第183話 面白い物? (8)

 今度はルイスが姉のルインに対して、ニヤニヤと意味深な薄ら笑いを浮かべつつ。


『ほや、やっぱり、自分の言う通りじゃないか』と言わんばかりな顔を始めだすから。


 ルインは「うぐ、ぐぐっ」と、自身の奥歯を噛み締めつつ、悔しそうな顔を始めだすから。


 わたくしもいつものように、二人の姉妹喧嘩の様子を窺いつつ、クスクス! と笑えば。


「それにしても姫様? 姉ちゃんの言うことではないですが。あのお優しそうな王様も、ちゃんとオスで、ガオガオ! と、吠えながら、姫様の事を食べるのですね?」と。


 ルイスがわたくしに尋ねれば。


「閣下! ルイスの言う通りで、本当ですよ」と。


 ルインはルイスへと怪訝な表情をする行為をやめ、わたくしへと驚愕しつつ呆れ声で告げれば。


「私は、陛下に限っては、ロワール伯爵のように、女性に対してあんなにも荒く、激しく行い。自身の力で強引に従わすような夜伽の行為はされないとは思っていましたが。陛下もルイスの言う通りで、やはり男性なのですね」と。


 ルインはルイスとは違い。


 驚きを隠せない表情でわたくしへと尋ねてきた。


 だからわたくしはクスクスとまた笑いながら。


「陛下も以前は我慢……。激しく、わたくし達を従わすような行為はされず。ソフトタッチな方法……。妃を優しく包み、抱擁をするタイプの夜伽でしたよ」と。


 わたくしは自身の話しに対して興味津々……。


 そう、年頃になった二人……。


 異性との恋愛や夜伽には大変に興味のある御年頃になり。


 わたくしの話しを真剣に聞いている二人へと。


「でもね?」と告げ。


「レオンの件からかな?」


 わたくしは考える人になりつつ、二人へと説明をすれば。


「あああ~」


「なるほど?」


「あれか?}


「あれなのですね?」と。


 ルイスとルインも、わたくしが陛下に隠れ、レオンと密談……。


 他の妃達のように陛下を裏切り、蔑ろにして、他の男性と逢引きを繰り返していると。


 陛下が勘違いをして、わたくしの頬を殴り、髪を鷲掴みにして引きずるほど憤怒したことを覚えていますから。


 姉妹仲良く、頷き、納得するから。





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