第2章 泡沫/空蝉

2-1 |空蝉《うつせみ》

🍦


彼と付き合ってから記念すべき初デートの前日、上京して以来ずっとお世話になっている代官山の美容院にいた。


いつも担当してくれる店長兼オーナーの東狐とうこさん。


40代とは思えないくらい若々しく妙に婀娜あだっぽい。


2人の子供を育てながら自分で店を持っているすごい人。


尊敬を込めて勝手に『東狐ねえさん』と呼ばせてもらっている。


東狐姐さんはもちろん、お姉ちゃんにもKAWAHARAのみんなにも彼氏ができたことを報告していた。


今朝は朝7時に起きた。


待ち合わせの時間まで4時間もある。


昨日言われた東狐姐さんのアドバイスを思い出す。


「彼はナチュラル美人が好きなのね。じゃあ中村アンちゃんみたいなかき上げロングヘア風にしていくのが良いんじゃない?」


かき上げロングヘア?


紫苑しおんは綺麗なストレートヘアだからそのままでも良いと思うけどどうする?」


尊敬している人に髪を褒められるのは嬉しい。


たしかに無理して変える必要はないのかもしれない。


だけれど、少しでも可愛く綺麗に思われたいからエアウェーブをかけてもらった。


「男は風になびいた髪とほのかに香る匂いに弱いから、フレグランスを変えてみるのもアリかもね。わかってると思うけど、子供っぽく見られないように大人コーデでね」


アドバイス通り、中村アン風の髪型にしてフレグランスもネイルも変えた。


タートルニットにフレアスカート、ブーツとハンドバッグの色を合わせたコーデ。


彼、気に入ってくれるかな?


11時前、桜木町で待ち合わせる。


気持ちが躍動しているせいかちょっと早く来すぎちゃった。


トイレでメイクを整え、髪型をチェックする。


改札を出て駅前で彼を待っていると、LINEに通知が次々ときた。


「のりしお、初デートおめ!最低でもチューはしておくんだよ?」


私のことを『のりしお』と呼ぶのは1人しかいない。


里帆っちだ。


実を言うと、このあだ名は結構気に入っている。


いままで誰にも呼ばれたことがなかったし、たまに甘えた感じで言うのがすっごく可愛いから。


最低でもチューって、さすがにそれは大丈夫……だと思う。


「紫苑ちゃんデート成功すると良いね!終わったら乾燥聞かせてね」


恋ちゃんの誤字に思わずクスッと笑ってしまった。

そのおかげでちょっとだけ緊張がほぐれた。


「可愛いんだから自信持って」


文章は短かったけれど、そこには温かみを感じた。

相変わらず優梨は優しい。


また通知がきた。


「年末はいつごろ帰ってくると?」


お母さん、送ってくるタイミング。

デートが終わったらちゃんと返すね。


また通知がきた。


今度はお姉ちゃんからだ。


「ちゃんと勝負下着着ていったと?もうカノジョなんやし遠慮なんてせんでいいんよ」


もう、こんな恥ずかしいこと言ってこないでよ。


耳が一気に熱くなった。


「おはよ」


「ひゃっ!」


タイミング悪く?後ろから来た彼に声をかけられ、変な声が出てしまった。


「どうしたの?」


「えっ?あ、ううん。なんでもない」


「そう?じゃあ行こっか」


彼の横を歩く。


駅からランドマークタワーへと向かう。


少し風が強く冷たい。


何度か話しかけるも反応が薄い。


無言のまま彼の横を歩く。


こんなに気合い入れてきたのに何も触れてこない。


男の人ってこういうところ鈍感って言うけれど、それにしてもじゃない?


そう思うと切なくなった。


「みなとみらい来たの久しぶりかも。慶永よしひさくんはよく来ると?」


「……うん、たまに」


やっぱり反応が薄い。なんか冷たくない?


「ご飯は食べてきたと?」


「いや、まだ」


さっきから全然目を合わせてくれない。


エスカレーターを上がり動く歩道に乗る。


右手にはメモリアルパークやコスモパークが見える。


デートにはもってこいの景色なはずなのに……


不安が募りに募って右手が勝手に動き、彼のTシャツの袖を軽く掴んでいた。


おそるおそる彼の顔を見ると、一瞬だけ目が合ったがすぐに逸らされた。


なんでそんなに素っ気ないの?


初デートだよ?


こんなにも気合い入れてきたのに馬鹿みたい。


あんなに優しかった彼が別人のように感じた。


「紫苑ちゃん」


低い声で私の目を見ながらそう言われ、かしこまるというよりも少し怯えた感じで掴んでいたはずの彼のシャツをスッと離していた。


「な、何?」


「手、繋ごう」


そう言って彼の左手は私の右手をギュッと握っていた。


待って、どういうこと?

いままでのは全部フリだったの?

もうわけわかんないよ。


そう思いながらも露骨に喜んでいるのがバレないように必死に胸のドキドキを抑えようとしたけれど手汗がやばい。


「ごめん。手汗すごいことになってると思う」


少し申し訳なさそうな顔をしながらそう言う彼。


そっか、ずっと緊張していたんだ。


「私も緊張しとるよ」


「今日の紫苑ちゃん、綺麗すぎてまともに顔見られなくて」


急に何?

こんなところで恥ずかしすぎるって。


「そうやったんやね。怒っとるかと思って」


「何で?」


「顔、怖かったもん」


「普段からこんな顔ですけど」


「いつもはもっと優しい顔しとるもん」


「髪型もネイルも変わってていつも以上に可愛いし、風が吹く度に良い匂いするし、自分のカノジョがこんなに良い女だと思ったらどんどん緊張してきて」


カノジョという響きにまたドキッとした。


東狐姐さんのアドバイス聞いておいて良かった。

今度お礼言わないと。


嬉しさのあまりつないでいた手をギュッと握り返すと、私たちの距離は一気に縮まった。


ランドマークタワーからマークイズみなとみらいへ入る。


「ここってマークイズ?」


「そうだけど、それがどうしたの?」


「福岡にもあるんよ」


「そうなの?」


百道ももちって場所にあるっちゃけど、ホークスのドームのすぐ近くにあるんよ」


「ドームの近くってことは、海からすぐのところだよね?ばりオシャレったい」


「あっ、エセ博多弁」


「いまの何点?」


「う~ん、20点くらい」


「低っ!」


こんな他愛ない会話でもすごく楽しい。


さっきまでの重さを吹き飛ばすようにジョークを言い合った。


マークイズを歩いているとアイス屋さんを見つけた。


「ねぇ、アイス食べたい」


カラフルな店内には数組のカップルとファミリーな並んでいた。


新フレーバーのパイナップル&ピーチ味を注文し、2人で写真を撮った後に頬張る。


彼はまだお腹が空いていなかったみたいだったのでそのままモール内を歩き、アニマルテーマパークや屋上庭園などを楽しんだ。


ワールドポーターズを越え、赤レンガ倉庫にやってきた。


横浜を代表する観光地だけあって多くの人が外観や港をバックに写真を撮っている。


私たちも景色をバックに写真を撮った。

写真を撮るたびに急接近する彼の匂いと体温を感じ、心が躍った。


中に入ると彼が反応した。


「オムライスうまそう」


お腹が空いていたのでこのお店でランチにすることに。


私はふわトロオムライスにハンバーグをつけて注文した。


彼は昔ながらのケチャップオムライスを頼んだ。


椅子に座って待っていると、少ししてピピピッと番号札の音が鳴った。


「紫苑ちゃんって本当に美味しそうに食べるよね」


「うん、美味しいものを食べると生きてるって感じる」


カシャ!


急に写真を撮られた。


「ちょっと、なんしようと?」


「食べてる姿撮りたくなった」


「もう、恥ずかしいけん消して」


「あとでね」


それ絶対消さないじゃんって思いつつちょっとだけ口を尖らせた。


すると、

「いまの顔可愛い!もう1回して」


目をキラキラさせながらそう言う彼にドキッとしてしまった。


「やだ」

と照れ隠しをしつつも本心はすごく嬉しかった。


「おねがい」


両手を合わせながらお願いしてくる彼のキュートな仕草にまたキュンとした。


付き合いたてのころはこういうことでも許せてしまう。


周りから見たら痛いカップルなのかもしれないけれど、初デートだし許してほしい。


オムライス屋さんから奥へ進んだ先の店で帽子を試着し合ったり、フレグランスを嗅いでどの香りが好きか言い合ったり、アクセサリーを見てどれがかわいいとか言い合った。


彼がコーヒーを飲みたいと、上の階にあるカフェに向かった。


そこはまるで自宅にいるような気分になれるカフェで、オレンジに光るライトやキャンドル、柔らかいクッションなど置いてあり、思わず眠ってしまいそうなくらいのムード良いカフェだ。


そこで他愛のない会話をしていたらあっという間に時間が過ぎていった。


赤レンガ倉庫を出ると日は落ちてきた。


お昼よりも冷たくなっていた風はセットしていた髪をあざ笑うかのように時間とともに強さを増していく。


空いている方の手で何度も髪を整えるが、腹が立つくらいに風が止んでくれない。


外はライトアップされていてすごく綺麗なのに、強風のせいでまともに前を見られない。


右上を見ると、夕陽に反射する彼の横顔がきついた。


キリッとした目に高い鼻、指で眼鏡の位置を戻すときの綺麗な手。


好きになると痘痕あばたえくぼって言うけれど、正直彼の痘痕が見つからない。


これって完全にのめり込んでるのかな?


手をつなぎながら人混みの汽車道を歩いていく。


桜木町の駅が見えると急に寂しくなってきた。


もう少し一緒にいたい。


「腹減ってきたな。夜ご飯食べない?」


気持ちを察するようにご飯に誘ってくれた。


肌寒さや明日の予定なんかよりも彼とすごす時間が何よりも大切だった。


駅前のお店でご飯を食べたらあっという間に外は真っ暗だった。


電車に乗って東池袋まで向かった。


駅に着くとそのまま私の家のすぐ近くまで送ってくれた。


「紫苑ちゃん、今日はありがとう」


「こちらこそありがとね」


「気をつけて帰ってな」


「すぐそこやし笑」


「だな」


「慶永くんこそ気をつけてね。お家着いたら連絡して」


「おう。また連絡する」


そう言って彼はつないでいた手をそっと離し、背を向ける。


その瞬間、無性に恋しくなった。


……やっぱムリ。


シャツの袖をつかんだ。


立ち止まった彼がゆっくり振り向き、ギュッと抱きしめてくれた。


目が合うと、私の顎を軽く持ち上げ、そのままそのまま優しくキスをした。


**


「この前はどうだった?」


東狐姐さんがイタズラな笑顔で聞いてきた。


「おかげさまで」


「ってことは、最後までしたわけ?」


付き合ってはじめてのデートでそんな大胆なこと……


「キスはしました」


「それだけ?」


「だって初デートですよ?」


初デートから約2週間。


進捗しんちょく報告する必要はないのだれけど、姐さんのおかげでデートは成功したと言っても過言ではない。


だからお礼も兼ねてカラーリングに来ていた。


「紫苑って意外と乙女なのね」


少しがっかりした様子の姐さんだったが、一体何を期待していたのだろう。


「私、そんな軽い女じゃありません」


「まだ付き合ったばかりだから焦る必要はないけど、全然抱かれないのも女としてどうなのってところだからね。たまには欲望リビドーに身を任せてこっちから押し倒してみたりすることも必要よ」


オブラートに包まない姐さんの言葉には何故かいやらしさは感じなかった。


すると、突然電話が鳴った。


彼からだ。


「もしもし?」


「今日早めに仕事終わったからこれから家来ない?」


「い、いまから?」


あまりに急な展開に動揺が隠しきれない。


「付き合ったばっかでいきなり家とか嫌だった?」


そんな急にお泊まりとか色々と準備がいるよ。


「いま美容室におるけん、またあとで連絡するね」


そう言って一旦切った。


どうしよう。心臓のドキドキが止まらない。


「姐さん、どうしましょう?」


「どうしましょうって何を悩んでるの?」


「だ、だって、彼は明日お仕事お休みなのでお昼から会う約束してんたんですけど、それが急にいまからってなったら心の準備が……」


「紫苑は本当に乙女ね。こういうときは遠慮なんかしなくて良いの。せっかく彼も勇気を出して誘ってくれたんだから、有体ありていの紫苑を受け止めてもらいなさい」


東狐姐さんに背中を押され、そのまま彼の家に行くことになった。


滝沢商店の近くにある彼の家は、シックな作りの小さなマンション。


家が近づくにつれてドキドキとワクワクが交互にやってくる。


彼の家の前に着き、鏡で髪を整えた。


インターホンを押すと熱が出そうなくらい一気に体温が上昇してきた。


「どうぞ」


「お、お邪魔します」


靴を脱いで部屋へ入る。


茶色を基調としたシンプルな部屋で、たくさんのスニーカーとたくさんの帽子、本棚にはたくさんの本が並べられている。


イメージしていた通りの彼の部屋って感じがした。


テレビの向かいにあるソファベッドに座った。


「その髪、好きだな」


私が脱いだジャケットをハンガーにかけながら

ぼそっと言う彼の声はセクシーだった。


グレージュに染めた髪を褒めてくれたことを嬉しかったけれど、さりげない『好き』はドキッとした。


私の横に座った彼が、


「そういえば紫苑ちゃん、ご飯食べた?」


「ううん。まだ」


「じゃあデリバリーでもする?」


ここは彼女としての腕の見せ所。


「何か作ろうか?」


実は料理にはちょっぴり自信がある。


我が家の料理担当は基本的に私とお姉ちゃん。


お母さんはあまり料理が得意じゃないから小さいころからキッチンには立っていた。


彼は驚きと喜びのこもった笑顔でお願いしますと言ってくれた。


「キッチン借りるね」


小さなワインセラーの横にある白い冷蔵庫を開ける。


「えっ!?」


思わず声が出てしまった。


「どうしたの?」


男の人の1人暮らし。イメージはしていたけれど、それにしてもね……


「慶永くんって自炊しとらんと?」


「ほぼ外食」


これは由々しき問題。


外食が悪いわけじゃないけれど、出費もかさむしたまには手作りを食べないと色々と良くない。


でもさすがにこれでは何も作れない。


冷蔵庫の中には具材と呼べるものがなく、大量のコーヒーと調味料が少しあるだけ。


もはや冷蔵庫必要ですか?というくらいにスカスカ。


「近くにスーパーはあると?」


「うん、あるけど」


「じゃ、行こう」


「いまから?」


「うん」


ジャケットを着てスーパーへ向かう。


外はちょっぴり寒かったからいつも以上に身体を寄せ合いながら手をつないで歩く。


「昔からずっと外食なん?」


「自分のために料理するのめんどくさいし」


「健康に良くないよ」


「男の1人暮らしなんてそんなもんだよ」


これは彼女として何とかしなければ。


とは言ったものの、正直料理はそこまで得意じゃない。


人並みに作れるだけ。


買い物カゴを取り、必要なものを入れていく。


「じゃがいもとキャベツ、それから豆腐に卵……」


「何作るの?」


「楽しみにしとって」


何を作るか言っても良かったけれど、完成するまで言わない方がワクワクしてくれるかなって思って言わなかった。


レジに向かう途中で大事なものを買い忘れていたことに気がつき、彼の肩に手を当てて呼び止めた。


「待って、豚肉買うの忘れとった」


そう言ってお肉のコーナーへ向かう。


「ねぇ、これなんかどう?」


彼が豚肉を手に取って見せてきたが、


「こっちの方が安いけん、こっちにしよ」


「紫苑ちゃん主婦みたい」


「褒められとる?」


「めっちゃ褒めてますけど」


「ホント?」


「ホント。良いお嫁さんになると思う」


お嫁さんというワードに過剰に反応して、持っていた豚肉を落としそうになった。


こんな簡単に動揺する自分にちょっとだけイラッとした。


「紫苑ちゃん、めっちゃ顔赤いけどどした?」


「なんでもない」


少し口を尖らせながらスーパーを出た。


米ってこんなに重かったっけ?と言いながらも歩く彼の腕から浮き出る血管はすごくセクシーだった。


彼の家に戻り、大量に買った具材を次々に冷蔵庫に入れていく。


「こんなにパンパンなの久しぶりなんだけど」


どこに感動してるのよと思いながら、腕まくりをしてヘアゴムでポニーテールにする。


炊飯ボタンを押した後、フライパンを取り出し油を引いて火にかけると、後ろから急に抱きしめられた。


彼の温もりが背中から一気に全身を駆け巡る。


急すぎる展開に心臓が飛び出しそう。


「よ、慶永くん。ご飯、作れないやん」


腰に手を回す彼の腕に手を添える。


「ちょっとだけ、抱きしめさせて」


耳元でささやく彼の声にとろけそうになった。


どうしよう。


このままじゃ身体が熱くて料理どころじゃなくなっちゃうよ。


ゆっくりと近づく彼の唇が私の唇を奪う。


肩で呼吸するように鼓動が荒く、そして早くなる。


もう、これ以上はダメ。


本当に理性が飛んじゃう。


パチパチとフライパンから飛び出すように油が弾けていく。


蒸発した油が彼の手に当たった。


「あっつ!」


その衝撃で腰に回していた腕を離した。


「大丈夫?」


「うん、大丈夫」


彼がソファに戻るタイミングで気持ちを落ち着かせた。


もう、ドキドキさせないでよ。


呼吸を整え料理を作る。


「ーできたよ」


「ありがとう」


テーブルに生姜焼きと味噌汁、ポテサラを並べる。


「簡単なものだけどどうぞ」


「いただきます」


彼が一口ずつ味わいながら食べる。


「どう?」


と聞くと、

彼はゆっくり咀嚼そしゃくしながら真顔で、


「なぁ、紫苑ちゃん」


えっ?何?美味しくなかった?


「めちゃくちゃ美味い!」


と言ってあっという間に平らげた。


嬉しい。


「他にも色々作ったけん、よかったら明日の朝食べてね」


冷凍食品なども買っておいたが、栄養バランスを考えて野菜の盛り合わせも作っておいた。


「色々とありがとう」


「ちゃんと栄養取るんだよ」


食後にアイスを食べ、彼はコーヒーを飲んだ後、彼と映画を観ることにした。


お酒を飲みながら海外の恋愛ものを観ていると、ちょっと大人っぽいシーンに身体が刺激されていった。


すると、彼の左腕が私の全身を包み込んだ。


躍動する心と高ぶる気持ち。


ほどいた髪を耳にかけて軽く唇を舐める。


彼の顔が私の顔に近づき、そのままソファに横たわる。


「ねぇ、明るい」


「ごめん」


テレビを決して照明を暗くする。


部屋中に流れる彼の吐息が身体中を刺激する。


彼の足と私の足がからまると、体内の熱が一気に上昇した。


彼の細くも鍛えられた身体が私の身体を包み込み、優しく指を絡め合い、欲望リビドーのまま流れに身を任せた。

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