第22話 Enjoy 2*琴葉*

「それじゃありますね」


「はい」


 彼女には休憩してもらいまして、Let's 狩り!


 と言っても子どもたちの意識はもうないからね。


 殺りがいはありません。


 いつもだったらカラダを解体しちゃうんだけど、今回の目的はそうじゃない。


 取り敢えず「心臓はとってきてちょうだい。子どもの心臓なんて、普段食べないから食べたいわ」と聖様が仰っていたので、くり抜きます。


 大事に持ち帰らないとね。


「詰めまーす」


「はい」


 笑ってるよ、悪霊さん。


 楽しんでんなあ。


 予め用意しておいた三つの木箱それぞれに子どもを入れていく。


「完了しました」


「お疲れ様です」


 この悪霊滅茶苦茶丁寧だな。


 友だちになれそうなレベルだよ。


「ではでは、境内に運びますかぁ」


 一番の重労働。


 と言っても、悪霊たちが手伝ってくれるから楽。


「慎重に行きますよ」


「はい」


 ずっと笑顔。


 ホント綺麗。


 死んでるのが残念です。


 村人たちにバレないように隠密行動。


 なんか忍者になった気分で楽しいです。


「誰もいません」


「了解です」


 彼女が先に境内を見に行ってくれた。


 ナイスタイミング。


 みんなが村長を頼って神社に集まってくる前に置かなきゃ。


「よいしょっと」


 血が滴っている箱。


 あーあ、勿体ない。


 折角の新鮮な血が無駄になってる。


 持って帰りたい。


 いやいや、我慢。


 見せしめにするために必要なんだから。


 心臓がくり抜かれ、血まみれの子どもの姿を見たら……親たち発狂するんだろうなあ。


 可哀想に。


 優ちゃんと優ちゃんのお母さんにやってきたことを思えば、同情なんかしないけどさ。


**

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