第2話 夏の星座をご案内1(情報収集はこっそりと)
「じゃあ、特別に君に夏の星座のご案内をいたしましょうか?」
「そんな、遠慮しなくていいよ~。もうバッチリ、気合入れて解説してあげるから。ふふふ」
//SE 木々の音 虫の声。
//SE きらきらと星の音。
「まず、東の空を見てね。
わっ、さすがキャンプの達人。
「私もおそろいの買おうかなぁ。アウトドアのブランドかぁ……」
//_φ(・・ )メモメモ
「ん? なんでもない、なんでも。気にしないで」
//慌てた様子で。
「まずは夏の大三角を探そうね」
「え、知らない?
理科の授業で習うでしょう。
ベガ、デネブ・アルタイル。
星の名前ね」
「ここは空気が澄んでいて、光源もないから天の川までよく見えるね~。
空にうっすら明るい、もやっとしたところがあるのがわかる?」
「そう、あれが天の川。その中に明るい星があるでしょ?
まあ、ここではみんな明るいけど……」
「青白く輝くのがこと座のベガ。
七夕の織姫星でもあるわ。あとは、わし座のアルタイルは彦星ね。
それがデネブの白鳥にのってデートするって話よ。ロマンチックよね~」(諸説あります)
「えっ、『ワシがハクチョウに乗るのはおかしい?』
そういうとこツッコむのか……。
ロマンがないなぁ」
//ちょっとぷんすか怒っている。
「星座の話と星の由来は別なの、色々あるの!
国によっても違うからね。
白鳥座やわし座の話はギリシャ神話。
織姫と彦星は、中国の神話。
日本のは……まあそれは追々ね」
「織姫って、機織りをするお姫様なんだけど。
君は、手芸とか洋裁が上手な女の子ってどう?」
「『どうって言われても困る?』
まあ、そう言わずに……。
『器用なのはいいんじゃないのか?』
ああ、君はテントや寝袋が破れたら繕えるくらいは縫物ができるの? ボタンくらいはつけられる?
すごい、君は器用なんだね……」
「そっか、そのレベルの女子力ではかなわないのか…………」
// _φ(・・ )メモメモ
「ん、なんでもない、なんでも。気にしないで」
//あわてた様子で。
「この織姫星のベガがあること座は、オルフェウスの竪琴と言われてるの。こと座の琴は、竪琴のことなの。あ、ダジャレみたいになっちゃった。てへ」
「オルフェウスは、奥さんのことすごく愛してたんだけど、ある日その奥さんが、毒蛇に噛まれて死んでしまうの」
「それで、その奥さんを冥界にまで迎えに行くのよ。有名な冥界くだりってやつよ。
それで、オルフェウスはこの琴の素晴らしい音色で冥王の心を動かして、奥さんを現世へ連れて帰ることを許されるんだけど……」
「その条件に、連れ帰る途中、現世まで決して奥さんを振り返ってはいけないと言われてたのに、心配のあまり出口まであと少しのとことで振り返ってしまって、結局、永遠に奥さんを失ってしまうの。
悲しいお話だよね……」
「その……。君は今、そのくらい好きな子いるのかな?
『お前が聞くな?』どういう意味よそれ?」
「『他に好きな子はいない?』そうなんだ」
//SE パァアと喜びの音。
「じゃ、今はフリーなのね! やた!」
//心の中でガッツポーズ。
//_φ(・・ )メモメモ
「ん、なんでもない、なんでも。気にしないで」
// 咳払いしながら
「ほら。私じゃなくて、夜空を見て。星空を!
彦星のアルタイルがあるわし座の神話はかわっていて、なんと美少年の王子様をさらうために大神ゼウスが化けた姿なのよ」
「美少年×エロゼウス。
なんだか、同人がいっぱい書けそうじゃない?
あ、つい本音が……」
「BL興味ない? あ、ないか。
そうなんだ……。
BL無いのか……。
残念だけど、安心した」
// _φ(・・ )メモメモ
「『さっきから、何をメモしてるって?』」
「ん、なんでもない、なんでも。気にしないで」
// あわてた様子で。
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