#3 The Battle Flame Colosseum

#3 The Battleバトル Flameフレーム Colosseumコロシアム

 

 私立壇ノ浦学園


 丘の上に立つこの学園は明治時代から続く伝統的な学問を行う、全国有数の超エリート高校。

 毎年優秀な政治家、研究者、スポーツ選手等を数多く輩出している。


 その学問を学ぶために全国津々浦々から受験者が集まり、今年の全校生徒は7000人にも及ぶ。


 広大な敷地内には二つのグラウンドにサッカー場、テニスコート、弓道場に体育館が二つ、

 校舎は南校舎と西校舎に分かれ、闘技場もある。


 敷地内は巨大な壁に囲われ、生徒や教師以外の部外者は一切立ち入り禁止となっている。


 世の中から隔離された壁の中で一体何が行われているのか、


 誰も知らない_____




***


 すぅーーーーっ‥


 霊否は目を閉じ、大きく息を吸うと、


 「メドゥーサ!」

 と叫んだ。すると途端に霊否は光に包まれる。


 霊否の肩甲骨からめきめきと生えた大きな羽がバサッと音を立てて羽を広げた。

先のとがったしっぽが尻からするりと伸びる。

 リボンとフリルがたくさんついた、ロリータファッションに変身した。


 「おおー!」

 「すげぇ、ほんとに変身した!」

 上星と大宗が声を上げる。


 以前、玖源煌玉から

 「その相手の目で見た相手の動きを止める異能の力、今後なにかの役に立つかもしれない。自在に扱えるように練習してみてくれ」

 と言われていた。


 異能について霊否はほとんどよくわかってない。

 玖源から話があった後にメドゥーサに聞いてみた。



***


 「異能はとても強力な力なんだよ!人間の力ではあり得ないほど強力だから普通の人間だったら持ってるだけで一瞬でチリになっちゃうくらい!」

 メドゥーサは答えた。


 「じゃあなんであたしはチリになってないんだよ」


 「霊否ちゃんは私の力の一部分だけを体に取り込んでいる状態なの。」


 「体の一部?」

 

 霊否はメドゥーサと初めて会った夜のことを思い出した。

 刺客に襲われ、もう駄目だと思ったときにメドゥーサが現れた。メドゥーサが霊否の右目に触れ、異能が使えるようになった。


 「ああ、この赤い目か」

 霊否は自分の右目を指しながら言った。


 「そう!かっこいいでしょ、オッドアイ」


 「玖源煌玉からこの力を自在に操れるようになっといてって言われてんだけど、どうすりゃいいかな」

 霊否はメドューサを完全に無視して言った。

 

 「とにかく異能を使いまくって体に慣らすことだね。霊否ちゃんはまだ力のコントロールができてないから、これ以上使いすぎると体に負荷がかかりすぎるからって無意識にストッパーをかけることがあるの。すると一時的に異能が使えなくなるよ。」


 「ふーん」

 メドゥーサが現れ、異能が使えるようになったあの夜、途中で力が使えなくなったことを思い出した。

 あの時は異能の使い過ぎで無意識のうちに体が異能の使用を拒否したのか。


 「異能の力はとても強力なもの。使いすぎると力を取り込んだ体の一部が異常をきたすことがあるから気をつけてね!」


 「異常をきたすってどんな感じで?」


 「そうだね‥‥異能の力に体が耐えられなくなって炎症を起こすから、瞼がただれるくらい目ん玉が高熱になるね!」


 「はぁ?!なんだそれ、怖すぎだろ!!」


 「まあ使いすぎなければ大丈夫だよ!」



***


 ぶるるっ、と霊否は体を震わせた。目ん玉が高温になる?瞼がただれる?なんて爆弾かかえちまったんだあたしは‥


 「うわっ、すごい!ほんとに体が動かなくなった!」

 霊否の体が動かなくなる異能にかかった上星が興奮の声を上げる。


 「まじか!どんな感覚なんだ?!」


 「なんか、いままで感じたことのない感覚だ!全身ビリビリ痺れてる感じ!!」


 「すげぇ、俺にもやってくれ、平等院さん!」


 呑気だなこいつらは


 でも、玖源と風紀委員の力を借りることができた。

 風紀委員は学園内でも生徒会に匹敵するほどの人数と権力を持った団体だ。


 あたしも早くこの異能を使いこなせるようになって生徒会に対抗する準備を整えるんだ。



***


 翌日


 玖源煌玉から報告したいことがあると風紀委員に呼び出された。


 霊否、上星、大宗の3人で向かう。


 「さて、我々の報告の前に、君たちの方の調査はどうだい?」

 玖源からの問いに、大宗が答える。


 「俺たち3人は20年前の事件の詳細について調べてました。結論から言うとネットにある情報しか分かりませんでした。というもの事件について調べようと図書館に行ったところ事件に関する資料はないと言われました」


 「資料が無い?一冊も?」

 玖源が驚いて言う。


 「はい。それに壇ノ浦町女子高生連続殺人事件に関する本は無いかと図書館のスタッフに聞いたところ、無いと言われた挙句あからさまに不審そうな顔をされました。」


 玖源は少し考え込んでから言った。

 「意図的に事件に関する情報を入手させないようにしているのか・・・・・事件の真実が隠蔽されているということか‥」


 「おそらくそういうことだと思います。」


 「いくつか図書館回ったんですけど同じような反応でしたよ」

 上星が追加した。


 「この壇ノ浦町全体として事件の真相を隠そうとしている、そんな感じがしました。なんだか・・‥」


 「ちょっと待った」

 玖源が大宗の声を遮った。


 玖源が黙ったまま教室のドアの方に目をやる。霊否、上星、大宗の3人も見ると、ドアの向こうで黒い影がゆらゆらと動いていた。


 誰かがドアの向こうにいる。


 「聞かれてた?今の話?」

 霊否が小声で言った。


 今の話をドア越しに盗み聞きしていたのか。

 町全体で隠蔽しようとしている壇ノ浦町女子高生連続殺人事件の真相。

 それを突き止めようとしている自分たちの動きを探っている何者かがいるんじゃないのか。


 そんな疑念が霊否たちによぎった。

 

 玖源がドアを睨みつけ、ゆっくりドアノブに手をかける。


 そして勢いよくドアを開けると、

 「ぎゃっ!」

 という悲鳴が聞こえた。


 ショートボブの髪をピンク色の髪留めで結いたかわいらしい童顔の女子生徒が座り込んでいた。

 玖源が開けたドアに当たったのか額が赤く腫れている。


 「あぁっ、、すみません!盗み聞きするつもりはなかったんですが‥‥」

 額を手で押さえながらオドオドと言う。


 「あ、君は同じクラスの!」

 上星が言う。


 「知り合いかい?」

 玖源が聞くと、女子生徒が答えた。


 「2年B組、知念ちねん 姫子ひめこっていいます。」


 「知念さん‥‥」

 霊否が言う。霊否は先日の出来事を思い出していた。


 知念姫子は祟りの恐怖から、以前に霊否を拒絶した女の子だった。



======


  「これ、消しゴム。この間貸してくれてありがと。」


  「あっ、あーーーそれね。もういいの。平等院さんにあげる」


  「え? あげるって言われても・・」


  「いいから。消しゴムなかったんでしょ?使っていいよ」


  「どうした?なんか様子変じゃね?」


  「触んないで!!!!!」

 

  「・・・・・・・ごめん」


======



 霊否が気まずそうに顔を背ける。


 あの時の知念さんがどうしてこんなことろに


 「平等院さん」

 知念姫子が立ち上がり、


 「ひどいこと言ってごめんなさい!!」

 地面に頭がつくんじゃないかと思うくらい深々と頭を下げ、大きな声で言った。


 「私、自分が弱くて臆病なだけだった。学校で死人が出るとか、すごく怖くて......理解できないものが怖くて、誰かのせいにすることで安心したかったんだと思う。‥‥結果平等院さんにひどいこと言って‥本当にごめんなさい!!!」


 「知念さん‥‥」

 

 「上星君とかが、平等院さん助けるために色々してるの見てて、今日3人が風紀委員に入っていくところを見たから何してるのかなと思って‥・・・あの、よかったら私も仲間に入れてもらえないかな?」

 

 「もちろん!」

 霊否は顔をぱぁっと明るくして、言った。


 「そういうことだったのか。疑ってすまなかったな。」

 と、玖源


 「よろしく!知念さん。俺のことはウェボシーでいいよ。」

 上星が言う。


 「よろしく、ウェボシー!」

 姫子が明るく答える。


 「よろしくな」

 大宗が手を差し伸べると、


 「あんたは話しかけるな大宗」

 姫子がかわいらしい顔をキッっとしかめて言った。


 「え、2人知り合いなの?」

 上星が聞くと、


 「家が近所でな。幼馴染ってやつだよ」

 と大宗が説明した。


 「あんたと幼馴染とか、私の一生の汚点だわ」


 「こっちのセリフだよ。幼馴染って言ったら小さい頃は毎日一緒に遊んでてめっちゃ仲良くて年頃になって異性として意識しだして、小さい頃の距離感で接することができなくて、周りから付き合ってないのかとかいじられて、それが嫌だから険悪ムード出すけど結局最後くっつくみたいな王道展開あるだろ?

 こいつは色気はねぇしなにより性格最悪だしツンデレとかじゃなく、マジで嫌い。無理」

 大宗がやや早口気味にいった。


 「は?なにそれアニメの見過ぎかよ。きも、早口きも!私だって嫌いだし無理だわ。生理的に」


 「これから仲間になりましょうって人にこんなこと言う?」


 「嫌いってあんたが最初に言ったんでしょーが!」


 「まあまあ、2人とも‥」

 上星が2人の仲に割って入る。仲悪いって言ってもまさかここまでとは‥


 そんな4人の様子を見ていた玖源が言う。

 「前々から思ってたんだが、君たち風紀委員に入らないか?」


 「え?」


 「今後風紀委員という組織に所属してる方が何かと動きやすいと思うんだ。私も協力しやすいしね」


 「ええ、是非仲間に入れてください!」

 上星が前に出て言う。


 「よし、平等院霊否、上星和成、大宗平善、知念姫子の4名、壇ノ浦学園風紀委員の所属を許可する!」


 玖源が手を上げると、風紀委員の一人が白い制服を持ってきた。

 「風紀委員の制服だ。是非着てみてくれ」


 黒い制服に背中に「風紀委員」と黒い刺繍の入っている。


 「すげえーーー!かっこいい!」

 「なんかこういうの着ると一体感でるよな!」

 平等院霊否、上星和成、大宗平善、知念姫子の4人は制服に身を包みながらはしゃいでいた。


 4人は晴れて壇ノ浦学園、風紀委員所属となった。



***

 「さて、話がそれたが、」

 今度は玖源が調査内容について報告した。


 「私らの方では佐藤、早川、そして先日の渋谷茜。この3名が死亡した事件について調べてみた。」


 「手がかりとなるのはやはり、壇ノ浦学園の西門。先日私と風紀委員の数名で西門付近を調査してみたんだ。そしたらかなり衝撃的なものが見つかってね。」


 「衝撃的なもの?」

 姫子が不思議そうに言う。


 「ああ」

 風紀委員の1人が箱を抱えてやってきた。

 玖源は箱の中身を取り出し、机の上に出す。


 「これさ」

 机の上には何かが入ったジップロックが二つ置かれていた。

 霊否、上星、大宗、姫子が立ち上がってそれを見る。


 「なんだこりゃ‥」

 ジップロックの中身は


 穴だらけでボロボロの写真と、折れ曲がり、サビだらけになった大量の釘だった。




***


 数日前


 玖源煌玉と、風紀委員の数名は西門付近を調査していた。

 錆だらけの西門付近には大量の雑草が生い茂っており、草と虫を払いのけながら何か手掛かりになるものはないかと探す。


 「玖源さん、俺たちこんなことして呪われたりしないですよね?!」

 風紀委員の1人が心配そうにいう。


 「呪いなんてあるわけないだろ。それに呪いを否定するために私たちは調査してるんだろうが。」

 玖源は雑草をかき分けながら言う。


 「とは言っても怖いものは怖いですよ」


 数時間調査したが西門付近には手がかりになりそうなものは無かった。


 「あっち側も調査してみるか」

 西門を背にして左側は林のようになっていた。林の中は薄暗く、少し肌寒い。


 「すごい雑草だな。」

 「ええ、全然手入れされてない。」

 虫を手で払いのけながら手がかりになるものはないかと探していると、


 「うわぁ!!」

 風紀委員の1人が声をあげる。 


 「どうした!?」

 玖源たち数人が駆け寄る。


 「こ、、、、、これ、なんですかこれ」

 

 一本の木に、ハリネズミのように大量の釘が刺さっていた。

 よく見ると写真の上から釘が刺さっており、写真が見えなくなるほど大量の釘が刺さっていた。

 刺さっていたのが落ちたのか、地面にもいくつか釘が散らばっている。

 


***


 「で、その釘と写真がこれだ。一応釘が刺さっていた状態の写真も撮っておいた」

 玖源が木に大量の釘が刺さっている写真を見せた。

 

 霊否は釘で穴だらけになった写真の方を汚そうにつまみあげ、

 「‥‥‥きも」

 と言った。


 「かなり古い写真だね」

 姫子が霊否がつまんだ写真を覗き込みながら言った。

 写真の色合いからかなり年季のはいったものであることが推測できる。


 「穴だらけで何が写っているかわかんねえな」

 霊否が言う。


 玖源が難しい顔をしてうなづく。

 「あくまで推測だが、その写真はある人物が映った写真で、釘を打った人物は写真の人間になにかしら相当な恨みがあったと考えられる。第一の被害者、佐藤が西門で白い影を見たと言ってただろう。写真の人物がわかれば白い影となにか関係してくるのではと思ったんだがな。」


 「この釘は?」

 上星が言う。


 「この釘から得られるヒントはなさそうだなぁ‥指紋でも採取できればこの釘を使用した人物が誰かわかると思うが。だが、その釘を打った人物は、写真の人物に対してものすごい恨みを持っていたことは間違いない」


 恨み‥・・・

 

 釘を打った人物は憎しみを込めて釘を一本一本打っていたのか。


 ジップロックに入った釘は何本か折れ曲がっていた。釘が折れ曲がるほど強い力で・・・ものすごい憎悪を込めて釘を打ったのだろう。


 そんな恨みを持った人物は誰なんだ?

 なにより写真の人物は誰なんだ?

 釘を打った人物、そして写真の人物、この二人の間には何があったのだろう。


 手がかりが見つかったはいいものの、謎は増えるばかりだった。


 玖源が続けて言った。 

 「さて、では今後の方針だが、我々は引き続き写真の人物について調べてみよう。君たちは‥」


 「あの」

 大宗が手を上げる。


 「個人的に気になっていることがあってな。今後はそれについて調べてみたいと思っているんだ」


 「気になること?」


 「ああ、第1の被害者、佐藤が殺された直後に聞いたとされる、女の声・・・」



================


  「すべては・・・・・」

 

  女の声がした


  「‥‥は?」

  早川は驚いて耳から携帯を離す。

  気持ち悪りぃ


  女の声が続く。

  「すべては‥AstiMaitrise(アスティ メトライズ)の名のもとに・・・・」


================



 「AstiMaitrise(アスティ メトライズ)ってなんなんだろうな。」

 大宗が言う。


 「ああ、そんなの言ってたな。」

 上星が早川から聞いた話を思い出しながら言った。

 佐藤が死んだ後で、様子がおかしい早川を呼び出して誰もいない図書室で話を聞いていた時に言っていた話しだ。

 


 「それって・・・・・」

 姫子が口を開く。


 「赤間神社の明日照女神のことじゃない?」

 

 「お前、知ってんのか。」

 大宗が驚いたように言う。


 姫子は返事をした大宗を睨んで「ちっ」を舌打ちしながら続けた。

 「唐戸市場の近くに赤間神社ってあるでしょ?そこに祀られてた神様の名前がそんな名前だった気がするけど」


 

 「よし、さっそく明日の放課後、赤間神社に行ってみよう。なにかわかるかもしれない」

 上星が立ち上がって言う。


 「よし、では今後、平等院、上星、大宗、知念の4人はそのAstiMaitrise(アスティ メトライズ)についての調査を頼む。」

 玖源が言う。



 今後の方向性も決まったところで今日は解散となった。


 四人が帰り支度を始めていると玖源が言った。

 

 「そうだ、明日、風紀委員恒例Battleバトル Flameフレーム Colosseumコロシアムのエキシビションマッチがあるんだが、よかったら来ないか?」


 「えぇ?いいんですか?」

 上星、大宗が目を輝かせて言った。

 

 「Battleバトル Flameフレーム Colosseumコロシアム?」

 霊否が首をかしげて言う。


 「なんだ平等院、Battleバトル Flameフレーム 知らないのか?」

 玖源が言った。


 「ここ壇ノ浦町発祥の格闘技でね、すっごい盛り上がるんだよ!!」

 姫子もハイテンションでいう。


 「格闘技?」


 「今日の午後から闘技場でやってるから、よかったら見に来てくれよ」

 玖源はそう言った



***

 

 3時限目、歴史の授業中に校内放送にて行方不明者の連絡が行われた。


 今日もまた、祟りによる犠牲者が現れたのだ。


 行方不明になったのは 2年A組 佐倉博

 昨日学校に行ったきり家に帰っていないと家族から連絡があり、現在警察が捜査中とのことだった。

 

 佐藤 光、早川 次郎、渋谷 茜に続いてこれで四人目だ。


 再度西門へは絶対に近づかないことが呼び掛けられた。


 ここまで来ると学校に来ないで家でじっとするもの、転校するもの、よその町へ引っ越す者などが現れた。

 霊否たちのクラス、2ーBも半数近くが学校に来ていない。

 

 当然と言えば当然の判断だろう。


 「またか・・・・」

 上星は焦ってきていた。風紀委員の力を借りているにも関わらずいまだ手がかりなし。

 調査は難航し、まだ時間がかかるだろう。


 当然、犯人は殺人の手を緩めない。このままでは犠牲者が増え続ける一方だ。

 「あっ、、、」

 教団に立っている人物を見て、上星はあることを閃いた。

 

 「大宗、歴史の町山!あいつ、確か学園に30年くらい勤務してなかったか?」

 上星はさっそく大宗に伝える。


 「ああ、確かに長いな」


 「20年前の事件のこともなにか知ってるんじゃないか?」


 「確かに、聞いてみる価値はあるな」



***


 「町山先生!」

 上星と大宗は授業終了後に町山先生に話しかけた。


 「おう、なにかわからないことか?」

 町山先生は度の強そうなメガネをあげて言った。


 「壇ノ浦町で起きた20年前の連続殺人事件について教えて欲しいんです!」


 「‥‥なに?」

 普段温厚な町山先生が、急に顔色を変えた。


 「この学校で噂になっている祟りの原因となったあの事件、先生なら勤務年数長いし、事件のことなにか知ってるんじゃないかと思って」


 町山先生は上星の言葉を遮り、肩に手をあてて


 「お前たち、悪いことは言わん。あの事件について嗅ぎ回るのはやめろ」


 普段の子守歌のようなのろのろした話方とは打って変わって、強い口調で言った。

 肩にあたる手もどこか力がこもっているように感じた。


 「何故です?!」

 上星が声を張り上げる。


 「確かに、私はあの事件の日、学校にいたよ。あの日のことは一日だって忘れたことはない。でも言えないんだ!絶対に!!」

 町山先生は強い口調で答えた。


 大宗が続ける。

 「図書館に行ったときもそうでした。壇ノ浦町の大人たちはみんな事件のこととなると途端に口を閉ざす。なぜ事件のことを隠すんですか?」


 すると町山先生は周囲に目を配りながら。「ちょっと来い」と上星と大宗を人がいない廊下の隅に案内した。

 そして小声で言う。


 「生徒会だよ。生徒、先生関係なく、みんな生徒会の連中を恐れてる。」


 「生徒会・・・・」

 やはり生徒会がからんでくるのか。上星と大宗は顔を見合わせた。


 町山先生が続ける。

 「火影家はその昔、壇ノ浦町の御三家の一つだったんだ。その名残か、いまでも火影家が壇ノ浦町の権力を保持している。その火影家がなぜだか事件の真相を隠してるんだ。」


 「御三家?」


 「そう、この学校の生徒会長、火影刹那はその火影家の現当主。事件のことを話して行方不明になった、または殺された奴を俺は何人も知ってる!悪いことは言わないから、お前たちもあの事件について首を突っ込むのはやめろ。どうなるかわかったもんじゃないぞ」



***


 「つまり、これまでの事件で殺された佐藤、早川、渋谷、今日の佐倉は20年前の事件についてなにか知ってしまい、隠蔽のために生徒会によって殺されたと?」

 玖源が言った。


 「その可能性が高いという話です。」

 上星と大宗は風紀委員に立ち寄り、ついさっき町山先生から聞いた話を玖源に言った。


 「なるほどな・・・」

 玖源は険しい顔をして言った。

 

 「玖源さん、生徒会がいる限り、事件の真相を暴くのは難しいんじゃないですかね。事件の真実に関する本が無いのも恐らく生徒会、いや壇ノ浦町御三家の一つ、火影家の仕業と考えられます」

 大宗が続ける。


 「よし、生徒会を倒そう。風紀委員と君たち、そして平等院の異能の力を合わせて立ち向かうんだ」

 玖源が決意したように言った。



***


 闘技場は壇ノ浦学園敷地内の東側にある。


 霊否、上星、大宗、姫子の4人は、玖源に招かれ、Battleバトル Flameフレーム の試合を観に闘技場にやってきた。


 「でっか!」

 闘技場の大きさに驚きの声を上げる霊否。


 壇ノ浦学園闘技場は、すり鉢状の巨大なドームで面積700m3、収容人数2000人、天井高14.9メートルにも及ぶ。


 「こんなのが学校の敷地内にあんのかよ‥」

 改めて壇ノ浦学園の凄さを実感した。

 規格外の大きさとスケール。ドームの外側からでも大歓声が聞こえてくる。


 「平等院さん!早く入ろ」

 あまりの大きさに立ちすくむ霊否を、姫子らが手招きする。

 

 ドームの中に入り、扉を開く。


 「平等院さん、これがBattleバトル Flameフレーム Colosseumコロシアムだよ!!」


 姫子の声ともに、視界が一気に広がる。


 ワアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!


 闘技場が揺れるんじゃないかと思うくらいの歓声、そして熱狂、


 アリーナにはたくさんの人が手やタオルや旗を振り、汗をかきながら大声を上げていた。


 観衆が熱中する視線の先には、


 ドームの中央にある長方形のフィールド、

 フィールドの右端と左端にそれぞれ赤色と白色の旗が立っている。


 紅白のユニフォームを着た6人が何やら戦っている。


 「平等院さん!ーーーーー、!」

 上星が霊否に話しかける。


 「なんて?!」

 歓声が大きすぎてよく聞き取れず、手を口に添えて叫ぶ。


 「ルール!!バトルフレームのルール分かる?!」


 「わからん!」


 「バトルフレームコロシアムは、3対3のチームで、お互いの陣地にある旗を取り合うゲームだよ。武器を一人につき一つ持ち込んでよくて、

 武器を駆使して相手を倒し、相手型の旗を取ったら点が入るんだ!」


 見ると赤チームのストライカーがものすごいスピードで白旗に突っ込んでいた。

 白チームのデイフェンダーが木刀で待ち構える。両者が激しくぶつかりあい、


 「あっ、赤が取った!」

 赤チームのストライカーが白い旗を掲げた。

 

 ワアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!


 と再び大歓声が上がる。


 フィールド外に立つ巨大な電光掲示板が、25対32から25対33に軽快な音を立てて変わる。

 

 「めっちゃかっこいい!!」

 姫子がぴょんぴょん跳ねながら、手を叩いて興奮していた。


 赤チームの選手が白い旗を観客に振りながら滑らかにフィールドに戻っていく。観客は選手の動きに合わせてウェーブする。


 盛り上がりと会場の一体感に霊否が圧倒されていると、

  

 「おお、来たのか!」

 玖源煌玉が霊否たち四人に話かけてきた。


 「玖源さん!」

 上星が駆け寄る。


 玖源の後ろには2人生徒を引き連れていた。

 

 「きゃーーーーーーーーーーー!!!!!」

 その二人を見た姫子が突然叫んだ。

 

 「おい、プリームス・パールスの方々だ!!」

 周囲にいた観客もざわざわとざわめき出した。

 

 「みんにゃ〜、楽しんでるね」

 

 語尾に「にゃ」をつけて喋っている方は、オレンジ色の髪に童顔の女だった。

 背が高く、服の上からでも引き締まった体がわかる。

 

 「キャーーーー!!、やばいやばい」

 「ユーリ君!!」

 「かっこいいいーーー!!」

 「こっち向いて!!!」

 姫子を含め、女子たちが呼び掛けている方は、色白でクールな顔立ちの男だった。長くすらっとした足、短い艶のある髪からのぞかせる端正な顔をしていた。


 ユーリと呼ばれたその男はすまし顔で片手をスッとあげただけだった。

 その動作だけで女子たちは再度「ぎゃーーーーーーーーーーー!!!!!」と声を上げる。もはや悲鳴だ。

 

 「ん・・・・?」

 霊否がその男の顔を見て、声を上げた。


 「ああ!お前!!」

 霊否が刺客たちに襲われたときに、急に現れ、刺客たちを追い払ってくれた。あの時の男だ。

 

 「なんだ、悠李を知ってるのか」

 玖源が驚いていう。


 悠李は霊否に顔を近づけ、

 「誰だお前」

 と言った。

 

 「平等院、彼は3-A、飛来悠李だ。私とおなじバトルフレームチームのメンバーさ。悠李、こちら平等院霊否。何度か話したことあるだろ?」

 玖源が紹介する。


 「覚えてねえよ。」

 悠李は冷たく言った。


 なんだこいつめちゃくちゃ感じ悪いなぁ・・・・!

 霊否は心の中で思った。


 「にゃ、ボクは同じく3-A七海 入鹿。君たちのことは玉ちゃんからちょこちょこ聞いてるよ。よろしくね!」


 「玖源さんと、飛来悠李君、七海入鹿さんの三人は壇ノ浦学園最強のバトルフレームのチームなんだ。

 壇ノ浦学園では最強の選手三人組にプリームス・パールスという称号が与えられるんだ。この三人がそのプリームス・パールスってわけ。」

 上星が霊否に説明した。

 

 確かにこの三人が現れた時、すざまじい歓声が上がった。生徒からの人気もあるのだろう。


 「君が霊否ちゃんだね。初日に生徒会長にたてつくなんてなかなか見込みがあるにゃ〜」

 七海入鹿が霊否に向かって言った。


 「ああ、どうも」


 「是非バトルフレームで戦ってみたいにゃ。」

 「なに言ってる。平等院はバトルフレーム初心者だぞ」

 玖源が言う。


 「にゃ!?それは残念だにゃ」


 七海入鹿にじろじろ見られた霊否が少し恥ずかしそうにしていると、


 オオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!


 再び歓声が上がる。


 白チームのストライカーが、赤チームのガータを吹っ飛ばした。


 「おおおーーー!!」

 「すげえ!!めっちゃかっこいい!!」


 上星がふと霊否の方を見ると、闘技場を睨みつけるような複雑な表情をしていた。

 「平等院さん?」

 上星が心配そうに声をかける。

 

 「ん?」


 「どうしたの?」


 「いや、なんでもない」

 霊否は上星から顔をそらして言った。



***


 同日の放課後、霊否、上星、大宗、姫子の四人は制服を着たまま赤間神社に向かった。


 赤間神社は瀬戸内海沿いの高台にある。

 壇ノ浦学園から数分歩き、境内に向かって階段を上る。境内に登ると瀬戸内海と関門橋が見渡せる絶景が広がっていた。


 「こんなとこあったんだ!」

 この景色に感動したのか、霊否が声を上げた。


 「平等院さん、転校してきたばかりで知らなかったのね」

 姫子が言う。


 壇ノ浦町の大きな朱色の「水天門」を潜り、さらに奥に進むと拝殿が見えてきた。

 中を見てみると、それぞれ装飾や顔立ちが異なる7体の大きな仏像が並んでいた。


 中央にはかなり崩してあったので読みにくいが、明日照女神と書いてあるように見える。


 「あれでアスティメトライズって読むのか?」

 上星が言う。


 「めっちゃ当て字だな。」

 大宗が加えていった。


 「私に言われても知るか」

 姫子は冷たく言って、続けた。


 「ここの神様は長寿の神様なんだって。健康とか、長生きのご利益があるんだ。」


 「へえーーー」

 霊否、上星、大宗は姫子の話を聞いた。


 「ここ、壇ノ浦町は昔争いが絶えない土地でね。戦争で亡くなった人のお墓がここにたくさんある。

 この神社にはその人たちが過ごすはずだった残りの寿命が蓄積されてて、その寿命は1000年との2000年とも、永遠の命とも言われている。

 その蓄積された寿命を頂戴するってことらしいよ。」


 「へぇー、すげぇ、永遠の命かぁー、いいなぁ。」

 霊否が嬉しそうに言った。


 「そうか?」

 上星が言った。


 「だって、ずっと17歳のままで入れるってことでしょ?!最高じゃん!」


 「年を取らないってことかーーー、俺はあまりいいこととは思えないなあ。終わりがあるから今を頑張れ得るっていうか。」

 大宗が言う。


 「せっかくだからお参りしていくか。」

 と上星が言い、4人でお参りした。



***


 霊否は「ふふふ」とスキップして階段を駆け下りると、振り返って言った。

 「あたし、今日みんなと、ここに来れてよかった!」


 「照れるこというな。平等院さん」

 大宗は頭をかきながら言う。

 

 「あたし前の学校でも友達いなかったから。こういう放課後の寄り道みたいなの初めてなんだ。」


 「そうだったんだ。」

 上星が言った。


 「そう言えば平等院さんってどうして転校してきたの?この時期の転校って珍しいよね」


 「あぁ、それは父に壇ノ浦学園に転校するように言われたから。母は別の学校に行って欲しかったらしいんだけど。」


 「お父さん?」

 平等院さんのお父さんは、平等院さんが小学生のころに亡くなったって言ってたよな....。


 「ねぇねぇ、平等院さん、」

 姫子が言う。


 「ん?」


 「霊否って呼んでもいい?」


 霊否はぱあっと顔を明るくして、

 「いいよ!あたしもヒメって呼ぶ!」

 と言った。



 赤間神社でお参りしたあとは、4人で唐戸市場で海鮮丼を食べて帰った。



***

 

 霊否はスキップしてふんふんと鼻歌を歌いながら家路についた。


 「たっだいまぁ〜、」

 家に入り、


 「ねぇねぇ、お母さん!今日ねクラスの友達と‥‥」

 リビングに入った霊否は、目の前の光景をみて、バッグをぼとりと落とした。


 「お母さん・・・・・?」

 

 そんな


 霊否は目の前の現実が受け入れられなかった。


 車いすから落ちた母が、頭から血を流して倒れていた。





***


―おまけ―

 お笑い大好きな作者が霊否とメドゥーサに漫才やらせてみたのコーナー



メドゥーサ:どうも、メドゥーサでーす


霊否:れ、霊否でーす。


メ:よろしくお願いしまーす


霊:急に始まったけど、なんなのこれ?


メ:よというわけでね、2人で頑張って漫才やっていきたいなと思うんですけれども


霊:無視すんな


メ:私、こう見えて実は妖精なんですけれども


霊:どう見てもそうだろ


メ:人間の文化ってすごいですよねー、特にすごいのがコンビニね!


霊:あぁー、確かに。なんでも売ってるし、24時間やってるし、すごいよね。


メ:そんなすごいコンビニの店員さんをいつかやってみたいなと思うんですよね。だから今日はその練習させてもらってもいいかな


霊:おお、じゃああたしお客やるからお前店員やってみろよ。


メ:やってくてるの?!ありがとう!


霊:お、こんなとこにコンビニあるじゃん。ちょうど喉乾いてたことろだったし、ラムネでも飲んで一休みしようかな。うぃーん


メ:ありがとうございましたー


霊:なんでいきなり帰らすんだよ。いらっしゃいませだろ


メ:どうぞお手に取ってご覧くださいませ


霊:服屋かよ。まあいいや。ラムネラムネっと‥、あれ?ねぇな。あのー、ラムネって売ってますか?


メ:売ってますよ!こちらのホットスナックの容器の中に入ってます。


霊:なんてラムネあっためてんだよ!冷たいラムネないんですか。


メ:冷たいのもありますよ


霊:じゃあ、それください


メ:ありがとうございます。ご一緒にコーヒーはいかがですか?


霊:お腹ポチャポチャになるわ。ファーストフード店か。ラムネだけでいいですよ


メ:お会計、660円になります。


霊:いや、高ぇな。ラムネ一本120円ですよね?


メ:ラムネ一本とコーヒー一つで、合計660円ですね。


霊:だからコーヒーいらねえっつの。つか高ぇなコーヒー。一杯540円もするのかよ。


メ:計算早いですね。


霊:うるせぇよ。


メ:大変失礼いたしました。お会計、120円になります。お支払いはいかがなさいますか?


霊:支払いかー、Su◯caで。


メ:うちSu◯ca使えないんですよねー、


霊:えぇー、Su◯ca使えないんですか?


メ:えぇ、Monacaだったら使えるんですけどね


霊:なんだその和菓子みたいなやつ。どこの地方で使えんだよ。交通系Suicaしか持ってねぇなぁ‥じゃあ、クレジットカードは?


メ:ジューシービーカードと、マスタードカードが使えますよ。


霊:だからなんだよそのクレジットカード。しかもなんでさっきからちょっと美味しそうなんだよ。


メ:クレジットカードも無理となると、あと現金しかないですねー、


霊:じゃあ、現金でいいですよ。


メ:ありがとうございます。あっ、お客様、ポイントカードはお持ちですか?


霊:ポイントカードも聞いたことないやつしか使えないんじゃないんですか?


メ:ポンタカード、dポイント、楽天ポイントがつきますよ。


霊:そこは一般的なのかよ。クレジットカードと交通系ほとんどだめなのにポイントカードだけなんで種類豊富なんだよ。

 

メ:ポイントカードに強いコンビニなんですよね。このデイリーヤマシタは


霊:聞いたことねぇコンビニだな。変なコンビニ入ったなくそ


メ:全国チャームですよ

 

霊:全国チェーンだろ。なんだよチャームって。アクセサリーかよ。まったく‥あっ、Tカードあったわ。これポイントつけてください


メ:承知いたしました。あぁ?!お客様!!大変です!!


霊:え?!なんだよ


メ:いま溜まったポイントの合計が777ポイントでした!


霊:どうでもいいわ!いきなり叫ぶからびっくりしたわ


メ:こちら温めますか?


霊:あっためねぇよ。なんでさっきからラムネあっためようとしてんだよ。ラムネのひんやり感がラムネの醍醐味だろ。あっためたら台無しだろ。


メ:そういえば、なんでラムネってあんなひんやりするんですかね。


霊:お前知らないの?ラムネに含まれるブドウ糖が口の中の温度を吸収することでひんやりした感覚になるんだよ。


メ:ブドウ糖?


霊:そうだよ、ブドウ糖は、水に溶けるときに周りの熱を奪う性質があるんだよ。

  それで口の中で唾液に溶けるときに、熱が奪われてひんやりするわけだな。


メ:へぇー、それでひんやりすんですね!ビー玉が入ってるのもなんか理由があるんですかね。


霊:もういいだかろラムネの話は。しらねぇよビー玉がなんで入ってるのかなんて。自分で調べろ。

 

メ:コーヒーに砂糖とミルクおつけいたしますか?

 

霊:だから買ってねぇっつんだよコーヒーは。あと砂糖とミルクは絶対いるだろ高校生なんだから


メ:はい?


霊:高校生でブラック飲めるやつなんて1人もいねぇからな。


メ:そんなことないでしょ


霊:高校生でブラック飲んで美味いわけないからな。完全にイキってるだけだからな


メ:いやそれは完全にあなたの偏見だと思いますけど。

 

霊:うるせえな。これエコバッグに入れるからな。


メ:いらっしゃいませ〜、


霊:そこはありがとうございましただろ!逆になってんだよ。まじで変な店だな。二度とこねぇからな!この店!!


メ:ありがとうございました〜


霊:ありがとうございましたじゃねぇよ


メ:あっ、お客様!


霊:なんだよ


メ:コーヒーお忘れですよ。


霊:だから買ってねぇっつのコーヒーは!いい加減にしろ!


霊・メ:どうも、ありがとうございました〜、








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【次回予告】


 知念姫子です!霊否に謝れてよかった・・・ずっともやもやしてて、謝らなきゃって思ってたんだよね。

 

 次回、AstiMaitriseアスティメトライズ #4 「ostracismオストラシズム

 霊否のお母さんに一体なにが・・・、そしてついに生徒会が動きだす!?、でももう恐れない。霊否は私が守る!


 すべては、AstiMaitriseの名のもとに_____





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