第12話 ホステス家業13年 銀座にクラブをオープン

それから更に三年後、真理は独立してクラブのオーナーに納まった。当然簡単に銀座に店を持てる訳がない。そこは銀座で十三年もホステスをやっていれば色んな客がいる。大企業の社長、会長、不動産会社社長、銀座商店会の会長など、いろんなツテでやっと店を持つことが出来た。

「ついに私、銀座でクラブのオーナーになれたわ。これも園子のお蔭ね」

「本当に良くやったわ。正直、ホステスなんか嫌というかと思ったのに。真理の性分に合っていたのね」

「そうね、私も驚いている。でもこの仕事を辞めたら今度こそ園子に絶縁されると思ったの。それが一番怖かった。最初に一週間くらいは違和感があった事は確かよ。父がパーティーを開くたびに、私も引っ張り出され招待客の接待を務めていたの。その延長と考えたらなんの抵抗もなく入り込めたの」

「そう天性の才能があったのかもね」

クラブも順調過ぎるほど上手く行った。まもなく二年と云う時に、これならもう一軒店を出しても上手く行くと思った。


つづく

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