Canis
葉山 海
第1章 プロローグ
さあ、皆さん授業を始めましょう。
早速ですが、皆さんご存じのように、犬は、古来から人間とともに生活してきました。人間にとっても、犬にとっても、両者は現在よりも密接に関わり合い、無くてはならない存在だったのです。
そして、最近発見された文献から、新たな事実が浮き上がってきました。それは、まだ、仮に「犬の国」と呼ばれています。この国は、昔々の今はない国ですが、小さい王国だったとされています。そして、その国には、人より犬が多く暮らしていて、ともに暮らしていました。皆さんの中にも、犬を飼っている人がいることでしょう。この国の人と犬の関係は、皆さんのものとは、違うのです。今よりも共存し合っていましたが、犬を飼っている者はいないのです。人と犬は、互いに独立をしていて、各々家を持っていると言った方が適切です。
特に、違うのは、犬が現在よりも賢く、人間により近い思考、行動をしていたと考えられることです。これらは、現在の犬の子孫であることは間違いありません。ここで、現在の犬と区別するために、Canis《カニス》と呼ぶことにしましょう。
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