お互いに依存している百合カップルが戻れなくなるお話
畳アンダーレ
第1話
「……えへへっ」
「……うんっ」
二人で抱き合って顔を合わせて微笑み合う。日もすっかりと落ちた夜。玄関でアリサが帰ってくるのを私は待っていた。アリサの好きな物だけで用意した晩ごはんの準備はとっくに終えているし、愛し合えるようにベッドのシーツも整えた、頑張りすぎてホテルみたいにシワ一つない綺麗になった。
アリサのためなら私はなんでもできるよ。胸だって当然、アリサがJだから私は頑張ってJまで大きくしたんだから
「ただいま……」
「おかえり……」
頬を少し染めたアリサが私に抱き着いてきた。そのままキスする。こうやって私たちが二人きりで暮らし始めたときに決めたルールだ。キスをしないと帰ったことにはならないし心も休まらないんだ。
「好き……好き……」
「っ……っ……」
今日はアリサの方から唇を重ねてきた。私はそれを黙って受け入れる
昨日したキスよりも激しい。私を求めて、求めて求めて、貪るとはちょっと違う甘えたさ全開のキス。
お仕事で何かあったんだ、私のアリサに誰かが何かをしたのかな。だとしたら許せない。アリサ本人が許したとしても私は許さないよ。
「……アリサ、着替えておいで? ご飯できてるよ」
「うんっ、すぐに行くから待っててねっ!」
私の元に帰ってきたことで少し元気を取り戻したのか、アリサはいつもの明るい笑顔を私に向けた。スタスタと部屋着に着替えに行くアリサの背中を見ながら私は少しため息をついた。
「ふふふっ、やっぱり私がいないとアリサは何もできない子よねっ」
きゅううううっと胸とお腹の奥が切なくなるのを感じつつ、私は雑に脱ぎ捨てられたアリサの靴をまっすぐに揃えて、アリサを追っていった。
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