455話 株の世界。本番はこれから。

セイバーやランサーがそうなのですが、彼らは宇垣財閥のアメリカ支社の総支配人であり、総責任者でもあります。

ある程度の事に関しては即決で判断してビジネスを行う事ができます。

アメリカの財閥関係者と付き合うのも重要な任務。

宇垣証券のアメリカ支社の最高責任者も兼務しています。


そのセイバーの部下達ですが、株の売り買いに関しては予知能力持ちの敏腕の株式トレーダーです。彼らが全米に目を光らせて、売り買いを見事に行っていました。


他のアメリカ企業ではトレーダー達は大損して自殺するトレーダーも多いようです。


彼らに取っては専門分野のレポートを書くのも仕事の1つ。

これらのレポートは日本に送られて総務省の官僚達に報告されます。


アメリカで起きた史実の株の大暴落ですが、ダウ工業株平均は6年間上がり続けて、1929年9月3日に最高値になり、

1ヶ月の間、急降下し17%下落しています。

そして10月の始めに回復と下落を繰り返す荒れ模様になっています。


そして破滅は10月24日の木曜日に起きました。

そして全米の新聞が大々的に株の大暴落を報道して10月28日の月曜日と29日の火曜日に売り注文が殺到して壊滅的な株の大暴落が起きました。


今回のアメリカの株の大暴落も同じような動きで大暴落が何度も起きています。

週末に新聞が報道して全米が売り一色になったのも同様に起きましたし、

月曜と火曜の下落の凄さは大勢の投資家を絶望させました。


そういえば、経済学者が史実でも

「株価は恒久的に高い高原のようなものに到達した。(つまり株価はこのまま高値で安定し続ける。)」と言っています。

そして、こちらでも言っています。

奇妙な符合ですよね。


その後、株価は1ヶ月の間落ち続けました。


宇垣の株トレーダー達は小刻みに買って儲けて売って利益を確定してましたが、大暴落の大雪崩の中で儲けているのは宇垣のゴーレムのトレーダー達ばかりで、アメリカの投資家達は絶望が続く1ヶ月でした。


(史実では1930年代初期に回復し、

そこから更に大暴落が起きるのですが、、、)


予知能力が上がると囁くのでセイバー達はアメリカのほとんどの株を全面的に買い注文を出しました。


この第1の底の時の下落率は17〜18%でした。



そう、アメリカの株の大暴落は、まだ始まっていませんでした。



最高値を付けた後に小規模下落したと

未来では軽視されている、最初の株価の下落の事をセイバー達は第1の大暴落で、世界大恐慌は始まったと勘違いしていました。


その後、セイバー達は利益を確定させる為にダウ平均株価が数%ほど回復したところでゆっくりと売り始め、売り抜ける事に成功しました。

この時、セイバー達は20億ドルほど

儲けています。


その後の株価は上げ下げを繰り返したのでセイバー達はその度事に大きく儲けます。


いや、大暴落初日のブラックサーズデーのときは1290万株の売り買いがされたし、もっと下がったはず?


まさか、我々が大暴落の第1派と思っていたのは大暴落の前に起きたから小規模暴落と思われている、あれなのか!!。

ブラックサーズデーはこれから始まるのでは?とようやく気がつきました。


ええ。史実の大暴落前と同じ感じで動いているから気がつけましたが、そうでなかったら気がつかなかったかもしれません。


これから大暴落の本番が始まると気がついて、絶句するセイバー達なのでした。

報告を聞いた宇垣昌弘も驚きました。


『一体どうなるんだ、、、』とフーヴァー大統領も大統領執務室で絶望したような表情をしていますし、全米の大物経済人が集まって対策を考えていますが、世界大恐慌は

『『まだ始まっていません。』』

ええ。

もう一度言いますね。

株価は大暴落して下がっていますが、

『『世界大恐慌の時のブラックサーズデーは、まだ始まっていません。これから起きます。』』


震度9の大大被害を出した地震の前に起きた震度8の地震の影が薄くなるようなものです。


大暴落が始まったら、19世紀の前世紀にダウ平均株価が始まって以来の『史上最安値』のどん底になるまで、株価の下落は止まりません。


上がる事もありますが断続的に下がり続けます。


史上最高値に近いところからの史上最安値への急降下です。


数百億ドルが消えるのです。

それも何度も。


借金してまで株を買っていた人達は地獄へ急降下します。


今のアメリカ人は誰もその事を知りません。


さすがは世界全体のGNPを15%も下げた世界大恐慌です。

大企業に成長したフォードやゼネラルモータースの株価を85%も下げただけの事はあります。


リーマンショックの時の3倍の規模と言っても、まだ足りないでしょう。


別次元の経済的大災害なのです。



作者よりの伝言。

そして、日本のバブル崩壊とは次元が違う大損失を出している中華人民共和国が存在している、史実未来の我々、読者の方が世界大恐慌に近い株の大暴落を体験するかもしれません。

現在のアメリカ株は充分に膨らみ過ぎて破裂しそうな状態です。


別次元の大繁栄している日本と繋がっている日本は助かるのでしょうか?

経済の規模が少ない上、宇垣昌弘が備えていたから救えるかもしれません。


確かに業績はいいのですが、フォードにせよ、ゼネラルモータースにせよ、

ゼネラルエレクトリックにせよ、膨大なお金が流れ込んで実態の何十倍も膨らんで破裂寸前になっています。


アメリカの多くの企業の株がこんな風に破裂寸前になっています。


なんせ、あのフォードですら、工場労働者の75%を解雇せざるを得なくなるのです。


大失業時代の到来間近です。

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