第222話 束縛(9)

 わたくしがルインへと驚愕しつつ尋ねると。


「えぇ」とルインは頷くので。


 わたくしは直ぐに考える人へと。あの時! あの日の夕刻には変化をした!


 そしてわたくしは少しばかり考える人になり続けると。


「やはりミネバは、自身の父であるドン宰相に、陛下との婚姻を強引に押し付けられて恨んでいると言うことですかね?」


 わたくしは考える人になる行為を辞め、ルインへと問えば。


「おそらく」と、ルインはわたくしの言葉に対して同意をするから。


「じゃ、ミネバは未だに過去の彼、婚約者のことが忘れられなくて、陛下の目を盗んでは、逢引きを続けている可能性がありますね?」と尋ねれば。


「ええ、その通りだと思います」と、ルインは告げ、言葉を返せば。


「閣下! ミネバ様の度重なる、お茶会と申されるお出かけが。私は一番妖しいと思っています」とも。


 他人の顔色を見て、観察しながら。その者の気持ちを察することを得意としているルインが、ミネバは未だに前の彼氏が好きで仕方がない。


 だからミネバが週に何回も、友人との会合、お茶会があると、陛下に説明をする、不穏な行動が怪しく、可笑しのだと告げてくるから。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る