第12話 困っている人の行方

 散々困っていた人がいたとする。

かなり困っているようだ。

良かれと思って手を差し伸べたり

困っているようだから助け求めてきたときに

助言したりする。

 ここまでは助けた方も気分がいいだろう。

しかし、今度は困っていた人が

心理的にも色々な状況から抜け出し

困らなくなってくると、今度は恩を忘れて

自分勝手な言動をしたり

手を差し伸べてきた人に対して

馬鹿にした目つきで見てくる。

 この目つきは一体何なのだろうか。

人を見る目を持っている人や、

対人関係に敏感な人はわかるだろう。

もうここまでくればお分かりだろうか。

 困っていた人は自分が助かったり

自分が出来ることを持ち

他の人の出来ないことを見て

人に勝ったり、困っていることから抜け出すと

嫌な雰囲気で包まれるのだ。

 どうやら、困っていた人は

思っていたより、ずる賢く人より勝りたい気持ちが拭えず

自分に困っていたようだ。

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