ノミでもわかるかもしれない精神病

村崎愁

第1話 うつ病、摂食障害

はっきりとは覚えていませんが、今より10年前ほど前に、信頼していた人から騙され、同時に愛猫が亡くなった事がトリガーとなり、寝れず、食べれず、外出が出来なくななりました。

カーテンは閉め切ったまま、人や光や音が怖い。


体重は55キロから30キロまで落ち、人として機能することがなくなりました。

希死念慮も強く、度々と自殺未遂を繰り返し、首の頸動脈を切った時はどうやってそれを知ったのかわかりませんが、役場の人間と警察、救急車が家に来ました。


警察は家のガラスの窓を割り、鍵を開けると土足で10人ほどの人がゾロゾロと入ってきました。


もう薄々自分は人間ひとではないことがわかっていたが、改めて「うつ病」と診断されました。

特に病名がつくことで安心するタイプではないですが「なるほどな」と妙に納得はしました。


それに伴い、摂食障害も。腹は減らず、口に物を入れても砂を噛んでいるようで苦痛です。

しかし少しでもカロリーを取らなければならないために「エンシュアリキッド」を処方してもらい、1日9本飲んでいました。


1本100キロカロリーで、寝たきりの老人が最低限摂取しなければならないのが900キロカロリーだそうです。

味覚はないのにドロリとした液体を毎日9本も飲まなければならず苦痛でした。

いつも「早く死にたい」と泣きながら考え、頸動脈を切るのには失敗し、次は首を吊りました。

くくりが甘かったのか、縄が外れてしまい身体は床にドスンと落ち、またも失敗に終わりました。


ふと気が付けば腕にナイフが貫通していたり、そういう事も深く考えることができずに未遂を繰り返し。


具体的に考えて実行していたので、希死念慮では無く自殺念慮なのかもしれませんね。


ただ、常に死にたい。消えたい。それだけでした。


措置入院になり、少しづつ人間ひとに戻りつつありますが、未だに摂食障害や希死念慮には困っています。

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