☆銀連TIPS:『フィライド族』
フィライド族は原生地球人が外宇宙で出会った地球外知的生命体のうち、五番目にあたる種族とされている。
ただし、統一銀河連盟への加盟順位はそれよりもかなり遅く、遭遇から長い期間、彼らがコミュニケーション可能な知的生命体であるとは信じられていなかった。
というのも、原生フィライド族はヒューマノイド型とは程遠い形状・性質で進化しており、地球型生態系の尺度で言うところの、植物に近い性質を多く備えていたからである。
異星系人種との相互接触事例が爆発的に増えた〈大会合時代〉の後期になって、他の知的生命体の驚くべき多様性を目の当たりにしたのち、とある観光用惑星で足元を
連盟憲章に批准してからのフィライド族は、何世代にも渡る大規模な遺伝子的改造を繰り返し、現在では外見的にほぼ完璧に近いヒューマノイド体を手に入れ、他種族との間で過不足のない意思疎通と、驚くべきことに、自然交雑までもを可能としている。
静脈のように体表に薄っすらと現れる緑色の美しい紋様が、彼らがかつては光合成を行う生存戦略を為していた名残りである。ただし、それですら種族的アイデンティティを維持(あるいは主張)するために、敢えて取り除かれなかった特徴だと見る向きは多い。
こと原生地球人に近づけるための遺伝子的外科手術という代償を、最も多く支払わされてきたのが彼らフィライド族であり、銀連に所属する他の種族からは、ファイライド族の加盟の初期から、彼らが地球人種によって恣意的に設計された人工生命体ではないかとの疑惑の声が上げられている。
科学的妥当性に関しては曖昧で、必ずしもその指摘が適当であるとは言い切れないものの、親地球派の最右翼と目される彼らの存在が、統一銀河連盟における地球人種の立場を利していることは間違いのない事実である。
なお、原生フィライド族が持っていたテレパス能力の多くは、ヒューマノイド化処置の過程で失われてしまったが、
多種族の寄合所帯である探査船団社会の中で、大小様々な事故になりかねなかった事態をフィライド族の不思議な予知で未然に防いだという事例は枚挙に
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