第30話 シルクロード・襲撃後編

月が大粒の涙を流しながら泣いている時に頭に過ぎるのは実の兄である紅魔コウマヒビキと過ごして記憶であり何でこんな事になったかと思っているとロバートは衝撃の事実を言う。


「しかもあいつを殺したのはクズ教官だ」

「何だって!?」


ロバートが言っている事にアーサーは驚きを隠せないのはそのはずその男は二年前彼らが協力して倒し連行された後様々な不正や部下の過剰暴力が世間にバレてしまい結果的にトウキョウ王国に永久追放されている男がどうして生きているどころかどうやってここまで戻ってきたかは気になるが聞こうとした時に蒼聖ソウセイショウがやってきて驚きの事実を言う。


「大変だ! 時計塔の補給部隊が来てない!」

「何!?」


ロバートが驚いているそのころ時計塔の地下には小太りの貴族と二人の兵士が言い争っていた。


「何故魔力水を届けないのですか!? このままでは今いる魔法使い達が全滅してしまいます!」

「それくらいわかっておる」

「だったらなぜ―」

「これは王の命令であるからな」

「そんなの横暴だ!」

「王はこのトウキョウ王国を統べるために忙しいお方が直々に命令しているからしょうがないだろう」


そう言うと小太りの貴族は上級都市区の王とに戻ろうと進み残った二人の兵士が納得しなかったが彼らは魔法を使えず刻印がある武器を所持していないためどうすればいいか悩んでいた時に壁の隙間から突如尖った爪がある手が襲い掛かり二人の兵士は急いで避けると謎の手はそのまま壁に突っ込み壁に穴を開くと大量の小型魔物を引き連れながら一体の魔物が現れる。

その姿は上半身が女性だが両目が無いせいか暗闇に似ているほど暗く下半身は魚の尾ひれになって両腕を見るとさっき襲い掛かった手の形が似ているうえに両腕には鱗があり右手に持っているのは持ち手が鉄だが木製の杖を持っているが杖の先にある水晶の代わりが人の目が付いており二人の兵士はあまりの恐ろしさに地面に逃げるが小型魔物達が襲い掛かるが二人の兵士が何とか逃げ切る事が出来て地下の扉を閉めていると他の兵士に出会う。

兵士達がどうやってここから脱出すればいいか迷っているそのころ月達は時計塔に向かっているが少し前に戻る。


~「大変だ! 時計塔の補給部隊が来ていない!」

「何!?」


ロバートが驚くのはそのはず彼らはまだ年が若いせいで魔力の消費が激しく万全の状態になるには一日経つのと魔力水で回復するかの二つだがこの状況で一日も持たずに殺されてしまいどうすればいいか迷ったときにショウは決断する。


「こうなったら今いる人全員で時計塔に向かうしかない」

「正気か!?」


ロバートがショウが言った事に反対する。

それもそのはずなぜなら今時計塔に向かったら魔物に殺される未来が見えていたがショウはいったんロバートを落ち着かせて説明する。


「落ち着いて、それに策はあるよ」

「本当か?」

「アア、それは遠回りするんだ」

「「遠回り?」」


アーサーとロバートは声が重なっているが今は気にせずにショウは説明を続ける。


「僕たちがいるのは避難経路にいるけど魔物達は守護壁付近にいるが一体だけの特異魔物がいるけどそいつらはどれも音が聞こえないからバレずに近づいて行けば成功できる!」

「だったらやろうよ」


さっきまで泣いていた月が立ち上がってショウの策を受ける事にロバートが驚く。


「月!?」

「きっと兄さんはさっき避難した子を助けるために犠牲になったからその思いを無駄にしたくない!」


月の瞳にはヒビキと同じ諦めない不屈の精神が写ってロバートもこの策に受けてアーサーも緊急時には逃げるようにしておこうと認めて他の人も受け入れると全員が時計塔に向かい走り出す~


そして今になって時計塔まであと少しだが扉の近くにいる三位一体のような魔物が遮っている。

その姿は全長四メートルくらいあり頭部は普通の女性の顔だが右目は赤黒い光っており片手には顔が付いている小鎌と小盾を持っており復讐の姉妹エリニュスは時計塔に近づく者はいないかと監視を続けて視界が変わった瞬間に一気に走り出して割れ欠けている窓に飛び込んで何とか入るとそこには数人ほど兵士が隠れていて訳を話すと地下に目玉が付いている杖を持つ魔物が占拠して武器型供物や魔力水が保管してある場所に水の手が守っている上に外には復讐の姉妹エリニュスが見張っていてどうすればいいか分からずにしていると月達が窓を割って入ってきて今に至ると言う。


「だから時計塔の補給部隊が来なかったんだね」

「アア」


アーサーは補給部隊が来ない理由に納得していると突如何かが爆発するような音がして外を見ると煙が出ていて少ししてようやく晴れるとそこには復讐の姉妹エリニュスが爆散しているがそこには一人の青年が頭部に似た肉塊の上に立っているがその姿は魔法装束を着て髪が白銀のように白く体格は中肉中背だが程々に鍛えられて右腕は大木のように太く指の爪は猛獣のように鋭く顔は竜に似た炎の仮面を着けて誰なのかは分からないが小型魔物が一斉に炎の仮面の青年に近づいて攻撃しようとするが炎の仮面の青年は右腕を一振りするだけで襲い掛かろうとした小型魔物達は重力に押しつぶされたように地面に落ちて行きそのまま潰れてしまう。

その様子を見たアーサーは首を傾げる。


「あれは何だ? 何で魔物が魔物を襲っているんだ?」

「知るか、あれは特異魔物だから時折俺達が知る範疇を超えることするからだろ」


ロバートが気にするなと言っているとショウが壁に掛けてあった回転式拳銃リボルバー固定式ソリッドフレームであるM1873と小銃ライフル鎖閂式ボルトアクションであるスプリングフィールドM1903を何丁かほど持ってロバートが壁に指を指しながら言う。


「それってさっき壁に架かっていたやつを何に使うんだ?」

「これを使って地下にいる魔物を倒す」

「正気か!?」


一人の兵士が地下にいる者に立ち向かおうとする考えに驚くがショウは話を続ける。


「目が見えないけど耳は異常に発達している魔物は水死の処女ウィンディーネだよ」

水死の処女ウィンディーネって確かかなり深めの湖に現れる魔物なのに何でココに来るんだ?」

「僕の推測だけどシルクロードには近くにある山の川が流れていて山の頂上にある湖はとても深いからその流れに辿ってこの地に着いたんだ」

「そういえばこの地下の流れていた水は近くにある山から流れているぞ!」


一人の兵士が何かを思い出したかのように叫ぶと外から何かと戦う音がして割れた窓から少しだけ見ると炎の仮面の青年が水死の処女ウィンディーネが操る水の手を蹴り飛ばし叩き潰すなどしているが少しずつ数が増えて行き急いで倒さないといずれこっちに来ると思い迷わず回転式拳銃リボルバーのM1873と小銃ライフルのM1903を受け取って弾丸の数を数えると回転式拳銃リボルバー六発で小銃ライフル二十五発で今いる三十人の内十五人が地下に向かうため回転式拳銃リボルバーの総合装弾数は九十発で小銃ライフルの総合装弾数は三百七十五発であるが魔物に致命的なダメージを与えるのは難しくおそらく回転式拳銃リボルバー百八十発と小銃ライフル七百五十発必要で今ある弾数が足りないと思うと月が床に指を指しながら兵士たちに聞く。


「ネェ、この床他と違って少し取っ手があるけど?」


月の質問に気になった一人の兵士が取っ手がある床を掴んで上に揚げると大量の弾丸と再装填リロード方法が書かれた紙が置いてあって喜びつつも人通り見終えたら地下に続く階段に降りていく。


徐々に近づいてショウ水死の処女ウィンディーネを倒す方法を今いる全員に伝える。


水死の処女ウィンディーネの弱点は知って言うよね?」

「アア、確かアイツは耳が良すぎて巨大な音に弱い事だろ」

「うん、最初に回転式拳銃リボルバーで一斉に全体発射した後に小銃ライフルで別の場所を撃って倒そう」

『「了解」』


全員が頷くと地下室に入るための扉に着きアーサーが扉の取っ手を掴み全員の状態を確認し終えると一気に扉を開けて地下室に入るそこには水死の処女ウィンディーネがいるが運が悪いか倉庫の扉の間に居座っているが月達も入ると一斉に回転式拳銃リボルバーの引き金を引き打ち出していく。

薬が爆発する音と撃鉄ハンマーが叩く音が地下室に響き水死の処女ウィンディーネは耳を抑えて苦しんでいくと弾丸を食らうが全員が撃ち終えると銃傷を癒やしつつ水の手を呼び戻そうとするがさっきの轟音と炎の仮面の青年が戦っている事によって呼び戻せない隙を突いて回転式拳銃リボルバー小銃ライフルを全て打ち放つと水死の処女ウィンディーネが断末魔を上げるとそのまま倒れだして消滅してロバートが右腕を挙げて喜ぶ。


「何とか勝てたぞー!」

『「ヤッター!」』


ロバートが勝利を確信した後は全員が喜ぶが今はそんな場合じゃないとアーサーに言われて皆は倉庫にある魔力水を飲み終えると一人の兵士が焦った声で地上の事を言う。


「水の手が消えると思って外観たら傷だらけの魔法使いが倒れていたぞ!」


一人の兵士が言った事が気になり地上に上がり時計塔に出ると他の兵士がさっきの魔法使いを治療しているが炎の仮面が消えると最初に出た月が信じられないものを見たよう目になるが少しずつ近づいて顔を見るとひとりの兵士が月に質問する。


「如何した?」


しかし月は兵士の言葉を無視して今治療している魔法使いを見て声は小さいが強くとある人物の名を呼ぶ。


「兄さん、生きていたんだね!」


実の兄である紅魔コウマヒビキが生きていた事に喜び強く抱きしめると他の兵士が慌てながら落ち着かせようとする。


「今かなり傷ついているから強く抱きしめないで!」


その状況をショウとアーサーは泣きながら生きている事を喜びロバートが困惑しているがその後に遅れてきた魔法使いがショウ達をシルクロードから中級都市に連れ込んだ。

一方そのころ魔人ザンバは森深くに何者かと通信ているが後ろから人の形をした影もう一人の自分ドッペルゲンガーが報告する。


「ザンバ様今一度死んだはずの紅魔コウマヒビキが生きていました」

「何!?」


魔人ザンバはもう一人の自分ドッペルゲンガーの報告に驚き今通信している男が聞く。


「如何した? もしかして紅魔コウマ切嗣の子が生きていたのか?」

「エェ、その通りで貴方様がくれた大樹の捕食者ヘイズニック百腕の巨人ヘカトンケイル復讐の姉妹エリニュス水死の処女ウィンディーネが討伐されてしまいました」

「その四体はいつでも生み出せられるが切嗣の子がを使っていたら急いで殺す事だ」

「承知いたしました、様」


ソロモンと呼ばれた男は通信を切り終え魔人ザンバはもう一人の自分ドッペルゲンガーに命令する。


「急いで民間人のふりをしてあの薬を使っているか確認しろ」

「分かりました」


もう一人の自分ドッペルゲンガー木の陰に移動しながら中級都市に向かい魔人ザンバは少し考えた後にひとりでに笑い出す。


「もしかしたらと思っていたがまさか生きていた事に驚いたが我が色欲之王アスモデウスの前に立ちはだかるのは無駄だ」


魔人ザンバはそう言うと森深くに進みだした。

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