真・ククルスドアンの店Ⅱ(ルシアの店でもHな気分。あの美人巫女は、だれ?)

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 非正規男ツバキの世界は、どうなっているんだ?「あら、あら…。良いわ…。仲間って、大切ですものねえ」ひええ。また、この女性なのか?

 伝説の野球本「星野君の二塁打」を知れば知るほど、世界が変わっていうんじゃないのかと、思えていた。

 塾の講師ができなくなった男ツバキは、いくつものエロい世界に、導かれていくのだった!

 この名前に、ピンときた方は、ご用心!

 「タツミ、ヤマシタ、スナガ、タカクラ、タナカ、クマダ、オオウチヤマ、ヨシユキ、ワカツキ、シンカイ、オカムラ、イケダ…」

 空を見上げる、ツバキ。

 問題は、前回までのことだ。

 謎の世界に飛ばされてしまったツバキは、見知らぬ女性とエッチな関係になってしまったんだよな。

 「ああ…」

 あのできごとが、忘れられず。

 「やばかったなあ。あの、かわいいアラフォーな彼女は、だれだったんだろう?めちゃくちゃ、気持ち良かったしな…。しまった。また、エロくなってきたぞ」

 むずむずとする身体が、止まらない。

 塾の高校生たちが話していたことまで、思い出される。

 生徒たちのおしゃべりが、なつかしい。

 「コロンバイン」

 「…それ、何?」

 「コナンに出てきた、やばい花」

 「コロンバイン?」

 「うん。オダマキともいう、花」

 「コロンバインの花言葉は、あの方が、気がかり…」

 「あの方…」

 「あの方…」

 「黒の組織の…」

 「あの方…」

 「俺は、ククルスドアンの店のほうが、気がかりだ」

 「ククルスドアン?」

 「エロいなあ」

 「ククルスドアンの店に、いってみたいよな」

 「…あ。俺の、下半身が…」

 「お前!」

 生徒たちは、元気だった。

 「…で、ここは、どこなんだ?」

 元の世界には、なかなか、戻れそうになかった。

 「あ、やばい!お、俺の下半身が、また、いやらしくなってきたぞ!」

 またも、ツバキは、見知らぬ世界に飛ばされてしまったからだ。

 期待とともに、複雑な気分。

 「また…。あの方と、会えるんじゃないのか?身体を、重ねて…」

 そして、恐れ。

 「俺は、どうなってしまうんだ?」

 恐れと。

 あの女性のはだかが、やわらかい思い出となって押しよせる。

 「気持ち、良かった…」

 困った男、だな。

 それを、思い出している場合か?

 「ダメだ…。どうも、おかしい」

 そうだ。

 冷静に、なれ!

 今度のツバキは、何の世界に迷い込んでしまったんだ?

 「ああ、エロい…」

 わからないまま。

 ただ、ぶらぶらと、どこの世界の道を歩いていた。

 舗装された道の上を歩けるというのは、救いだった。

 「この道の先には、必ず人がいる」

 そう、信じることができるからだ。

 「ここは、何の世界なんだろうなあ?中世っぽいが。俺は、星野君の二塁打を、知らなかった。その、呪いなのか?」

 それとも…。

 「ククルスドアン」

 どこかの世界にあるという、そんな名前のやばい店についてのうわさを聞いてしまったから、こうなってしまったのか?

 「やばい店、か…」

 店がキーワードとなれば、最近苦労続きだった、飲食店のことが頭にも浮かぶ。

 「こんな世の中、だしなあ。苦労続き、だったものなあ。飲食店が、心配だなあ」

 草野球の試合のあとで、仲間の皆で集まって、飲みにいったりしていたことまで、思い出されてきた。

 「…あれ?」

 なぜなんだ?

 また、ちょっと、エッチな気分になってきたんじゃないか?

 やばい。

 頭の中に、また、やばそうなもやがかかりはじめた気がした。

 まただ。

 あの女性が、ツバキの心の中に、やってきたのだ。

 「あら、あら…。良いわ…。仲間って、大切ですものねえ」

 妄想の中で、身体を重ねはじめていく…。





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