231話目29代大統領ウォレン・ハーディング

前任者のウッドロウ・ウィルソン大統領は無難に任期を務め上げましたが、

メキシコとの関係が悪化したまま混乱し続けている事にアメリカ国民は不満を感じていました。


ウォレン・ハーディングは雄弁な政治家であり全米各地で演説を繰り返して

支持を集めて29代アメリカ大統領に

当選しました。


ウッドロウ・ウィルソン大統領はバトンを渡せずに亡くなりました。

死因は脳梗塞だと言われています。



ウォレン・ガメイリアル・ハーディング(Warren Gamaliel Harding, 1865年11月2日 -(史実は 1923年8月2日)は、アメリカ合衆国の政治家。

大統領に選ばれた最初の現職連邦上院議員です。


オハイオ州選出の連邦上院議員であったハーディングは、影響力を持つ新聞を持っていて、政界入りする前は有能な演説家でした。


彼はオハイオ州議員(1899 - 1903)、

オハイオ州副知事(1903 - 1905)を歴任しています。


ハーディングの保守主義、柔和な物腰、そして『敵を作らないでください』という選挙戦略は、彼を1920年の共和党全国大会における妥協的選択の候補にしました。

彼は国の「常態」への復帰を約束しました。

紛争状態にあるメキシコとの関係を

平和な状態に戻すという事です。


この「アメリカ国内が最優先」という選挙戦略はそれなりの人気を獲得しました。


ハーディングは、セオドア・ルーズベルト大統領以来議会を支配していた進歩主義から離脱しました。


(進歩主義運動(革新主義運動)

1890〜1920の主たる目的の1つは政府の浄化でした。政治を蝕んでいた政治マシーンとボスの内情を暴露し、その力を弱めることで政府内の腐敗を取り去ろうとしていました。

進歩主義者(革新主義者)の全員ではないがその多くは、酒場を基盤とする地方ボスの政治力を殺ぐために禁酒法を支持しています。

効果はありませんでしたが。

これと同時に「より純粋な」女性の票を政治に取り込むために女性参政権の承認取得を推進していました。

運動の2つめの目的は、近代化を必要とする古いやり方を特定し、科学的、医学的かつ工学的な解決策を強調することで、あらゆる分野における効率化を成し遂げることでした。

多くの人々が地方政府、公共教育、医療、財政、保険、工業、鉄道、教会など多くの分野で改革の努力を行いました。

進歩主義者達は、社会科学、特に歴史学、経済学、政治学の分野を変化させ、専門化させ、「科学的に」させた。学術分野ではアマチュア執筆家の時代が終わり、学術雑誌や新聞に記事・論文を掲載した研究の専門家の時代になった。

国政の指導者には、共和党員ではセオドア・ルーズベルト、ロバート・M・ラフォレット・シニア、チャールズ・エヴァンズ・ヒューズ、ハーバート・フーヴァー、民主党員ではウィリアム・ジェニングス・ブライアン、ウッドロウ・ウィルソン、アル・スミス等がいたのですが、、、)



1920年の選挙で彼は、副大統領候補のカルビン・クーリッジと共に、アメリカ史上、一般投票における得票率の最大差(60.36 %対34.19 %、26.2ポイント差)で、民主党候補でありオハイオ州の仲間であったジェームズ・M・コックスを破りました。


ハーディングは大統領として、「オハイオ・ギャング」と呼ばれた友人や政治上の貢献者に対して財政的に大きく報いました。

力を貸してくれた腐敗している人物への猟官制度の再開です。


彼の任期は結局スキャンダルと不正が

蔓延る事になりました。


彼の閣僚1名、被任命者数名が裁判で有罪となり、贈収賄および連邦政府に対する背任のため刑務所に送られた。

しかしながら、ハーディングは何名かの有能な人物も閣僚として任命した。


内政面では、ハーディングは合衆国における最初の児童福祉プログラムに署名し、坑夫や鉄道従事者のストライキに対応しています。


ですが、議会にあまり介入せず、

職務も閣僚に「丸投げ」することもあり、また、任期中にいくつかのスキャンダルがあったため、その死後、ハーディングは「アメリカ史上最も成功しなかった大統領」として評されています。近年では評価が見直されているとも

言われていますが、、、


(30年間も猟官制が抑えられていたのに復活させて不正が見つかったので、

ハーディングはかなり叩かれています。)


彼はテキサスレンジャーズやアメリカ陸軍に国境に踏み込むなと命令をし、

メキシコとも対話したのですが、

上手くはいかず、投げ出してしまいました。

禁酒法にうんざりしていたアメリカ国民の期待に応えようとした時に食中毒に倒れ、そのまま亡くなっています。


副大統領だったカルビン・クーリッジは、彼はメキシコとも粘り強く交渉していたし、ハーディングは立派な大統領だ。と言っていますが、あまり支持はありません。


人気の高いカルビン・クーリッジの影に隠れがちなのでタイトルくらいはと

ハーディング大統領と書いてあげたのです。


でも、この世界ではグレートホワイトフリートを壊滅させたセオドア・ルーズベルトの方が酷い利権政治屋だと

思われていますし、人気も低いです。

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