第2話 入部
「ここがオカルト部かぁ〜どんな先輩がいるのだろうか…」『
オカルト部ではきっとそれはそれは楽しい生活がまっているのだろう。
(部員とこっくりさんをやったり、この水高の七不思議を解き明かしたりするんだろうな)期待に胸躍らせながら部室のドアを開ける。
そこにあったのは中央に置かれた長机とその脇にある大量の本棚、そして長机の上に申し訳程度に置かれているノートパソコン、だが俺の目を引いたのは長机の奥で地図を見ながらぶつぶつと何かを呟いている人達と地下から上半身だけが見える女性だった。
「うぇぁ?」その景色に思わず変な声を上げると後ろから「この様な異様な光景を目撃した探索者には1d50のSANチェックです」
「のわっ!って死ぬわ!」
俺はいきなり後ろから話しかけてきた人に驚きながらも思わず突っ込む
「ふむ恐怖の中でも突っ込むだけの胆力とクトゥルフ神話TRPGまで予習済みとは感心感心、お〜い一年きたよ」
すると何かを呟いていた先輩達が顔を上げ長机を片付け出す。
「おぉ〜よく来たな、まぁこっちに座ってくれ」
俺は大人しく指定された先に座る。
正面には先ほどの人達が座る。
「それじゃあ名前は?」
「
「そう、私はオカルト部部長の
「後輩にそんな馬鹿げた呼び方を強要するな、部長が悪いな俺は副部長の
「僕は一般部員の
「よろしくお願いします!所で先程の女性の先輩は何処に?」
そこで七瀬先輩が目を細める。
「じゃあ入部って事だけど君はこの部をどの様に認識している?」
「俺の疑問は無視ですか?」
「良いから!」
「普通に皆んなでコックリさんとか心霊スポット凸とかをワイワイしながらやる部の印象です。」
「そうね、概ねその認識であっているわ、という訳で今から体験入部も兼ねて『コックリさん』を行うわよ」
「えっ!この学校『コックリさん』したら怨霊が出てくるとか言う七不思議ありましたよね?」
「あぁ〜あれね?ありえないから安心して」
「何で言い切れるんですか!?」
「知り合いだし」
「はっ?」
つい間抜けな声が出る。
「いゃそいつって死んで尚オカルトになりたいとか言う執念で怨霊になった初代部長なのよ」
「はぁ?!んなまさか」
「いいえ残念ながら我が部では既に幽霊等の存在を全員が確認しているの」
他の先輩方も頷いている。
「いや好きだから信じたいけど信じられませんって」
「まぁ見ないとわかんないよね〜、カモン松本!」
途端長机の下から女性が出てくる。
「うっすどうしました部長?」
「新入りの彼にアレあげれるかしら?」
「あぁ可視化装置ですね分かりました。」
「じゃあちょっと待ってね」
「いやいやいやいや!ちょっと待ってねじゃ無いですよ!何ですかあれ!そして誰?!」
「君の誰?と言う疑問は後で本人に聞くといい、それとアレは地下室だ、勝手に増築した。」
「何やってんですか!部室の増築は校則で禁止されてたでしょう!」
「大丈夫バレなきゃ犯罪じゃ無い!」
ドヤァ!なんて背後に見える気がする。
「いやいや密告されたら終わりでしょう!今までどうしてきたんですか!」
「どうしたも何も部室持ったの去年だし」
「えぇぇ〜」
前例が無かったようだ。
「まぁでも入部したならもう逃げられないし、資料や機材の置き場所が欲しかったしねぇ」
「とって来ましたよ〜一体何をするんですか〜?」
「新入りの説明用に初代を呼ぼうとかとね、後自己紹介をお願い」
「分かりました〜
「あっ翔島海斗です。よろしくお願いします」
「礼儀正しいね〜そう言う子は好きだよ〜」
かなりマイペースなようだ。
「後部長コックリさんの紙もとって来ましたよ〜」
「ありがとう絢音、さてそれじゃあその指輪を付けてみて」
松本さんから指輪が手渡される。
「それじゃあコックリさんを始めましょうか」
それが俺がオカルト部に入って初めての活動だった。
あの日を俺は一生忘れないだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます