第7話 対峙の時
気がつくと、俺はチクチクする地面に仰向けになっていた。手や首のあたりが何かに当たって痛い・・・。何だろう、と目だけで辺りを見回すと、近くに大きな木があった。よほど古い木なのかいくつか支えがしてある。その後ろには山が見えた。空は青く、太陽が眩しい。目を瞬かせながら上体を起こした。そして再び、辺りを見回した。
ああ、根尾谷か・・・。ということは。作業着の袖や背中についた枯れ草なんかを手で払いながら立ち上がった。
薄墨桜?でも、今の季節は冬だ。さっきなんか雨降ってたぞ?何で、ここに?しかも俺がさっきいたのは中津川だ。どうして急に、根尾谷まで来れる?
そして、薄墨桜が咲く時期となれば、この根尾谷はたくさんの人で賑わう、はずだ。1年に1回しかないこの儚い瞬間を、どうにかしてこの目に、このレンズに収めたくて。しかし、今、見渡しても人は全くいない。俺しか。みんなどこへ行ったんだ?こんなに、桜がきれいに咲いているんだぞ・・・、一体・・・。
その瞬間。
大しけの時の海の波みたいに、ぶわっと風が吹いた。風に乗って一斉に花びらが舞い、キラキラと反射しながら地面へと落ちていった。
思わずうっとりするような眺めだ。空に舞い上がって、消えるように落ちていく。この光景を独り占めして良いのだろうか?
岩崎さん。
どこからか声がして、俺は振り返った。西島さんだった。
西、島さん?静かに頷いた。俺が見るに、いつもの西島さんだった。一緒に働いていたときの、西島さん。白いシャツにグレーのセーター、グレーのジャケット、グレーのスカート、ブラウンの革靴。髪は茶色で、セミロングの髪をふわっと大きく巻いている。化粧も、いつものブラウンメイクがよく似合っていて、可憐な女性だった。
お久しぶりです。声も変わらない。お元気でしたか?頷くしかできなかった。だって、俺は彼女から逃げた男だ。それに、彼女には恋人だっていたかもしれない。どうして俺がまた彼女とーしかも職場が一緒ではないのにー会わなければならないのだろう。しかも、彼女は死んでいる、のに。
ずいぶん、久しくお会いしていませんでしたね。あれから、ずっと連絡しても返事がなかったから、心配してましたよ。あ、ストーカーとかじゃないですからね。最後は苦笑いしながら言った。あんなに親しくしていただいて、一緒に仕事した時間も長かったから、勝手に仲間意識みたいなものができちゃって。迷惑だったり嫌だったらごめんなさいなんですけど・・・。俺は首を横に振った。そんなことはない。自分にあんなに親しくしてくれたのは、彼女だけだった。常識的に考えれば、一緒にいる時間が長ければ長いほど、人は親近感を覚えるものだし、話す内容が多ければ多いほど友達のような間柄になって、プライベートでも顔を見たくなるのは必然だ。それを、何の予告もなしに俺は断ち切った。彼女が、今の悲しみを乗り越えて、次の一歩を踏み出す決意を表明し、俺に溢れんばかりの感謝と親愛、友愛を見せたあの時。怖くなって、そのまま彼女に引きづられそうで、洗脳されそうでーそんな俺のいつもの逃げ癖や思い込みで、俺はすべてを断った。そして、そのことが、彼女の命も断ってしまった。
どうして、僕に?
会いたくなって、気がついたらここにいました。薄墨桜、私、あれからすごく気に入って、S工高を出たあとも行ったんですよ。
それに、約束したんです。離任式の次の日、真澄に県美術館の庭に連れて行かれて、最後にあの子と。また来年、薄墨桜が咲く時にまた撮影に行こうねって。岩崎さんもいたらいいね、って2人で話してました。大事な仲間だからって。
俺が2人を捨てても、物語は続いていた。いや、続けようとしてくれた。もう終わったことなのに。
西島さん。俺は言った。どうして、そんなに自分を、仲良くしようとし続ける?もう終わったことじゃないですか。それに、あなたには彼氏がいるはずだ。どうして、親しくしようとするんですか?
私が思い込んでいたらごめんなさい。岩崎さんは、私にとって大切な仲間なんです。そんな、職場が離れたから全部リセット、なんて無理ですよ。感情はリセットできるものじゃない。それに、大切な人のことを大切だと思って接するのは、だめですか?恋とか、浮気とか、そんなんじゃないですよ。仲良くしたいから、仲間でいたいから色々したのであって、別に・・・。
それが嫌だったり目障りだったりしたら、謝ります、ごめんなさい。やっぱり、嫌だよね。気持ち悪いよね。自分でもされたら良い気分になれない。
いくら岩崎さんが回避型だと分かっていても、やりすぎた感は消せない。
結局、私のやり方が悪かったんだろう。向こうが何を思っているかわからなくて、いつも不安だったから。でも、空回りばっかで、気持ち悪かった。自分が自分じゃないような・・・、でも、好きだった。何とか振り返ってほしくて、一生懸命だった。恋人がいようがいまいが、好きな人は振り向いてほしい。ちょっとでも長く時間を共有したかった。
でも、現実の私は、「しつこかったですよね?本当に、ごめんなさい」不安型だから。本当は思ってないことを、急に怒られるのが怖くて謝ってしまう。でも、好きな人に必死で頑張って声かけて、ためらって謝るって、変じゃないか?そういう気持ちもあったけど。
でも、好きだからこそ下がってしまう。相手のことが分からなくて気を遣ってしまう。本当は、気なんて遣わなくても良かったのかもしれない。だけど、離れられてしまうのが怖かった。自分と同じような境遇で生きてきた仲間が散ってしまうのが嫌だった。だから・・・。
西島さん、自分は、あなたを殺したんですよ?もう関係ない、って思って、自分はあなたのすべてを棄てた。それなのに、どうして、こんな人殺しなんかに会いに来たんですか。会いたい人だったら他にもいるでしょう、真澄とか、結月とか、あなたの恋人や友達とか・・・。
本当にそう思いますか?西島さんはクスッと笑った。
私、本当に不思議なんです。別に、大して考えてもいないのに、しょっちゅう夢に岩崎さんが出てくるんです。変ですよね。苦笑いされた。いや、そういう夢なら僕も・・・。
えっ。驚かれた。まさか・・・その内容の夢って・・・。「薄墨桜を見ながら一緒にいる」声が揃った。何ということだ。俺たちは夢の中で会っていた。それも、何回も。
夢の中で語らい、愛し合っていた。手を繋いで、散っていく桜を見ながら。
僕も、よく西島さんが出てきました。
そうなんですか?だとしたら不思議ですね。2人とも夢でしょっちゅう会っていた、なんて変な話ですよね。もう3年近く顔を合わせていないのに。
そうですね。このときの俺は、そう返すのがやっとだった。俺が見ていた夢を、彼女も見ていた。ふたりは間違いなく、会っていた。夢の中の世界で。
そして、お互いを想っていた。どんなに逃げても、俺の中のどこかは彼女を求め、また慕っていた。どこかで、リセットできず悩んでいた。
彼女が大切だ、という感情は、俺の意思に反して消せなかった。忘れたくても忘れることなんかできなかった。別れてから、一度たりとも。それが、人を愛するということ、想うということなのだろう。
岩崎さんが夢の中で私と会っていた。会いたい、と日々願っていたことは、叶っていたのだ。
でも、非科学的なのはお互い承知している。だけど・・・。こんなことってあるのか?まして彼女はもう亡くなっている。遺体は法に則って間違いなく荼毘に付され、骨壷の中だ。ひょっとしたら骨壷は墓石の中かもしれないし、近親者の希望でまだ祭壇や仏壇に上がったままかもしれない。じゃあ、目の前の彼女は一体?亡くなっただろう後の夢に、なぜ?
その時、再び、ぶわっと風が吹いた。薄墨桜の花びらが空に舞う。その瞬間、ほぼ無意識だった。ふたりは強く手を繋ぎ合った。まるで、風がふたりを別の世界へ分かつのに抗うように。風が収まるまで、ふたりは繋ぐ手を離さなかった。そして、確かに死んだその冷たさと、確かにまだ生きているその温もりを確かめあった。
すべて、遅すぎたのでしょうか?ううん、まだ間に合ってます。どんなに離れていても、心は確かに想い合っていますから。
心が同じなら、いつだってどこでだって会えます。
やがて、風が収まった。ふたりは手を解いた。途端に赤面した。なんてことしてるんだろ・・・。恥ずかしくなって、思わず岩崎さんの腕の中に飛び込んだ。こうすれば真っ赤になった顔も見えないだろう、そう思って。
突然のことに、何がなんだか分からなくなって、俺は無意識に彼女を抱いた。生前の彼女の香りがふわっと漂う。
離さないで下さいね。
恥ずかしいからなのか、それとも、風が彼女をもとのあの世へ連れて行こうとするのに抗うためか、それともただ単に俺に向けた言葉なのか。
いずれにしても、俺は彼女を離す気は全くない。このまま抱き合ったまま朽ちたっていい。どんなに逃げたって、彼女が好きだという現実からは逃げられないからだ。
愛される、愛するという不安や恐怖を打ち消すのは、人の温もりであり、自分の思いに正直になることだ。好きなら全力で、心が脳から離脱して、違うと言っても、最後は認めることなのだ。すべてを表現することだ。
抱き合ったまま、ふたりは接吻した。極めて自然な流れの接吻だった。風が吹いて、花びらが空に舞うのと同じくらい自然な流れだった。
岩崎さん。一通り愛し合うと、ふたりはまた向き合った。
どうして連絡をくれなかったんですか?彼女はぶすくれた顔をした。それは・・・忙しかったから。俺は苦笑いした。完全な言い訳だけど・・・。
でも、たまにくれたって良かったじゃないですか。色々考えちゃいましたよ、私が何か言ったからかな、とか、悪いことしたからかな、とか。
やっぱり、彼女は気にしていたようだった。それもそうか、彼女は人一倍他人のことを気にする人だったから。
やっぱり・・・私の決意表明がいけなかったのかなって思いました。そうでしたか?俺は全力で首を横に振った。そんなことはない、と。あなたは何も悪くない、と。
悪かったのは僕の方だ。僕があれからあなたを避けて、逃げてしまったからだ。あなたの決意表明を僕も受け止めて、あれからも一緒に色々やれば良かったんだ。そうすれば、あなたもためらわずにもっと伸びやかに生きられただろうし、僕も何の後悔もなく次に行けたかもしれない。僕は、色々受け止めてくれたり優しくしてくれたりするあなたが怖かった。それに、どこかで自分に責任を感じて、あなたと最後まで向き合う勇気がなかった。弱かったのは僕なんだ。あなたは何も悪くない。だから、僕があなたを殺したも同然なんだ、だから本当に死ぬのはあなたじゃなくて僕なんだ。
許してくれ。俺は全力で侘びた。
そんなことありませんよ。彼女が言った。
え・・・。俺は顔を上げた。
今の岩崎さんは、仮死状態になっているだけです。まだまだあなたがこっちに来るのは早すぎます。それに、人間は弱くて当然です。私だって鈍臭かったじゃないですか。それに、就活だってやってるようで怖くてなかなかできなかったし、怯えて逃げてしまったことなんかたくさんあります。だから休職だってしちゃったし。
いや、それは逃げとは言わない。だって・・・倒れるまでずっと独りで抱え込んでいたんでしょう?それで倒れたのが逃げだと言うなら、この世は酷だ。どれだけ耐えれば普通の人間と言えるのだと抗議したくなる。
真澄が、言ってましたよ。僕に会いに来た時。真澄が?彼女はクスッと笑った。あいつ、余計なこと言っちゃって。
悲しがっていましたよ。そりゃそうですよね。
それで、僕に怒っていました。お前が殺したんだろって。西島先生は病死じゃなくて安楽死したんだって。
えっ、どうしてそんなことを?
僕が、言い訳したんです。忙しくて西島さんとの関係を絶ってしまったって言ったから。それを真澄は言い訳だと見破って突っかかってきた。鋭い子だと思いました。
真澄・・・そんなことしなくても良かったのに。
えっ?
私が感染症で死んだのは本当ですよ。真澄が来た後すぐ、院内クラスターが発生して、多くの患者さんが感染しました。人によってその重さは違いましたが、私はもともとうつ状態で体が弱っていましたし、まだあの頃はワクチンも特効薬もなかったじゃないですか。私より体の弱い患者さんも多くて、人工呼吸器も不足していました。歳の若い私は、後回しにされたんです。
それって・・・。俺は言葉が出なかった。
仕方ありません。私は、他に病気もありませんでしたし。そういった重病を持つ人の治療が優先されるのは必然的なことです。
どんなに、つらかっただろう。怖かっただろう。新型感染症は、一切の面会も許されない。そして、医師や看護師たちは常に走り回る。他人のことを気にする彼女は、きっと我慢してしまっていたのだろう。その頃はまだ飲み薬での特効薬もなかった。高熱や激しい咳に苦しめられ、どれだけ苦しかっただろう・・・。それでも、熱が少し落ち着いた時、彼女は俺に連絡をしてきた。そんな人を俺はないがしろにした。自分の弱さのために。
今の彼女は、独りで荼毘に伏され、独りで霊山へ行ったのだ。誰も見送りなんてない、独りの死出の旅路はどれだけ心細かっただろう。
でも、と彼女は言った。もし、新型感染症になってなかったら、私は安楽死病棟へ行ってきっと死んでいたと思います。
安楽死?やっぱり俺が―彼女は首を横に振った。岩崎さんじゃないです。そんなことより、私はもう限界だったんです。変わらない環境と無理解すぎる人間しか周りにいなかったことが苦痛で苦痛で・・・。だから死のうとしたんです。でも、感染症になって、大丈夫なふりをしていましたから、結果は同じだったかもしれません。
優しすぎた。どこまでも優しすぎた。だからその苦しみを抱え込んでしまっている。死んだ今でも。
それに、岩崎さん。と彼女は言った。人間は弱い生き物ですよ。それに、おごったり喧嘩っぱやくなったり、つらくなったり、そうかと思えば、苦しんでいる人に対して優しくなったり・・・、人間には10の感情があるそうですよ。だから、弱くなったり逃げたくなったりするのは当然のことで、それは人を責めることじゃないです。
回避型・不安型は、個人の生育環境が作っている。だから、誰のせいでもない。「私が死んだのは、誰のせいでもない、自然なことです」私は言った。岩崎さんはじっと黙っていた。
岩崎さん、と私は言った。岩崎さんは、生きてください。逃げずに生きて、色んな人とぶつかって、色んな話をしてください。人って、怒ったり泣いたりするのは、その人の頭のせいなので、あなたのせいじゃないんですよ。だから、思ってるより気にしなくて良いんです。だから、生きてください。彼女は俺の手をギュッと握った。
約束ですよ。「やれるだけ、やってみます」はっきり言わないんだ。彼女がクスッと笑った。その時、また大風が吹いて桜が散った。そして、散った花びらは彼女を優しく包み込むと、彼女諸共消えた。俺は、彼女が消えた後も、風に吹かれる薄墨桜の花びらをずっと見つめていた。もう逃げない、だから・・・。また風にのって彼女が現れるような、そんな気がしたからだ。
でも、彼女が現れることはなく、ただ薄墨桜の花びらが風で舞い散っていくだけだった。
目が覚めると、俺は病院の一室にいた。体中管だらけで、最初は一体何があったのか分からなかった。
あれ?さっきまで学校にいたのに、何でこんなところにいるんだ・・・?
辺りを見渡すと、ショートヘアの優しそうな看護師が、大丈夫ですか?と声を掛けてきた。
こ、ここは・・・?と言ったつもりだったけど、もう何日も喋っていないからか、口が上手く動かない。
病院ですよ、と言われた。そして、俺が目覚めたことによる処置が色々と行われていく中で、俺は自分がどうなっているかを少しずつ把握していった。
真澄が俺に突っかかろうとした時、俺はどうやらくも膜下出血で倒れたそうだ。幸い、真澄が早く人を呼んでくれて病院搬送が早かったため、処置もすぐにできて一命をとりとめたそうだ。しかし、1週間くらいずっと意識がなかった、という。とすれば、俺は真澄と西島さんに命を助けられた。
大きな借りができてしまった、と苦笑いした。
そういえば、ずっと若い男の子達が岩崎さんに会いに来てましたよ。新型感染症がまだ流行ってるから面会はダメだけど、しょっちゅう。
若い男の子?早田って子と、八代って子だったと思います。
真澄と結月・・・、ずっと、会いに来てくれていたんだ。目を覚まして、早く良くなってくださいって言ってましたよ。
結月も来ていたのか。こんな東濃の奥地まで、2人で。
今はまだバタついていますが、そろそろ新型感染症は落ち着くと思いますよ。今はワクチンも特効薬もありますから、一時的なものだと思います。落ち着いたら、お二人の面会も許可されると思います。
そうか・・・新型感染症ももう下火か。この感染症のせいで、一体どれだけの人が混乱し、また感染し苦しんだのだろう。亡くなった人はどれだけ無念だったのだろう。それまで何事もなく平穏に過ごしていたのに。そして、俺の仕事も教室の消毒やらオンライン授業の準備やらで普段にはない忙しさを極めた。きっとそのせいだ、とすれば、俺も被害者なのだろうか。でも、被害と言っても西島さんみたいな例もある。人によって感じ方は―感情が10あるのなら、みんな違うのだろうか。とぼーっと考えを巡らせていた時、「あっ」看護師が窓を見た。「雪が降ってますよ」そろそろ12月だし、東濃の冬はぐっと冷える。そういえば昔、東濃の奥地は雪が降ったものだ。幼かった頃、雪遊びをしたのを何となく覚えている。でも最近の東濃は、そこまで雪が降らないらしい。それより、道路の凍結がひどい、と看護師は語った。
不思議ですね、まだ雪が降るには早いんですけど・・・。
いや、その雪はきっと西島さんだ。薄墨桜が風で舞い散っていくように、雪になって風に舞い、来てくれた。俺にはその確信があった。
何だか、久しぶりに心が温められた気がした。降る雪は冷たくても、その雪に宿る心は、彼女と同じできっと温かい。
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