なぜかうちに居着いてる後輩に問答無用で甘やかされてる〜距離感の近い後輩と始める、だらっと癒され生活〜
じゅうぜん
第1話 どもども先輩。おかえりなさーい
「あ、どもどもせんぱーい。おかえりなさーい」
「ご飯にしますー? それともお風呂ー? それともウチー?」
「なんてー。えへへ」
「え?」
「なんでうちにいるのかって?」
「え、あれ? ここって先輩んちですよね?」
「……ですよね。あってたよかったー」
「知らない人んち入ってるかと思っちゃったじゃないですかー」
「驚かせないでくださ……」
「ん?」
「鍵? 閉まってた?」
「あ、はい。ちゃんと閉まってましたよ」
「いえ、ここに合鍵があるので、まあ」
「え?」
「いやいや先輩」
「忘れないでくださいよ」
「むかーし先輩の引っ越し祝いで飲んだ時に、合鍵くれたじゃないですか」
「先輩べろべろになってましたけどね」
「記憶にない……?」
「ふーん……」
「ま、酔ってたし、そういうこともありますよねー……」
「はい」
「ま、それは置いといてー」
「ひっさーしぶりにスーパーかわいい後輩ちゃんが遊びにきてるんですけど」
「先輩、なんか言うこと無いんですかー?」
「……帰りなさい?」
「えええ……? そ、それはご勘弁ですよぉ」
「待ってぇ~。引っ張らないで~。脇のところ持たないで~! なんでもしますからぁ~~!」
「……ふぅ……止まったか」
「ま、先輩のちょろさならこのくらいで……あっ! 待って! ストップー!」
「……ふぅ」
「せーんぱーい?」
「せっかく独り身の先輩がお疲れだろうから遊びに来てあげたというのにー」
「この仕打ちは一体何様のつもりです?」
「……家主のつもり? おお、正論」
「まあ突然来たのは悪かったですよ。すみません。先輩」
「びっくりしますよね。先輩も」
「なのでー」
「おーわーびーにぃ……」
「きもちいこと、してあげましょーか?」(耳元で囁く)
「あははー。先輩顔あかーい」
「なに想像したんですかー?」
「えぇーウチわかんなーい。教えてくださーい」
「……えへへ」
「こーいう絡みするの、ちょっと久しぶりですよねー」
「先輩、就職してから忙しそーだから」
「あんまりLINEも反応薄いし」
「この前通話した時もぼやーっとしてたし」
「だからこーして、様子を見に来ちゃいました」
「……ほんとに嫌だったら帰りますけど」
「……あ、へへ。ありがとうございます」
「でもやっぱり来て正解でしたね」
「先輩、元気無いですし」
「ツッコミも全然キレ無いですし」
「特に顔。帰った瞬間からもう疲れたよぉーって顔でした」
「……そんなことなくないですよ」
「ウチこれでも先輩検定一級なので」
「何年も一緒にいましたからねー」
「そんなお疲れの先輩をさらにお疲れにさせるわけにはいかないのでー……」
「今日はウチが先輩を気持ちよくしてあげます」
「あ、ちなみに変な意味じゃないですよー?」
「癒してあげます、ってことです」
「そです」
「なので先輩はウチに身も心も委ねていただければーと」
「ご心配なく。ウチだってリラックスさせる方法くらい知ってます」
「あ……その顔は……信じてない顔ですね?」
「むむ。試す前からそういうのはどうなんですかー?」
「ええ。そうですとも。一回試してみても、ばちは当たりませんよー」
「はい。ではそこ。お布団にごろんってしてくださーい」
「はいはいはい、遠慮しないでー」
「ウチと先輩の仲なんですから」
「ほられっつごー♪」
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お読みいただきありがとうございます。
コンテスト向けの新作ラブコメ短編です。
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