパーレアは腹壊すだろ……」
焼肉でもBBQパーティーでも、盛り皿の肉をそのまま食べて友達や家族を怖がらせましょう!
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