第41話 この世界で一番を取ろう!

「「「「お疲れ様でしたー」」」」

 秋の夜、高木が予約してくれた焼肉店で、4人で乾杯する。もちろん未成年なのでソフトドリンクだが…… 仕事終わりの一杯はいいな。

「5万人おめでとうございます! 最後の歌ってみた動画で一気に伸びましたねー」

「ありがとう。ね、ここねこさんの知名度もあると思うけど、切り抜きやショートでもバズってたみたいだし、まだまだ登録者は増えているんだよね」

「一時はどうなるかと思ったけど良かった〜 一つ良い学びになったね。とにかく前を向いていくことが大事なんだなと思ったよ〜」

「そうだね。私一人だったら立ち直るまで時間かかっていたと思うんだ。皆のおかげだよ。ありがとう」

「いえいえ、こちらこそこんな面白い世界に誘っていただいてありがとうございます! 緊張感もありますが楽しいですよ」

「ね、高校生が体験できる世界ではないよね〜 まあどうせならもっとすごい世界まで目指してみたいけどね。上くんは目標とか考えているの?」

「目標か…… まあ高木次第かな。高木のモチベーションが全てだからな」

「私は…… 最近考えている目標は、まずはチャンネル登録10万人達成。そして最終的には100万人に行きたいなと思っているよ」

「100万人ですか!? 大きな目標ですね」

「わかりやすい目標だからね。Vtuberで達成している人も何人もいるし。みんな大手事務所だけど、小さい事務所なら出来ない、とかはないと思うんだ」

「そうだな。俺も100万人は達成できる数字だと思う。このまま順当に人気になっていくわけではなく、どこかでブーストがかかると思うんだ。それで一気に伸びていくのが理想だな」

「あ、あとライブはやりたいね。武道館で単独ライブ! 皆で演奏もしよう」

「いいね〜 武道館で演奏できたら一生の思い出になりそう」

「それは…… 練習が必要ですね……」

「ああ……」

「そして、いつかはこの世界で1番を取りたいな! どんな1番でも良いけど、トップを目指すんだ」

「ずいぶん積極的になったな?」

「皆のおかげだよ。この世界で活躍して、1番になりたい。そういう欲が出てきちゃった」

「なるほどな。でも良いことだと思うぞ。俺も手伝うからな」

「私もですよ〜」

「頑張ろうね〜」



「あ〜 こんばんは。水咲ネネです。今日は5万人達成記念に皆さんと一緒にケーキを食べながらお話ししたいなって思います。


Vtuberになってから数ヶ月ですが、色々な経験をさせてもらいました。切り抜き動画でバズったり、ショートが伸びたり、イベントに出たり、逆にイベントに出れなかったり…… そんな中、皆さんの応援の声がいつも力になっています。昔から応援してくれている方も、最近知ったよという方もいると思いますが、どちらにしてもコメントをしてくれたり、SNSで反応をくれたりするのが私の元気になります。いつもありがとうね」

 一度音声を切り、深呼吸をする。ここから先は、今まで視聴者に話したことがないので緊張する。しかし逃げてもいられない。そう思い音声をつける。


「私には今、目標があります。大きな目標です。1つは、チャンネル登録者100万人。もう一つは武道館でライブをすることです。まだまだ弱小Vtuberだけど、不可能はないってことを証明したいなと思っているんだ。これからも頑張るし、色々なことに取り組んでいこうと思う。だから、皆には引き続き応援をお願いします! こんな自分を見つけて応援してくれている皆に感謝です! 一緒に頑張ってこうね!」



本編はここまでで一旦終了です。読んでいただいた方、ありがとうございました。


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Vtuberのクラスメイトと駆け上がる配信者世界! だいのすけ @daicekk

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