中学生編
第1話 プロローグ
ある日突然、不幸が起きた。
それは、暴走車による衝突だ。
病院へ緊急搬送された俺は意識が遠い。
体全身が痛み、指すら動かすことが出来ない。
(そろそろ、死ぬのか……)
医者たちは額に汗を垂らしながら一生懸命の限り延命処置と治療を続けているのは、薄っすら見える光景で分かる。
(もう無駄だって……、もう諦めた方がいいよ……)
そんな医者に対して、心がないことを思ってしまう。
(まだ、消化していない美少女ゲーがあったのに……、美亜ちゃんに会いたい……)
意識が朦朧して、現状思い浮かべることは最愛のヒロインである美亜ちゃんのエンディングで映し出された笑顔。
緊急治療室に響く心電図が徐々に弱まっていく。
(もしラノベにあるような異世界転生が出来るのなら、あのゲームみたいなチート持ちでハーレム築きたいな)
徐々に眠気に襲われ、自然と瞼を閉じていく。
それから目覚めることはなかった。
◇
ある世界で前世の記憶を持ったまま、新たな命を宿った。
その世界は前世とはまるで別物だった。
魔法が存在せずに科学が現代文明とそう変わらないくらい発展していたが、一つだけ異なっている部分がある。
それは女性だけが異質な超能力を持っていることだった。
異能力の存在によって労働やインフラ部分が前世より少し進んでいた。
そんな世の中で、最も古くから存在していてメジャーなスポーツがある。
『これから行われるのは、アメリカ代表のメアリー選手と日本代表の彼方選手によるワールドチャンピオンシップの決勝戦です! お互いのレベルは10同士の最高峰の試合を中継することを約束します。 チャンネルはそのままで!』
とある一室にあるモニターに映し出されているのは、スポーツの実況番組だ。
金髪で長髪の女性と黒髪のショートの女性が、お互いに異能を発動して戦闘をしている。
『さすが、最高峰のバトルです! 観客席に貼っているシールドが一発一発の攻撃による衝撃波で揺らいでいます! 身体変化系を極めたメアリー選手の圧倒的な暴力と物質操作系と現象系を組み合わせたトリッキーに戦う彼方選手による戦いが全観客が魅了されています』
彼方は瞬間移動をしながら、手から飛ばしている小石を爆発させていく。
そんな攻撃を身体強化による高速移動で避けて、拳による重い一撃で起こす風圧により彼方を吹き飛ばして、壁に激突する。
その瞬間、ダメージの代わりに服に着けてあるメーターの光が減っていく。
それにより、無傷で済んでいる。
そのメーターは、異能や物理的な攻撃から身を守る光を放出するアイテムだ。
分かりやすく言えば、HPゲージを可視化したものだ。
そのアイテムのおかげでスポーツとしてなりたっている日常でも使われる必需品だ。
『メアリー選手による攻撃で彼方選手がダウンだ! 10秒以内立たなければメアリー選手に1点が入ります。 これで点が入れば後4点で勝利が確定します!』
このスポーツは、ルールは単純だ。
戦闘中の間は、いかなる異能の使用が禁止されていない。
『おーっと! 彼方選手が立ち上がった! そして、すぐに異能により周辺を爆発させて爆炎による目くらましだ! こちらから何も見えません! ですが、こっからが本番です! 彼方選手の得意戦法で勝利を捥ぎ取るでしょう!』
この戦いから15年の月日が経った。
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あとがき
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