第113話 つまりケーキとは・・・真理・・・!
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12月もついに半ば、皆さんも身体に気を付けていきましょうね。
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「2話連続でケーキの話をすると言うデスゲーム関連の物語にマシンガンをぶち込むかの所業に全我も第四の壁を容易く超えようかと思う次第。やはり世間はクリマスス一色ではあるが、かなしいかなクルシミマスな場所もあるので、少しは美味しいものを食べて英気を養ってもらいたいと我は思う、なんというかこう、我は人類皆魚介類を目指している系女神であるので」
「どこ向かって訳の分からん事喋ってるんだこの幼女は」
「画面の向こうの友人たちであるな」
「こいつなら本当になんか違う世界見えてそうで怖いんスけど・・・」
山田君、真に受けてはいけません。
という訳で今現在俺達はもうすぐやってくるクリスマスに備えて、クリスマスケーキを作るための指導中だ。
やる気を一番出しているのがスピネルで、流川の為に最高のクリスマスケーキを作ろうと全力で調理に当たっている。
後は元々料理が得意なテルクシノエーと、最近少しずつ家事が出来る様になってきたサイレーンと続く。ミューズの二人は賑やかしで、後で山田と一緒に試食する役目である。
ぼーっと見てるだけで美味いケーキが食べられると言う事で三者三様楽しそうにしていらっしゃるわ。ま、クレアもショコラもスマホポチポチしながらだが。
その点山田は素材などを運んだり最低限は手伝ってくれるので有難い。フリーターやってそこそこ長いって事なので雑用には結構慣れているとの事。
ファミレスの裏方として皿洗いから材料運びまで何でもやってたらしいので、意外とこういうのが様になっている。
俺はずっと土木関連の仕事しかしてこなかったからな、もし再就職する事になったら他の仕事出来るのかが今から少しだけ不安だ。その時は彼や流川などに教えてもらおうかね。
今作ってるのはクリスマスでは定番のデコレーションケーキだ。
「・・・・最初はこんなの無理だと思ってたけど・・・何回もやると、意外と、覚えてくる」
「そんなもんだ。はじめっから全部出来る奴ってのもそりゃ極まれには居るんだろうが、最初から全部出来る奴なんていない。何度もやって、何度も失敗して、やり方を覚えて、手早くやるやり方を覚え、こうすれば早いなんて言う近道を見つけたり、こうすればもっといいんじゃないかっていう発見をする、そういうのが楽しいんだ」
俺だって初めから全部出来た訳じゃない。寧ろ俺はそこまで器用じゃないからな、何度も失敗したり、何度もダメにした。スポンジ部分なんてその最たるものだ。膨らまない時だってあったし、どう見てもダメなのもあった。
その度にレシピを見直して、やり過ぎた事に気付いたり、材料が多すぎた事に気付いたり、逆に少ない事に気付いたりして、ゆっくり覚えて行ったもんだ。
慣れてくればそれこそある程度の目分量でも行ける様になるし、上手く作れるようになると嬉しくなる。そうやって少しずつ慣れていく。
「マスター、生地の粉っぽさが無くなってきたよ」
「よし、大丈夫だな、それじゃこれを型に流し込んでいくぞ。気泡を抜くのを忘れないようにな?」
「ん、りょーかい」
サイレーンが生地をゴムベラで切るように混ぜている。ここまでくれば後はもう少しだ。この出来上がった生地を型に流し込んでいく。
この時空気が入るので、型を何回か落としたりして気泡を抜いて行く。ここが大事なポイントだ。
「・・・サイレーン早い」
「ふふり。私も成長しているのだよ」
「・・・負けられない。ケーキ屋先生、私のはどう?」
「ちょっとまだ粉っぽい所があるな、こう、切るようにゴムヘラを使ってみろ?」
「・・・ん。こう?」
戦闘では頼りになると言ってもまだまだ中学生、子供も子供。まだまだ器用になんでもという訳にもいかない。それでも流川の為に頑張っている様子は微笑ましいものだ。ついつい甘やかしてしまいそうになる。
「主殿、我も出来たぞ?」
「どうして・・・どうしてそんなに完璧に全部出来てるんだよ」
この幼女、ちょっと説明と動画での作り方見せてやったらあっという間にスポンジ作成作業完璧に終えてるんだが。
文句のつけようもない完璧な手際、寧ろ下手したら俺より早いんじゃねぇのこれ?
え? もしかして俺、ハトメヒトに負けてるの?? 泣きそうなんだけど。
「あーし、これに負けてるの・・・?」
「おちついて半身。ショコラ達はそもそも家事出来ないから」
ドヤ顔で言うショコラ。寧ろ部屋片づけとかも出来ないしなこの二人。いつもテルクシノエーに怒られて漸く片付けするけど自分の周辺のゴミをゴミ箱に捨てて終了って感じだからなぁ。その辺ダメな方向のギャルって言うか何なのか。
意外とサイレーンはその辺きっちりしてて、部屋片づけは大体サイレーンが綺麗に行ってくれてる。苦手なのは料理位だがそれも菓子作りを始めてからちょっとずつ成長してるから将来が楽しみだな。
「・・・ケーキ屋先生、できた」
「お? よしこれなら大丈夫だ、型に流して空気を抜いて行くぞ」
「・・・了解」
さて、ケーキ作りはこれからが本番だ、楽しくやっていこうか。
◆◇◆◇◆◇◆◇
―ハルペー視点
俺の目の前でケーキを作っている美少女や美女達。
それだけでも眼福な場所なんだが、そこの中心にいるのがまさかのガッシリ体型のおっさ・・・お兄さん事、御堂さん。
正直な話、俺がプレイヤーじゃなかったら出来る限りお近づきになりたくない姿してる。ガタイは良いし、見た目相応に普通に怖いしな。
そんな人が滅茶苦茶似合わねぇコックみたいな恰好と可愛い系のエプロン身に着けてケーキ作りの指導してるってのが色々と脳がばぐるんだわ。
こう見えて俺よりもプレイヤー歴が浅いとか世の中よくわからねぇなぁ。
そしてそのソウルギアがずるいって言うかなんというか。
サイレーンちゃんは普段はぼーっとしてる事が多い不思議ちゃん系の美少女。腰まで伸びている銀色の髪の毛が特徴の色白美人さんだ。年齢的には16~18歳位って感じがする。
着ている衣服も独特で左右非対称な謎な服装を好んで身に着けている。外で歩く時も片方に長いブーツを履いてもう片方に普通に靴履いてるっていう中々に凄いセンスだ。そしてそれが凄い似合ってるんだから困っちまうよな。
更にはそんな感じをしつつ、割と下ネタもOKと言う緩さがもう可愛いが過ぎる。惜しむらくは御堂さんのソウルギアなのでその愛情が全部御堂さんに行っているから俺にはワンチャンすらない所か。
テルクシノエーさんも同じく御堂さんのソウルギアだ。てか人型ソウルギアって増えるとか聞いた事ないんだが。
彼女は基本的に清楚なお姉さんみたいな感じだ、サイレーンさんは銀髪だが、テルクシノエーさんは白髪なんだよな。老人の白髪とは違って輝くような白い髪の毛がとてもよく似合っている。それをポニーテールにしてる所がもう、たまらんね。
服装はあえてというかなんというか地味な服装を好んでいる。今着ている服も上下合わせて5000円もしない体のラインが出ないような安物を着てる。それだけなら魅力もへったくれもないんだが、彼女に関しては「そんなことはない」
やばいんだよ、大人の色気とかそういうフェロモンがそんな地味な服装じゃ誤魔化し切れないんだよ。クソダサな服装すら似合ってしまうほどの妖艶さって言うの? こんな人に「ご主人様」とか言われてるとか羨ましいを通り越して、憎しみすら浮かんできちゃうんだ。
そんな色気の塊なテルクシノエーさんだが、実はこの中で一番清楚で純情とか言う、なにその羨ましすぎる属性。経国の美女が実は誰よりも純情で清楚で優しくてお姉さんとか属性盛り過ぎなんだよ、ほんとありがとうございます。
そしてやはりその愛情は御堂さんに向かってる訳で、俺はこの人刺しても許される気がするんだ。
この中で唯一俺と一緒で参加していない美女の双子っていうか、ミューズの二人。ショコラちゃんとクレアちゃん。
どっちも高校生位の体型で、趣味なのか分からないけどどっちも改造したような学生服を着てたりする。勿論ちゃんとした学生服って訳じゃあなくて、アプリで購入した防具らしいんだが、これまたすげぇ似合ってる。
どっちもテンプレみたいなギャルなんだが、性格が悪いとかはなく、所謂何て言うの? 「オタクに優しいギャル」っていう感じそのまんま。
黒髪の方のショコラちゃんは俺にも結構フランクに話し掛けてくるし、ゲームとかに誘って来てくれるんだよな。色々隙だらけな感じで、結構あちこち見えてしまうからつい視線がそこに向かってしまって、それを見られた時「あ、俺死んだ」と思ったけど、なんと彼女は笑って「男だもんしゃーないって♪ けんこー的なしょーこって奴でしょ♪」って笑って見逃してくれたんだよ。天使かと思ったね俺は。
金髪の方のクレアちゃんは結構口調がきついけど、彼女も彼女で色々と優しいんだよな。ただ、ショコラちゃんと違って御堂さんの事が好きっていうオーラが隠し切れないって言うか、基本男と関わろうとしないってのが寂しい。
そんな美少女や美女に囲まれてるんだからさぞや日々酒池肉林なんだろうなと思ってたのに、これでまだショコラちゃん曰くそう言うのは全然ないって言うんだから、最初はもしかしてあっちの人なのかと思ったぞ・・・だってジェミニさん、てか流川さんとすげぇ仲がいいし、流川さんの為にケーキとか作ったりとか、それ完全に乙女とかヒロインの行動なんだわ。
いやまぁ、サイレーンちゃんにハリセンでどつかれて「マスターをそっち方向にもっていかないでね?」と釘をさされてますが。
んで、最後の一人。俺も知ってると言うか、レイドに敵として出てきたはずのボスモンスターだった、女神ハトメヒト。
まさかの赤髪ツインテ少女とか予想外にも程があるだろ。【大】【爆】【中】【巨】と来て【無】が来るとは俺の予想をはるかに超えてきたわ。
頭に魚? シャチ? よくわからない魚介類の帽子を被った美少女だ。基本的に完璧に無表情で冷めた雰囲気すら感じる子なのだが、まさかの混沌枠だった。
会話する度に意味不明な事やりだすし、急に踊りだすし、高頻度でテルクシノエーさんにどつかれて撃沈するのに秒で戻ってくる、なんか時々増えてるし。御堂さんの事を羨ましい、裏山死んでほしいなんて呪詛を吐きそうだった俺が、「ドンマイ」と言いたくなるレベルの奇行少女なのだ。
正直俺なら数分話すだけで疲労困憊になりそうなのに、御堂さん曰く「時々真面な事も言うから侮れない」らしい。どういう枠なんだよ。
レベル4になって増えたって事は、これでレベル5になったらまた増えるかもしれないんだよな。なんて、なんて羨ましいんだ(ハトメヒト除く)俺もさぁ? ハルペーが進化して美少女とか美女になってくれないかなぁ。年上のお姉さんとか俺的には最高なんだが。
んで最後にそこで一生懸命頑張ってるのがスピネル。
俺達の中で唯一本名が分からないプレイヤーの少女だ。なんでもまだ中学生らしい。あの時共闘したバンカーの奴も中学生って話だし、意外と子供も巻き込まれてるんだな。俺自身学生の頃に巻き込まれたから、御堂さんみたいに大人になってから巻き込まれるタイプってのは結構珍しいのかね・・・
いや、羅漢っていうおっさんはあの年齢でプレイヤーだし完全にランダムなんだろうけどよ。
スピネルは基本何考えてるか分からないんだよな。ハトメヒトも無表情だが、こいつはなんていうか意識して表情を出さないようにしてる感じがする。折角の将来有望な少女なのに勿体ないって言うかなんて言うか・・・
ま、俺が深く関わっちゃダメだろ、基本的にこいつ流川さんと御堂さん以外には塩対応だしな。俺なんてゴミを見るような目で見られてたし。あ、それはリバティさんもそうか。ま、あの人は残念ながら当然と言うかなんというか・・・・
そんな事をぼーっと考えていると、ケーキ作りもいつの間にか終盤になっていた。俺はそこまで甘い物好きって訳じゃあないけど、タダで美味いケーキ食えるなら喜んで食うタイプだ。こう見えてプレイヤー歴はそこそこ長いから、ポイントで結構うまいものは食ってきたからな。
彼女達が絶賛する御堂さんのケーキ、堪能させてもらおうじゃねぇの。
あー、完成が楽しみだな。
―113話了
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後半はハルペー君の主観による、メンバーの容姿等の説明でした。
容姿の描写とか難しいんですよね、あさねこはその辺のセンス皆無なので。
こういうのを上手く出来る方は尊敬です。
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