433話 日本酒試飲会(1928)
宇垣昌弘は大メーカーの酒蔵に来ていました。
この大メーカーを始めとして多くの酒造メーカーの悩みは搾りたての生の酒を消費者に届けられないかというものでした。
作者の父親も言っていましたが、保存の為の火入れをしていない、搾りたての日本酒の美味しさはまさに格別であり、素晴らしい味わいです。
この大メーカーの搾りたての生の酒も見事な美味しさでした。
ゴーレムの中でも酒に情熱を傾けている前田利家がダンジョン酒米とダンジョン水、ダンジョン麹を少量混ぜて品質を更に向上させているのですから絶品な味わいです。
そして錬金工場に保存して、こちらの世界でも国際特許を取った発泡スチロールの箱に氷と一緒に入れれば、世界のセレブの所に素晴らしい日本酒を届ける事も可能になるだろう。
(史実で発明されたのは1950年のドイツ。日本では1959年より生産が始まった。)
こんな事ができるのも保存魔法があるおかげである。
まぁ、セレブには『数日以内にお飲みになってください。それ以上の品質は保証致しません。』ときちんと言うつもりだ。
日本の酒造メーカーは素晴らしい酒を醸造しているのだが、残念ながら流通がネックになっている。
保存料とかがまったく使われていない
生のケーキ、もしくは生の魚を運ぶつもりで冷蔵しながら運ばれて冷蔵庫で保管され、すぐに飲まれれば、酒飲みも素晴らしい酒が自宅で飲めるのに。と思ってしまう。
まぁ、これは世界のセレブに対する
日本酒のお披露目であり、発明されたばかりの発泡スチロールや発泡スチロールを使用した断熱箱のお披露目でもあります。
保存に気を配った生の日本酒の素晴らしさを世界のセレブや日本人にも伝えていかなければと思っています。
史実の様な3倍混ぜ物増量酒が出回る事だけは阻止しなければなりません。
刺身の為に生の魚を輸送している日本なら酒も良い状態で輸送できると思うのですがねえ。
令和でも魚などの輸送に関しては、凄く進化しているのに、日本酒の輸送に関しては魚の輸送ほど進化していないのが残念でなりません。
東京の宇垣百貨店で各酒造メーカーの幹部さん達や有名なシェフ、パティシエ、ソムリエさん達を招いて行われた
日本酒の試飲会は多くの人達を絶句もさせ、感動もさせました。
灘から発泡スチロール容器に入れて、
氷と共に空輸された各酒造メーカーの
搾りたての生のお酒は見事に品質を保持していたからです。
もちろん、大量に輸送するとか、大量に販売するのは無理でしょうが、国際会議の時や宮廷晩餐会の時にお出しする事はできるかもしれません。
現在の日本は濁酒などを農家が家庭で作って飲む分には酒税などでうるさい事は言いません。
濁酒を作ってみようかな?
と、ちょっと思ってしまった昌弘なのでした。
ちなみに、搾りたての生の日本酒の美味しさに魅了された人達はかなりの値段になってしまいますが宇垣百貨店で
『搾りたて生酒』をお買い求めいただく事になります。
あの鮮烈な美味しいお酒を自宅で飲めるのだから、良い時代になったものです。
なお、搾りたての生酒に魅了された人達は各地の小規模酒造メーカーに交渉して生の酒を買って氷と共に冷蔵して運んで自宅で飲む楽しみを趣味にする人も増えます。
酒造メーカーはお得意様を持てて、高い値段で売れるわけですからウィンウィンの関係ですね。
(酒造メーカーには搾りたての生の日本酒は素晴らしい商品なのだから安売りはせずに最低でも倍の値段で売るように忠告しています。
2倍でも安過ぎるくらいです。)
ともあれ、大勢の人に鮮度を保つ輸送の重要さを具体的な物にて教える事ができて良かったです。
ちなみに、この日本の大手の輸送業者はシェアを伸ばす為にダンピング競争はさせません。
適切に利益をいただいて、ドライバーや従業員に給料を出すのはあたりまえの事です。
なお、日本酒メーカーは酒米作りにも
力を入れており、腕の良い農家を高待遇で雇って良い酒米作りをしています。
待遇的には初任給の1.5倍〜2倍の高待遇で日本で最上の待遇の良さだったらしいですね。
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