第133話 和風ホラーに対する対処=魔法でぶんなぐる
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グラブル今日から古戦場・・・つらみ・・・
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―第3層 御堂パーティ
「ぬわー!!」
「のわー!!」
「みぎゃー!!」
「だっしゃー!!」
「のきみょりゅよーーーん!!」
上記全てハトメヒトの断末魔である。
次の階層を目指す為に急いで家屋内を探しているが、1層2層とは違い、ここはモンスターが絶えず湧いて襲い掛かってくるのだ。
この階層が家の様になっているせいもあり、つまりは狭く、故にモンスターが湧いたそばから襲い掛かってくる。
サイレーンと御堂が対応して倒し続けているが、一番面倒なのはトラップがある時にモンスターが出てきた時だ。ショコラとクレアが解除している間も容赦なく襲い掛かってくるので、彼女達の邪魔をさせない為に全力で対応しなければならない。
漸く少しずつではあるが、通常のミッションのような激しさに戻ってきた。そこに即死の罠まで設置されているのだから暴れまわる訳にも行かず、トラップからモンスター達を追いやりつつ倒していかなくてはならない。
そこでハトメヒトがまさかの事をやりはじめたのだ。トラップが判明しそれが軌道タイプで発動した本人にしか効果がないと知るや、【善処する】という言葉を剛速球で投げ捨てるかの如く、トラップに自ら突撃して発動させていく。
無論同時にハトメヒトが死ぬのだが、死んだそばから復活してくるので気にしないと言わんばかりに、残ったモンスターを倒していく。
更には奇襲してきたモンスターの攻撃を全力で庇ってミンチよりひどい状態になったりするが、数秒もしないうちに地面から生えてきたりしていた。
そんな事が数回続き、今ハトメヒトは正座で座らされている。
首には「私はマスターとの約束をアグレッシブに破りました」と言うプレートを装備させられていた。流石に石は乗せられていない。
「貴女ね・・・いやえぇ、まぁ、お陰で助かっているのだけど」
「うむ、我としてもちょっぴりおちゃっぴぃが過ぎてしまった気がしないでもないが、この辺りはこう、こうするべきだと思う次第、何故ならば実際の話、割と猶予がないからな。聞こえていただろう? あの我が最初に潰された部屋、既に浸食で飲み込まれた後で姿かたちも消えているのであるが、凄まじい絶叫と悲鳴が聞こえてきたからな、急いで逃げねばまずい。ならばこれも所謂コテコテコ・ダメージという奴だ」
「コラテラルダメージよ」
「そうそうそれそれ」
「それそれじゃないでしょう! まぁ、実際貴方のお陰で切り抜けられてるのだけど」
頭が痛いとばかりにテルクシノエーが頭に手を当てて横に振る。
あまり褒められた行動ではないのは確かだが、事実彼女のお陰でいくつかの窮地は乗り越えられてるのだ。
先ほどもハトメヒトが庇わなければ片桐が致命的なダメージを受ける所だったし、
浸食が再開し更にスピードが上がり、此方に向かってきた所、トラップとモンスターにかまけていたら下手すれば誰かしら巻き込まれていた。
それをハトメヒトがトラップを乙女感知で踏み潰してくれたおかげでモンスターに注力出来た事で、難を逃れている。
どうやらあの浸食はある程度の時間が経過する、もしくは同じ場所に長く滞在していると発動するらしい。長く居ればいる程浸食のスピードが速くなる。それも数十分などとのんびりしてられる時間ではなく、下手すれば数分単位で止まる度に浸食が開始されるのだ。
一応家屋のような階層だが、やはりダンジョンといえばいいか、進めば進むほどダンジョンフィールドらしく全体が広いのが確認できた。道中が狭いだけで、全体的には家とは言えないレベルの大きさを有しているのだろう。
「大丈夫なのかハトメヒト?」
「うむ、そろそろ足が痺れてきた所であるが、我、意外とソフトMでもあるのでこれはこれで」
「どやかましいよ海産物幼女」
無表情にクネクネする幼女に御堂も頭が痛い。
彼女が自分の命を簡単に投げ出すのは、彼女曰く残機があるから余裕という事らしいが、毎回無惨に殺されていくのは精神衛生上よくない・・・と、言いたいのだが、彼女の場合、死ぬ瞬間ですら何かウケを狙う様に倒れていくので、片桐とクレアに至っては爆笑してしまってるレベルだった。
一番は定番になってほしくないが定番になっている【I LOVE YOU】に自ら突っ込みスライム状になった後、叫ぶ言葉が「大判焼き」「甘太郎焼き」「おやき」「回転焼き」「御座候」「ホームラン焼き」「円盤焼き」「今川焼き」「あじまん」「どりのこ焼き」「どてきん」「やなぎ饅頭」「尼い出焼き」と某有名な複数名前のある焼きまんじゅうをメドレー調に歌いだす始末。
かなり和風ホラー満載のこの階層をたった一人でホラーから「ほらぁ・・・」に変えてしまう謎幼女がここにいた。
「我としても結構残機を消耗してしまったと少々反省している」
「残機言うな」
「だがさきほど5.32532体ほど増えたので問題はないとみるが如何に?」
「如何に? じゃないんだわ? あと、小数点ついてるんだが!? 1体以下って事なのか!? 成型中なのか!?」
「答えは皆の心の中に」
流石にじっとしているとまた浸食が再開するのでお仕置きという名前の反省はこれで終了させ進んでいく。
奥に進めば進むほど最初は普通の家の間取りに見えていたが、徐々にその様相はおかしくなっていく。まるで夢の中の様な不可思議な間取りになっているのだ。
左には10連ほど連なっている襖があり、その隣にはドアが等間隔で複数個所に設置されている。その全てを調べていくとなれば確実に浸食が間に合わないので、ショコラ達の感知頼りに半ば感だけで進んでいる。
「まーちゃん! モンスター3! ゴーストタイプ!」
「了解! サイレーン!」
「ん、任せて・・・!」
ショコラが前方を指差した瞬間、悪霊の様なモンスターが3体飛び掛かってくる。
御堂が一瞬で前に飛び出し、雷帝剣で思い切り薙ぎ払う。
悪霊たちは単純に薙ぎ払われた一撃を簡単に回避し、攻撃の終わりを狙って御堂に襲い掛かるが、その薙ぎ払いを回避した時間、その時間を稼げればサイレーンの歌攻撃が間に合う。
「AAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
スキル【サイレーンヴォイド】が衝撃波となってモンスター達に甚大なダメージを負わせつつ吹き飛ばした。その一撃だけで身体の半分げ消し飛ぶ、地面に落ちたそれ等が起き上がる前にテルクシノエーとサイレーンが魔法で止めを刺した。
「ん、終了だね。この程度なら慣れた」
「早くスキルセット解放されないかなぁ、ショコラ達二人で1セットだから攻撃スキルとか入れられてないし」
「私は結構スキル増えてる、広範囲撃破はやはり強い、ぶい」
「ん? モンスター倒した所に何か落ちてる? あ、これ・・・」
モンスターが消えた所に1枚のカードが落ちていた。クレアがそれを拾い上げてみるとそれは14桁の文字が書かれたカードだった。
2層の宝箱で手に入れたランダムでアイテムかスキル、ポイントなどが色々もらえるカードの様だ、モンスターがアイテムをドロップすると言うのも彼等にとっては初めての体験だ、少しばかり高揚してしまう。
「つまり、あいつらは宝箱かもしれないって事かぁ」
「出来るだけ倒していけばいいって事だな・・・わ、私も次の階層が広かったら頑張らないとなぁ」
「にしても、ホラーゲームに出てくるような悪霊みたいな奴等が秒で倒されているのを見ると、色々情緒ってのがおかしくなるな」
「わかる、ホラーゲームは基本主人公に対抗手段無いから逃げるしかないしなぁ」
「そうそう。必死に逃げて押し入れとかゴミ箱とかに隠れてやり過ごすだろ? あれどうしてバレないんだろうな」
「ばれたらゲームにならないから・・・」
逃げてもおってきて、隠れても見つかって殺されるホラーゲームではクリアも出来ないだろうと言う基本的な問題である。それでなくても節穴過ぎる怨霊達ではあるが。
「ここの場合隠れてても見つかるし、時間置いたら浸食されるし、寧ろ倒せばいいし、ゲーム企画としては大外れだと思うな」
「ディザスターだしなぁ、そこまで深く考えて無さそうだ」
ぼっこぼこである。
もしこれをディザスターが聞いていたら凹むか怒るか、泣くかもしれないが幸いなことにディザスターがこれを見ている事はなかった。
「浸食が始まってきたわ、皆急ぎましょう」
「らじゃ。ショコラ的にあっちのドアに何かありそう、皆ついてきて」
彼女に言われるまま全員が付いて行く。
ドアに辿り着いたら先ず行うのはトラップ感知、今回はドアには何もセットされていなかったようだ。勿論上級トラップが設置されていて見つけられなかったという可能性もあるが、だからと悩んでいれば浸食が始まるので意を決してドアを開ける。
そこには和風の家にはかなり不釣り合いな下に降りる階段があった。
「ふぅ、これで3層はクリアだね。ここはさっさと抜けた方がいいかも」
「だな。こんな所悠長に探してられんわ。皆もいいか?」
御堂の言葉に全員が頷くと、思い残す事もないと全員が階段を下りて行った。
本来ならば今以上に恐怖などを訴えかける様な階層だったのだが、ハトメヒトとほとんど正解ばかり当てていくミューズ達のお陰で、そのようなイベントに一切合う事なく、彼等はこの階層を後にする。
既にこの階層で全滅したプレイヤー達が、魂を縛られて悪霊と化している事など彼等は気づく事もない。
今また、違うプレイヤーがこの階層に辿り着いた・・・・・
―133話了
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残りハトメヒト:7.5634232532
あさねこ地方では【甘太郎焼き】か【おやき】でした。
皆さんのちほーではどんな呼び方でしたか?
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