第7話 リンセのリアル

 あれから、なんとかアルコンさんにセーフティーエリアっぽい所を見つけてもらい、急いでその洞窟に居た十数匹のゴブリンを倒し、そこがセーフティーエリアになるか確認をして、セーフティーエリアと判断出来たので、安心してリンセちゃんはログアウトして行きました。まぁ、狼達と蛇にナイトホークが居ればこの世界のリンセちゃんを守るのは問題無いですね。



 ふぅ。かなり楽しくて、サポートのアリアに教えてもらってなければ、朝までゲームしてたかも?今日はもう歯を磨いて寝よう。


「ん~……んぅ?」

「お姉ちゃん、結構待ってたんだけど?随分と楽しかったみたいだね?リンセちゃん」

「ひぅっ!?」

「いや、別に怒ってはいないよ?ただ、最初からフレンド登録してあるから連絡位は欲しかったかな?どこら辺に居たの?」

「んに?…………森」

「森?……あれ?私、リンセちゃんに初期地点ランダムは危ないから選ばないようにって……」

「……言われてない」

「本っ当にごめんっ!大丈夫?無限ランダムリスポーンとか、結構死に戻りとかしてないっ!?」

「???……家族増えた」

「家族、増えた?……あぁ、リンセちゃんテイマーやるって言って……待って、え?テイムしたの?第2フィールド辺りに居るようなモンスターを?テイマーレベル1で?」

「もう……寝る」

「あ、あぁ、ごめんね?大体の方角か場所分かったら教えてね?」

「……?……多分、北?に大きな木が有る広い森」

「……マジで言ってますかリンセちゃん?」

「ん……嘘言わない」

「分かった。お姉ちゃん合流出来るように頑張るね!」

「?……ガンバ」



 翌日。

 今日は月曜、学校の日。家から出て学校に向かう。周の5日は学校の日。ダルい。コミュニケーションがダルい。人間関係めんどくさい。あ、ワンワンおはよう。猫も、おは。学校に着いて、教室に入り、席に着いて後は授業を受けるだけ……毎時間体育でも良い。ん?……アナザーワールドセンチュリー、AWC?……ふむ、やってる人多い?少ない?……どうでも良いか。



 リンセは知らない。半数以上のクラスメイトはリンセと話したいが、話せないという事を。始業式の自己紹介の時に、未だに片言に近い日本語をバカにされ、怒りに任せて、流暢なスペイン語と英語、片言の日本語を混ぜて相手に対して怒鳴り、それ以降、クラスメイトにはスペイン語と英語を話せるレベルにならないと、日本語だけではコミュニケーションが取りずらいという認識になってしまった。


 いや、間違ってはいない。琴坂家の日常会話はスペイン語>英語>日本語という感じでスペイン語がメインになりやすい。まぁ、それだとまずいのでスペイン語day、英語day、日本語dayと1言語でしか話せない日をちゃんと設けている。



 しかし、少し片言でも良いなら、リンセはちゃんと日本語だけで会話は出来る。感情が高ぶったりしなければ、ごちゃ混ぜ言語で話したりはしない。というより、リンセは自分から話すほうではなく、受けである。


 因みに、リンセがクラスメイトにこっそり人気の理由は大きく一つである。給食の時だけ、リンセの頭とお尻にケモミミとケモしっぽを幻想してしまう人が多いからである。尚、そこに男女の壁はあまり無いらしい。



 と、いう感じ?で、ほぼ退屈な授業(体育と家庭科は好き)を終えて帰宅し、鞄を部屋に置いて、犬達を散歩に連れて行って、犬達と軽く遊んで散歩から帰り、服を制服から部屋着に着替えて、今度は猫と夕飯まで遊ぶ。



 

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