第3話新宿にて

. 同時刻、日本国東京新宿 巨大モニター前

 「何なんのこれ」

 「なんかヤバそうだな」

 「怖いんですけど」 

 いやいや怖いのはあなたのメークなんですが、今日はハロウィンですか?

 「大丈夫だろ、まだ、希望者募ってるだけだし」

 「でも、集まらなかったら・・・」

 「それでも、無能な奴から選ばれるんだろう。俺たちは大丈夫だよ」

 「そうだよね、私たち若いし、まーくんは優秀だし」

 「まあな、まあ、俺たちには関係ない話だ」

 少なくとも、まーくんが優秀とは思えないが、仮に、まーくんが優秀だとしても、こいつらは大きな勘違いをしている。というか、邪魔、モニターが見えないだろう。

 俺は、モニターの見えるオープンカフェでシナモンの効いたカフェラテを楽しんでいた。このカフェは豆自体は普通だが、フレーバーの品揃えと品質がよく、特にシナモンは雑踏に負けない芳醇な香りとほのかな香ばしさが絶妙で、この一杯のために新宿まで出てきたのだが、こんなことになっているなんて。

「すいません、邪魔ですよね」

とハロウィンがどいてくれた。最近のジャック・オー・ランタンは気が利くのか。

「おい、行こうぜ」

自称優秀君は礼儀すら持ち得てないようだ。ハロウィンがお辞儀するのを、いやいやと手を振り、かぼちゃのお化けは言い過ぎだなと反省しつつも、先ほどの放送について考えてみた。 

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