第31話 嫉妬(12)

「ああ、ロベリア。そうしてくれ……。私は若い者達の会話にはついていけぬから」と。


 あのひとはロべリアに、にへらと笑いつつ告げると。


「レオンよ! 私の可愛い娘の事は頼むぞ!」


 あのひとは、レオンに釘を刺したみたい。


 ロベリアがレオンに好意があると、あのひとは悟ったので。


 もう他人の物であるわたくしに対して興味を持たずに。


 ロベリアに興味を持つようにとでも、言いたい様子で告げると。


「えっ!」


 レオンは驚嘆を漏らすのだが。


 今からロべリアの話し相手をするようにと王命がおりたから。


 レオンも国王の下知には逆らうことはできませんから。


「はい、分りました。国王陛下……」とだけ。


 彼は膝をつきつつ、了承をしたと告げると。


 その後はロべリアが、眠たくなり、部屋に戻るまで。


 レオンはあの娘の会話の相手を続けた。


 そして義母は慌ててドン宰相の許へといき、事情を説明……。


 自身の父によい策を練って欲しいと嘆願をしたみたいで。


 残りの一人であるあのひとはと言うと?


 わたくしが先ほど少しばかり説明をした通りでございます。




◇◇◇



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