369話専属調理人『伊橋悟』
『味いちもんめ』と言えば大ヒット漫画であり、ドラマ化も何度もされた人気のある作品だ。
SMAPの中居くんが主演していたので、
目の前にいるゴーレムの『伊橋悟』や師匠で立板のゴーレムの『熊野信吉』さんもドラマの人そっくりである。
『伊橋悟』が腕を上げたと思ったのは
料理が美味しいだけじゃなく、創意工夫をしている所を見かけたからだ。
たとえば、うなぎを焼いている時に
うなぎから出てきた脂を鰻重のご飯の上に落としてからタレを付けて焼いてご飯の美味しさを増やそうとしていた。
鰻重が油っこくなり過ぎず、タレでくどくなり過ぎず、美味しく感じられる絶妙な鰻重を作ろうと工夫しているのは素晴らしいと思う。
そして、前話の峠の釜飯だが、これもくどくなり過ぎないよう、塩分が濃くならないように工夫していた。
出汁の中で具材を泳がせて出汁の旨みを吸わせていたのにも感心した。
伊橋悟のかき揚げ丼も美味しかった。
自分で作ったかき揚げ用の網の道具を使って、細心の注意を払いつつ野菜をかき揚げにしていき、宇垣昌弘好みのかき揚げになるようにして鶏肉と野菜のかき揚げ丼を作り上げたのには、
見事だ!と褒めたくなった。
ちなみに宇垣昌弘はかき揚げの真ん中の密度が濃くない、かき揚げが好きである。
真ん中を揚げる為にまわりが揚げられ過ぎてしまうからだ。
できれば真ん中へんもサクサク感がほしい。
名付けて『真ん中薄めサクサクかき揚げ』
この真ん中サクサクかき揚げは、
かき揚げそばやかき揚げうどんに入れても美味しい。
宇垣昌弘の鍋焼きうどんや年越し蕎麦に入れるのも、この真ん中サクサクかき揚げである。
ちなみに勇者召喚で呼ばれる前の宇垣昌弘の才能の1つが揚げ物の才能で、
1度教わっただけでとんかつも天ぷらもそれなりに美味しい物が作れたほどだった。
伊橋悟に真ん中サクサクかき揚げを作って食べさせて、真ん中サクサクかき揚げを覚えさせたのは宇垣昌弘である。
昌弘は真ん中サクサクかき揚げの上に生のうずらの卵を4個ほど落として
半熟目玉揚げをプラスして食べていたりしている。
宇垣昌弘は料理の創意工夫を考えるのが好きなのだ。
いや、創意工夫を考え過ぎたがゆえに
釜飯が上品になり過ぎたかもしれないが。
考えてみれば、料理人がタレのかかった鰻重なんて下品な料理を陛下にお出しするわけにいかないと思ったりして
うなぎは上品な白焼きばかりになったら陛下はがっかりされるかもしれないと思った。
鰻重は、あのタレがかかった上品では
ないところが良いとも言える。
伊橋悟の、うなぎの脂の旨みちょい増し鰻重も実に美味しかった。
陛下も喜ばれておられたのでお気に召されたかもしれない。
実は宇垣昌弘は伊橋悟に命令して、鶏皮マシマシギトギト釜飯も作らせていた。
料理の才能がある昌弘もギトギトになりそうだとわかるのに、試したくなるのが昌弘の悪い癖なのだ。
それなのに豚の背脂系ラーメンは食べないのだ。
ほんの少し鶏油をたらすくらいのギトギトっぽさが好きなのである。
鶏肉野菜炒めとか、ベーコンの野菜炒めとか。
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