360話 新型軽巡『四万十』(1926照和)
ここはダンジョン内の海。
遠くでは10万トンを軽く超える戦艦や空母達が遊んで、いや、訓練に励んででいます。
そこにちょっと地味な外見の古臭い軽巡洋艦が浮かんでいました。
そこには影武者ではない、宇垣昌弘の姿があります。
アメリカのレキシントン級などは発電した電力を生かして航行していますし、ゴーレム艦に魔力発電炉を多く搭載して30ノット巡航ができるようにして、蒸気ボイラーと蒸気タービンは最低限の数にして、ディーゼル機関を搭載させ、大幅に居住空間を増やし、軽量化できた分装甲も美濃級戦艦並に近いくらい増やした新型軽巡を宇垣昌弘は試作していました。
基準排水量は1万トンなのですが、
デザインは2890トンの夕張に似てます。艦橋は小さいし、煙突は後方に傾けた1本煙突だし。
艦首に宇垣の単装128mm砲が2基、
艦尾にも128mm砲が2基配置されています。
向こうの世界では美濃型配置、こちらならミシガン配置と呼ばれる背負い型配置の仕方ですね。
2番砲塔と3番砲塔を高くして前方や後方を1番砲塔、4番砲塔の上から射撃出来るようにした合理的な配置です。
そして本来なら魚雷発射管が置かれそうな場所に128mm単装砲が2基取り付けてあり、主砲は6門です。
そして舷側にはズラリと機銃が配置されています。
20基の機銃を配置できるようになっています。
今はいくつかの試作中の機銃が搭載されているのでバリエーションは豊富になっています。
40mm連装機銃、25mm連装機銃、
20mm4連装機銃、15mmガトリング機銃なんてのもあったり、、、
全長は170m、全幅は33mであり、日本の巡洋艦にはこんなに幅広な船はないので、どちらかというと空母に転用する事を前提に設計されたと疑われそうです。
アメリカの1万トン級の小型空母がこんな感じの全長、全幅ですしねえ。
史実の古鷹の全幅なんて17m以下ですもん。
ほぼ半分。
ですが、武装が軽く舷側装甲や艦底の装甲は2重底で分厚い為、かなり低重心になりました。
ゴーレムにテストさせたら『良いよコレ!!安定感最高!!』との事。
128mm砲6門は少なく感じますが宇垣の128mm単装砲の発射速度はオットーメララのような発射速度の早さですからね。
しかもスキルのおかげで命中精度もかなり高い。
直接照準の有効射程に入ったら敵は驚くでしょうね。
最初の1分間に飛んでくる主砲弾の数は120発ですからねえ。3秒に1発の発射速度です。
装甲からしても前弩級戦艦と同じですからね。
45口径の30.5cm砲を搭載したら、まんま前弩級戦艦になりそうな感じですね。
今なら発射速度を早くした30.5cm砲も開発できますし、それも悪くないですな。
何にしても、条約型だのなんだのと、こちらの首に首輪を付けようとしたイギリス&アメリカを驚かせるような艦艇を作りたいものです。
まぁ、熟練度が極限にまで高くなっている近江〜高尾達がいたら夜戦でアメリカ軍は敗北続きになるんでしょうがね。
薩摩までは戦争経験者なのに、腕を振るう機会が無かった佐賀や近江は大喜びするでしょう。
ほぼ実弾の訓練用砲弾を使用しての実戦形式の実弾訓練では大暴れしていますからね、近江達は。
あれ?訓練航海用に建造された香取みたいでもあるなコレ?
(作者も気がつきませんでしたが、
この四万十って向こうの装甲巡洋艦を大きくしたようなデザインです。出来たばかりの富士型に似てるといえば似てます。)
本当は1万4000〜6000トンにしたかったのですが、大きくなり過ぎてしまうので自重しました。
ワシントン海軍軍縮条約下にあるのが残念です。
そうでなければ思い通りに作れたのに。
アメリカやイギリスに後出しされない為に、あえて軽武装にとどめました。
実は30.5cm砲を4門搭載する事を考えています。
特に夜戦なら、巡洋艦級が相手なら一撃必殺でしょう。
真似をされたくないので、改装するのは戦争前になるでしょう。
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