第14話 調子に乗り店舗を増やしが失敗、倒産。

調子に乗り店舗をもう一店増やすが、経営の甘さから倒産。またしても一文無し? いやそれは逃れた。以前から園子に言われていたことだ。貴女はすぐ調子に乗ることがあるから最低限の貯金は残しておくのよと。しかし天国から地獄、そして天国に上り詰めたと思ったらまたもや地獄、なんと浮き沈みの激しい真理の人生だ。やはりお嬢様育ちの甘さが出たのか。世話の焼ける元お嬢様をそれでも園子は見捨てなかった。


 流石に青いテント暮らしまで落ちはしなかったが園子の誘いで、園子のマンションに転がり込む。ただ再び立ち直る資金だけは残してあるから多少の余裕はあった。それまで慎ましく暮らし次は絶対失敗しない策を練っていた。

「ごめんね園子、まだ新婚さんなのに居候させて貰って」

「大丈夫、旦那は海外に転勤し退屈していたし丁度いいのよ。真理、貴女ってどうしてそう人生の浮き沈みが激しい人なの?」

「ふっふふ、そうね。私は中途半端な生き方が出来ない性格のようね。でも大丈夫。私は地獄を味わった経験があるわ。見てなさい。また這い上がって見せるわ」

「分っているならいいわ。これで二度地獄を見たからね。真理を信じる」

「銀座でホステスを十五年以上やっていると、お客さんも応援してくれるの。それが一つの財産ね。もちろん大会社の社長さんや会長など多いから銀行に行かなくても資金を提供してもいいよという方もいるのね。まぁ株と同じで利益が出れば配当金が手に入るし」


 真理はまた一からホステスから始め、暇を見ては色んな勉強をした。もう一度勝負をしたい。元々頭は良いのだ。今度はみっちりと経営学を学びホステス時代に贔屓にしてくれたお客さんに資金を提供して貰った。そして最後の切り札は再復帰の為に預金を引き出した。だが水商売ではなく次は革製品の販売だ。革製品と言っても色々あるが女性に人気の高いバックを基本に売り出した。全てが海外に出向き自分で仕入れた商品でブランド物ではないが商品は評判が良かった。しかし海外に毎回行っていられないしキチンと信頼関係が出来た業者と取引をしたのだ。


つづく

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