❌真・ククルスドアンの店Ⅱ(ルシアの店でもHな気分。あの美人巫女は、だれ?)
第9話 「飲食店、バンザイ!」「飲食店、バンザイ!」こういう店を、応援したい。あきらめたら試合終了ですよって、アンザイ先生も言っていた。
第9話 「飲食店、バンザイ!」「飲食店、バンザイ!」こういう店を、応援したい。あきらめたら試合終了ですよって、アンザイ先生も言っていた。
「ねえ、マスター?」
「…はい」
「学校の先生の言うことを信じちゃいけないっていうこと、だね」
「はい」
「ああ、俺、小学生のときに、そう教えられたんだっけ。学校の先生のレベル、残念だよな。あきらめるしか、ないのかな?」
「それは、いけません」
「どうして、マスター?」
「あきらめたら試合終了ですよって、アンザイ先生が、たぷたぷ、言っていたからですよ」
「?」
「ふふふ…」
「そういえば、マスター?」
「何でしょう?」
「青の色って、どんな意味なの?」
「青は、説がありすぎです。良く、わからないのです」
クルクル回る、床屋の3色ポールの正しい意味を知ることができて、成長した気分だった。
「動脈、静脈、包帯」
それは、ちがったのか!
包帯だけは、合っていたっぽいけれど。
マスターが、いくつかミカンを、出してくれた。
「おお…。ミカンの皮むきは、子どもの頃から、大好きだ。ミカンの実につくこの、白い綿のような部分を、きれいに、全部取り除くのが、良いんだよね。床屋の、ひげ剃りっぽく。きれいにさ」
そこまで言うと、マスターから、待ったの声がかけられた。
「…それ、とらないで食べた方が、良いんですよ?」
「え?」
「…そこは、アルベドといいます。栄養満点」
「そうなの?」
「食べたほうが、良いのです」
みかんも酒も、床屋もできる飲食店も、がんばっているんだ!
「マスターの話は、勉強になるねえ」
「ミカンの実についている白い綿のようなものは、アルベドといいます」
アルベドには、たくさんの栄養が、含まれるそうだ。
「そうだったのか、マスター!白い綿は、食べたほうが良かったのか。あれって、なんだか、実を邪魔しているようで、自然と、取り除きたくなっちゃうんだよな。それがまさか、ミカンの、大いなる栄養源だったなんてな」
うんちく、飲食店。
「それでは、お客様?」
「何すか?」
「このイスに、ゆっくりと、腰掛けてみてください」
「…こ、こう?」
深々と、腰を下ろす。
「ありがとうございいます」
フンワカとした、白いイスに、身を委ねていた。
気持ちが良すぎて、良すぎて…。
動けなくなる感覚を、覚えていた。
「ははは…。アルベドっていうやつに包まれる、ミカンの実になったような気分かもしれないな」
「…さあ、参りましょうか!」
「何だと?」
マスターが、オーケストラの指揮者のごとく、手を振り上げた。2人だけの聖域が、犯されていく!
「パラッパラッパー!」
「なつかしいなあ」
「…お客様?」
「え?」
「私の、勝ちです!」
「何だって?」
「お客様は今、白のふかふかに包まれて、動けなくなっています!」
「何?」
その通り、だった…。
身体が、いうことをきかず。
「おい、マスター?」
「…」
「あのカクテルに、何か、入れたな?」
「…」
「何とか言ったら、どうなんだ!」
「…ひげそりタイムの、はじまりです!」
「何だって?」
「…私、理容の免許を、もっていましてねえ」
「あ、そうだったな!」
「…お前は、絶対に、動けない!キシベロハンも、動けない!」
「…」
「…お前は、他人のテリトリーに入ったなら、おとなしくするように教育された世代だよな?」
「テリトリーか…」
「そうだ」
「ユウユウハクショみたいなことを、言いやがって」
「…お前は、動けない!」
「くそう」
「あの、カクテルたち…。良くやった」
「…うう」
「俺のかわいい、ファンネルたちよ!」
「…」
「これで、顔も、きれいになるだろう」
「バンザイ!」
「飲食店、バンザイ!」
「飲食店、バンザイ!」
こういう店、応援したいなあ。
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