憑坐さまの仰せのままに
一初ゆずこ
序章 楽園を追われた日
供犠の遺言
今から
木々の隙間からは、
「――いたぞ!
御山の
「妹を
睡依は、息を切らせたまま、振り返る。
「
「
震える声で
「これで、〝
「〝
睡依は、一歩、二歩と後ずさる。
「〝
「違う……違うわ、ねえさま。私は、旅のお
「
「この
「なぜ、妹を殺したのですか。あの子は、何の罪も
「私の身に何かあったときに、資格を持つ者が
「
「なんて
「そんなはずがないわ! なぜなら、本物の巫女は……!」
感情的な訴えは、吹きすさぶ
「睡依。元をたどれば〝まれびと〟であり、海棠家の養女として、家族の
睡依は、もはやここまでだろう。だが、たとえ睡依を
「――〝
後ずさりをやめると、足下で小石がカラリと鳴って、
「
「〝憑坐さま〟の
「罪人と、これ以上話すことは何もありません」
表情を消し去った
「さあ、もう一度〝姫依祭〟を始めましょう。この供犠を、
いきり立つ村人たちが、
「その必要は、ありません」
ふっと身体の力を抜くと、黒髪がふわりと
だが、もしも睡依が逃げ
「〝憑坐さま〟の仰せのままに」
荒れ狂う海に身を投げた睡依は、
生きるか、死ぬか。行き着く先は、神のみぞ知るに違いない。
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