第14話 街までは遠い……

 朝食を終えて、片付けてから皆で川に来た。うん、小川とは言えない感じの川。水筒に入れてクリーンしてから水を飲んだり、水を補給したり、軽く水浴びしたりして、適当な木の枝と蔓、丁度良い爪を削って針にして……出来上がった釣竿で釣りをしてみる。餌は干し肉。マイお姉ちゃんは弓矢を持っていたので、矢に蔓を巻きつかせて魚を狙ってもらった。矢で射抜くと魚の切り身(何で切り身?)がドロップするけど、蔓で矢が回収出来るので、のんびり釣りをする私より、マイお姉ちゃんが楽しく魚の切り身を乱獲してた。



 で、完全に明るくなる前に切り上げて、川辺を川上の方に向かい移動する。狙いは水を飲みに来るモンスターを狙うモンスター。この時間帯なら、警戒心が強いのが水を飲みに来て、それを狙うのも来やすい時間帯のはず。警戒心が強いのは基本的に逃げるけど、狙う方は逃げずに向かって来るから狙いやすい。マイお姉ちゃん、私が説明すると驚いていたけど、私の出身地を言ったら、思い出したのか納得した。街中とジャングルを行き来してたから、サバイバルは得意。


「って、得意気に言ってたけど。これは想定内?それとも想定外?(どや顔リンセちゃんスクショ撮ったぜっ!フッフッフ、スクショが捗りますなぁ)」

「……想定外。森の熊、川のワニ……倒しやすいのはワニ」

「いやいや、レベル的にはワニの方が強いよ?」

「私とビボラはワニ、それ以外は熊」

「いやいや、本当に大丈夫?」

「大丈夫。ビボラ、ワニの口が閉じたら急いで口に巻きついて。そしたら、私が後はやるから」

〈sYaaa〉

「なるべく早く熊を倒して援護するからねっ!」

《Gurrrrru ……GaaaAッ!!》

〈puu〉

〈kSyaーッ!〉

「おぉ、リンセちゃんのテイムモンスター達もやる気満々だね!スナイプシュート!ハードシュート!ラピッドシュート!バーストシュート!」

〈syaa ……〉

「……終わった?」

「よし!援護……援護、要らない?クリーン」

「うん。やっぱり熊の方が時間かかったね」

「いったい、どうやったの?」

「?口を開けれないようにして、目を潰して、お腹と首を裂いて出血死。素材とお肉ホクホク。解体スキルも覚えた」

「レベル差あったよね?弱点攻撃は確かに威力出るけど、ワニって皮というか、装甲堅いよ?」

「?……ワニはお腹柔らかい。お腹から首まで切り込み入れれば、後は楽」

「もしかして……生きたまま解体作業始めた?」

「ん?……解体ナイフ便利」

「oh……現地人のベテラン狩人が希にやるようなことを」

「狩りは終わり。川から離れて、後はちゃんと街に向かう」

「ん?何で?」

「ログアウト時間」

「え?……リンセちゃん、本当に深夜まで起きないねぇ」

「寝不足で授業受けるの良くない」

「リンセちゃん、本当に優等生だねぇ。分からない所があったら、お姉ちゃんに聞くんだよ?」

「先生か亮治兄に聞くから大丈夫」

「……少しはお姉ちゃんを頼って?」

「時間短縮大事。お姉ちゃん、調べながら教えるから遅い」

「うぐっ……痛い所を」


 仕方ない。30分だけゲームプレイ時間延ばそう。まぁ、多少モンスターに気づかれて、やむなく戦闘になったりして結局は1時間も多くゲームしちゃったけど、予定よりも進んだはずだから良いか……多分。予定通りなら、明日には街に着けるかなぁ?

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