489話 アメリカに危険視される中国国民党と中国人

株の大暴落が何度も起き大規模に失業者が出ているアメリカですが、黒人、メキシコ人、有色人種は雇用される時は1番遅く、解雇される時は真っ先に解雇されていました。


有色人種の失業率は圧倒的に高くなっているだけでなく、働きながらの高校への進学を諦めたりする人間も増えています。


1800年代後半のカリフォルニア州では

人口が少なく、6人に1人が中国人な時代もありました。

彼らは苦力と言われていて無学で肉体労働が専門の労働者です。

特に荒れている荒野の鉄道の線路の敷設などをやらされていた労働奴隷のような存在でしたが、必要性が少なくなると邪魔者扱いされだして虐殺されるといった事件もあったとされています。


大不況時代のアメリカでは邪魔者のメキシコ人はメキシコへ。

中国人はチャイナに帰ってもらおうという声も大きくなって来ました。


そこへ、『日本国内に住む中国人の親戚や家族を人質にして逆らえないようにしてスパイ網を組織して、大勢の中国人を送り込める中華街を拡大して、

日本を内側から乗っ取ろう。とする計画を国民党が日本に行おうとしている。』と日本が大々的に発表しました。


カリフォルニア州の中国人人口が多い事を不安視していたカリフォルニア州政府は過敏に反応してカリフォルニアから中国人を追い出そうとしました。

(1870年のカリフォルニア州の中国人移民は6万3000人で、カリフォルニア州の人口は37万人ほど。メキシコ人の人口も考えると有色人種比率はかなり高くなります。)


史実でも実際に1万2000人のメキシコ人失業者をメキシコに追放しています。

これによって1人あたり14.7ドルの経費がかかりましたが、1年あたり25万ドルが節約できたとも言われています。


中国人苦力達が必要とされていた地域はアラスカにもありました。

アラスカの開発に中国人は送り込まれるようになります。


さらに、過酷な場所で白人の行きたがらない中西部の線路の敷設、山奥のダムの建設工事現場にも中国人やメキシコ人が強制的に駆り出されていきました。


なお、史実のアメリカでは日本人やユダヤ人は更に厳しい目で見られて迫害されています。(日本はロシアに陸海の両方で勝利してますし、ユダヤ人は財力がありますから。)


好景気な日本に戻ったり、人種差別の少ないユタ州に行ったおかげで日本人の人口が少なくなり、アメリカの日本人差別感情は収まっていきましたが、

中国人に対する差別感情は高まっていきました。


いや、ホワイトハウスはアメリカ国民の憤りを向ける矛先を政府から中国に向けようと画策し始めました。


アメリカ人の怒りをぶつける何かが必要だったのです。


フーヴァー大統領は黒人失業者3万人を含む15万人の中国への派兵を発表。


そして軍艦のオーバーホールなどに関するロンドン軍縮条約の大幅な制限の緩和、竣工して15年が経過した戦艦などの代艦の建造の制限を緩和すると一方的に発表して、『私は景気を良くする為なら全力を尽くす。』と宣言しました。


これは軍の高官や経済界からの突き上げがあったのかもしれません。


史実のアメリカは戦争はしていませんでしたが、所詮、中国は3流国に過ぎず、戦争相手と言うよりは残敵掃討と思っているのかもしれません。


満州の油田からの資源搬出ルートの確保と各地の租界の確保に全力を尽くすつもりなのかもしれません。


ジャイアン(アメリカ)が誰かを殴っている間は他の人は殴られずに済みますもんねえ。


まぁ、血の気の多いジャイアン(アメリカ)には、もう少し頑張ってもらうとしますか。


ちなみに戦艦の代艦のスペックは主砲の口径は16インチ(40.6cm)以内で、基準排水量は3万5000トン以下です。


大改装後の長門級戦艦の陸奥の基準排水量が3万9050トンなのでそれより少なくしないといけません。


竣工時の長門級戦艦の基準排水量は3万2000トンくらいなので、ほぼ同クラスですね。


イギリスの抱えている債務46億ドルをちらつかせながら、一方的に軍縮条約の変更を宣言するとは、さすがはジャイアン(アメリカ)です。

ほんと自分勝手です。

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