第182話 おひさしぶりですー。覚えてますか??

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現在体調がかなり悪いのでいつも以上に短いです、申し訳ありません。

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 元同僚の恋人さんに大事な相談があるというメールを受け取った俺は、もしかしたら後輩に何かあったのかもと思い、あれから急いで呼ばれた店にやってきた。


 直ぐに車を走らせ辿り着く事1時間弱、急いで店に入った俺は直ぐに恋人さんを見つける事が出来たのだが、同時に驚きで止まってしまっていた。


「あ、おひさしぶりですー。覚えてますか??」


「・・・お前さん、彼女の知り合いだったのか?」


「覚えてくれてたようでなによりですよー。あ、どうぞお近づきの印にこちらのチキンを」


「食いかけを渡してくるな」


 あの時道案内したゴスロリ迷子が一緒に居たのだ。


 それも前と同じように普通にフライドチキン食べながら。この店ってフライドチキン置いてるんだななんてどうでもいい事を考えたが、それは今はどうでもいい。


「緊急の用事って聞いてきたんだが、もしかしてあいつに何かあったのか?」


「急な連絡すみません。折り入って話したい事があって」


 申し訳なさそうな顔をしている彼女さん。深刻な表情はしていないので後輩がけがをした云々ではなさそうだが、となれば何があったんだろうか?


 思いつく限りでは、もうすぐバレンタインデーだから急遽手作りのチョコケーキを作りたいから手伝ってほしいとか? その辺りの事しか思いつかないが。


 もしくは隣のゴスロリについての話なのだろうか・・・などと気楽に考えていたら、容赦のない爆弾をゴスロリが叩き落としてきた。


「実は彼女に乗る形でボクも連絡したかったんですよー」


「いやいや、あの時一度あっただけだろ? なんでまた」


「ふふふ、ストーカーではないですのでご安心あれ」


「寧ろストーカーの方が良かったまであるけどね」


「ストーカーの方がマシって・・・」


 ゴスロリ系は地雷系が多いと聞くが、まさかこの子が本気でストーカーなのか・・・なんてどうでもいい事を思っていたかった。


「まぁ、ある意味ではそういう事もするときもありますよー」


「おいおい・・・」


「ね? 【ケーキ屋さん】?」


「っ!? ・・・・あんた」


 俺は自分の事をミッション以外ではケーキ屋云々とは名乗った事はない。


 それは後輩にも同じだし、目の前のゴスロリにも勿論だ。ケーキ作るのは好きだとは二人ともに言った事はあるが、店を開いているともそんな事も言っていない。


 そうなれば、俺をケーキ屋と呼ぶ意味は一つしかない。


 この二人はまさか・・・


「・・・プレイヤー、か?」


「はい。あ、彼は事情も何も知らない一般人です」


 言外に彼は関係ないという彼女さん。そしてゴスロリも続ける。


「そして僕は、彼女とは初対面です!!」


「プレイヤー同士出会っていたって事か・・・世界は本気で狭いな」


 まぁ、流川もプレイヤーだったし、この辺りの知り合いなどにももしかしたらプレイヤーが居る可能性は0じゃなかったからな。


 それにしてもまさか、後輩は一般人で彼女さんがプレイヤーとは、それも事情を知らせてないとか、なかなかハードな生活を送ってそうだな・・・佐伯少年やバンカーと似たような生活を送ってる感じか。


 でも、彼女達と一緒のミッションには参加した事ないが、もしかしたら知らないだけで何処かのミッションで一緒に居た可能性もあるかもしれんな。


「もしかして何処かで俺の情報を手に入れた、とかなのか?」


 確かにこれはある意味緊急の相談になるな。


 まさか知り合いにまたプレイヤーが居るなんてなぁ・・・もしかしたらバレそうになっているのか、なんて思っていた所にゴスロリが爆弾をストレートでぶん投げてきた。


「はい、まぁ色々やってましてー・・・後、前回の事で僕、ケーキ屋さんに謝りたかったのと、出来れば仲介してもらいたいかなーってのが理由で呼んでもらいました。そこの彼女も今ちょっと、自分のミスでやらかしてて、それの相談ですね!」


「ぐっ・・・確かにミスと言えばミスだが、貴方にそう言われるのはな・・・」


「ふむ・・・厄介な奴等に狙われてるとか、か? 仲介って言うと、る・・・ジェミニ辺りか?」


「はいそーです! 実は色々ありましてー・・・ぶっちゃけると、ジェミニさんと敵対してます!!」


「・・・はぁ!?」


 笑顔で言うゴスロリの言葉に今日一番の驚愕を覚えた。


 何をどうすれば流川と敵対を、あいつがプレイヤーと敵対するなんて、それこそ―


「僕としては、彼に表に出たら危険だよーっていうのと、とある奴の情報を流すために、しかたなーくやった感じなんですけど・・・」


 ニヤリと笑ってゴスロリが続ける。


「僕と彼女って、実はプレイヤーキラー、なんですよね」


「!?」


 あっけらかんと、目の前のゴスロリが自分と彼女の事をプレイヤーキラーだと軽くぶっちゃけた。


 咄嗟に動こうとした所を彼女さんが両手で俺に抑えるように焦りつつも話し掛けてくる。


「待ってほしい! 此方は敵対するつもりはないんです! どうか、どうか話を聞いてもらいたい! ディーヴァ! もう少し伝え方というものが!!」


「こういうのは隠してたら逆に怪しまれるんですよ! なら先に伝えて事情を説明する! これで人類みなハッピーって奴ですね! それにケーキ屋さんは良い人ですから、ちゃんと話せば動いてくれますよ! なにせ道に迷ってたゴスロリ美少女を打算も下心もなく助けてくれた人ですし!」


 店でぎゃーぎゃー騒ぎだした俺達。この時は俺も焦りが酷くて気付く事が出来なかったが、ゴスロリ曰くスキルとアイテムを用いて俺達の会話が分からないようにしてくれていたらしい。


 何にせよ・・・後輩の彼女さんの用事だから、とサイレーン達を一人も連れて来ていない俺が、二人をどうこうするなんてのは出来ず、今は話を聞く事しか出来なかった。

 


―182話了


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時間がない所為ですが、短くて本当に申し訳ない限りです。

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