第188話 天誅(3)

 でも先ほどわたくしがルインやルイスへと告げた通りで。


 ロワールはウルソーのような近衛隊の隊長……。


 男爵家の男達とは違い、伯爵家になるから、安易にロワールを攫い、恐怖の拷問をかけ、無理に吐かせ、弄り殺しにする訳にはいかないから。


「ルイス?」


「何、姫様?」


「先ほどわたくしがルインへと告げた通りで。ウルソーとは違い。ロワール伯爵なので、安易に拷問をかけ殺す訳にはいきません」と。


 わたくしがルイスへと説明をすれば。


「じゃ、どうするの、姫様? このままウルソーは今迄通りで、ミネバ様や宰相の庇護下の元。悠々と陛下を蔑ろにしつつ、ミネバ様との不倫を続けさせるつもりなの? それだと何時まで経っても城内の悪が、悪しき事……。陛下を只のお飾り王にしたまま、ドン宰相達が私腹を肥やす、悪しき事が収まらないから。平民達が重い重税で苦しむ時代が未だ長く続くようになるよ。姫様……」


 元々農奴ではなく、普通の農民育ちだったらしい、ルインとルイスの二人と、その家族なのですが。


 突然やってきた領主に重税をかけられ、それが払えず。


 領主と密約している、村の金持ちに両親はお金を借り、支払いができずに農奴にされてしまい。


 二人の両親は休む間も無く働かせられた。


 でッ、それに耐え切れなくなり、二人の父は村の同じ境遇の者達と結束して金持ち。


 その村の地主になった者へと反発!


 一揆を起こし、地主の家を襲うのだが。


 先ほども説明をした通りで、地主は領主の息のかかった者だから。


 領主の持つ兵により返り討ちに逢い。


 二人の父は村の中央広場で張りつけの刑に遭い。


 あの世へと召され。





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