今日は何色?
彼女のことを思い浮かべると、可愛い、そんな感情が湧き出てくる。
ふとスマートフォンが振動した。
碧澄さん...?期待して画面を見ると僕の唯一の友達とも言える幼馴染からの連絡だった。
『ハンカチの件、月曜返すわ』
僕はふとハンカチの存在を思い出した。そういえば金曜日にハンカチを貸していた。
『わかった』
『おう、貸してくれてありがとな』
大切なものなので貸したくなかったが、学校の帰り際ふと彼に会った時、笑顔でこちらへ向かって走ってくる彼があと少しと言うところで転んだのである。同時に流血。その時に申し訳なさを感じた僕は何かの役に立つだろうとハンカチを貸したのだ。
『うん、返してくれればそれでいい』
僕はスマートフォンを机に置いて、布団に潜った。ふと今日あったことが走馬灯のように蘇っくる。
碧澄さん...慣れない場所で迷子になってたな..
そういえば100円の形したパン食べたっけ...
花が咲くような満面の笑みを浮かべた表情
自分の失敗で怒られるのではと怯えるように涙目を浮かべた表情
頬を朱に染めながらも覚悟を決めたような表情
/
夜も深まり皆が寝静まった頃、興奮した様子の少女が1人...
「んっ..ぁ...ぅ..」
火照る身体を鎮めようと必死に手を動かす。我慢していてもつい零れてしまう声に、罪悪感を覚えながらも手を止めることが出来なかった。
///
「んぁ...朝...?」
カーテンから差す日差しに目を覚ました。意識の覚醒と共にふと寒気がしたので自分の状態を確認した。
服、着てない...そういえば昨日...シながら寝落ちしちゃったんだ....
「うゎぁ、お風呂入ろ...」
私はそのまま着替えの服と、ぐちょぐちょに濡れていたであろうソレをもってシャワーを浴びるべく歩みを進めた。
「徹夜でゲームしなきゃ良かった...」
そう、私は佐々木くんとのデートで高揚したテンションを抑えるためにゲームをしていたんだ。
私は火照る体を収める為にVIPという上位数%である全国の猛者たちとの戦いに興じていたのである。結局集中できなくて、必死に手を動かしてカーヴィを操作してたんだけど案の定ボコボコにされて、泣きそうになり嗚咽を漏らしながらも挑戦していたことは覚えている...
「確か汗かいたから着替えようと服脱いで...」
そこからの記憶がなかった。
お察しであろう、寝落ちと言うやつである。
シャワーを浴びながら私は、次の作戦をについて考えた。
「そうだ...!!」
///
『今日は、ピンク色だよ』
Rainでそう送った私は、作戦の成功を確信しながら朝の支度を開始した。
強いて言うなら『今日は何色?美少女どきどきだいさくせん!』
絶対に堕としてあげるからね....
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