真紅は瞳の色と朝焼けに

霜花 桔梗

国家勇者騎士高等学校 入学編

第1話 王都へ

 私の名前は『エルフローラ』紅の瞳を持ち、一族は山の中に隠れ住むナジナ族の一七歳の娘だ。


 私は王都、ザブエルの校外にある国家勇者騎士高等学校に入学する為に旅をしている。今は馬車に揺られて空を見ていた。


 何故、国家勇者騎士になりたいかと言うと魔族に一族が襲われた時に旅の傭兵さんが一人で倒してくれたからだ。傭兵さんの名前は『カエスル』腕に逆十字の刻印の後がある人だった。


 逆十字は神様に背いた象徴で祝福が得られないと言われている。


 でも、私にとっては勇者様だ。だから、私も国家勇者騎士になって人々を救いたいからだ。


 しかし、家族からは国家勇者騎士になるのは大反対された。ナジナ族の紅の瞳は力の象徴であった。普通の人間族よりポテンシャルが高く過去、歴史上の戦争に都合よく使われていたからだ。


 その為に一族は山奥に隠れ住み平和な暮らしを送っていたからだ。


「お嬢さん、もう直ぐ王都だ。今時、国家勇者騎士などに成りたいなんて命知らずだな」

「そんな危険なのですか?」

「あぁ、この世界は今、魔族の脅威にさらされている。それでいて隣国との紛争を起こして対魔族の同盟も出来ない。きっと、文明が滅ぶ瀬戸際なのだろう」


 私は旅の商人の馬車に乗せてもらっている。旅の商人には色々情報が入ってくるらしい。どうやら、この世界は滅びかけているとのこと。


「それで、王都から国家勇者騎士高等学校に向かうにはどうしたらいいですか?」


 私が旅の商人に学校までの道を教えてもらおうとすると、旅の商人は難しい顔をして。


「国家勇者騎士高等学校は王都と言ってもかなり離れている。厳しいかもしれないが歩いて行くしかない」

「大丈夫です、体力には自信があります」

「なら、この地図を使うといい、安くしておくよ」


 旅の商人は古びた地図を取り出す。


「ありがとうございます」

「へ、感謝なんて要らないよ。ただ、お嬢さんみたいな人が勇者になって世界が救う事を夢見てね」


 すると、王都の大都会が見えてきた。残り少ないこの馬車の時間を大切にしたいなと思うのであった。

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