暁の夜明け

第1話 暁の空

暁の空を見上げる。

誰にも見つからないように、今日からは1人のシャノンとして生きる。


さあ、乗り合い馬車へ急ごう。

向かうは、西の国境沿いの街。ダンジョン都市の入り口、レイニーライン。


南の街の叔父様に会いに行くと手紙を書いた。なくなった母の兄からの手紙が家から届いていた。カモフラージュにはちょうどいい。追いかけてこなければ、時間も稼げる。


手紙は、家族と婚約者に書いた。学園のみんなが認識しているように婚約者を義妹に変更し、私を除籍するようにと書いた。


そんなことしなくても、あの人たちは気にしないだろう。婚約者は、私より優先する義妹と仲良くやるだろう。学園でもそうだったし、この間も婚約者とのデートについてきて、婚約者とどこかに消えた。まあ、そのおかげで冒険者登録ができた。


私を見つけれなかったとか探してたとかそんなことを言ってたが、お揃いの袋を持って何言っているんだか。


まあ、いい。家族の愛も婚約者の愛もいらない。

学園では私は寮へ入り、義妹は家から通っている。学園に入ってから、一度も家には帰ってない。学園の費用は払われているから、存在は認識されているのだろう。先生には、家庭の事情で保護者は叔父様なので、家へは連絡しないでと頼んだ。私だけ寮に入っているから、先生も察するものがあったんだろう。学園にいる間に先生の手伝いをして、紹介状をもらった。ダンジョン都市の情報も色々もらった。学園はスキップ制度を使って家族にも婚約者にも知られないように卒業した。


乗り合い馬車の停留所は、混雑していた。

冒険者ギルドでダンジョン都市行きの馬車を予約してある。フードを深く被り、予約した馬車へ乗り込んだ。数分もしない間に馬車は満員になりダンジョン都市へ出発だ。


街をでるとき検問があったが、ギルド証であっさり通れた。2週間の馬車の旅だ。


馬車は、8人乗りだ。御者と護衛の冒険者以外の5人は冒険者パーティーのようで、知り合いの中に1人知らない人で少々居心地が悪い。


『1人旅なの?』

冒険者の女の人が声をかけてきた。


「そうだよ。」

男の子の振りをして答える。

服装も男の子だし、胸はサラシで抑えてある。


『ダンジョン都市にいくの?』

「そうだよ。」

あんまり話して女の子とバレると面倒だし、淡々と答えていたら、興味をなくしたようだ。


何度か休憩をして、今日の宿へついた。宿は冒険者ギルドが経営してる宿で、冒険者で馬車を予約するのはこの為でもある。


宿で荷物をおろし、食料を買いに街へでる。


そんな日々を過ごし、ダンジョン都市についた。

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