第32話 小鬼《ゴブリン》

 育成カプセルや偵察機にい草を無いか調べさせたらすぐ近くで見つかった。

 遺伝子検査をさせたからこれも元は地球産なのだろう。

 輸送船トランスに仮称い草を持ち込んで畳に使えるかどうか調べて貰う。

 ついでに畳み職人がいないかどうか偵察機で調べて貰う。

 調べて貰うとこの国? の色々な宗教施設に納めている職人達が地方毎ちほうごとに何人もいた。

 

 人間の形をした職人甚兵衛じんべえが輸送船トランスに積み込んであったので起動した。

 古今東西の和や洋の職業の経験や記憶をインストールされている希少なアンドロイドだ。

 そのアンドロイドを各地の職人達の下に送り込んで甚兵衛じんべえの弟子になりたいと思う人材で桃教に入っても良いという人を10人程連れてくるように言った。

 い草は十分畳に使えるとの事で、待っている水田にい草を植える事にした。

 こういう時は自立型万能工兵機械とそのロボットの活躍の場だ。

 俺も知らない良いい草になるように間隔等を開けて植えて言っている。

 1年後にはい草畑になっているだろう。

 

 自立型万能工兵機械とそのロボットに山の方に甚兵衛じんべえを入れて15人程住める住居と大きめの工房に倉庫の大きなのとコンポジットトイレ3箇所を立ててくれる様に頼んだ。

 木材は輸送船トランスで生木を低温乾燥させて除虫・防火・防水と腐りにくくなる液体に浸して渡した。

 


 桃教の信者になった人達には正条植えと塩水選を教えている。

 そして、虫下しを飲ませてわらの上で大をするように言い付けてその後に焼くように指導している。

 そして、コンポストトイレを普及させている。

 くれぐれも大や小のまま畑や水田に撒くなと言ってある。発酵させて肥料にしてから撒けと言っている。

 正条植えと塩水選によって収穫が上がったと評判になり、桃教の信者になる者も多い。

 田も四角形の綺麗な田が揃ってきた。


 そんな最中、小鬼ゴブリンが50匹程襲ってきた。

 100人程の集落だが、女子供も多い。

 大事おおごとだ!

 自立型万能工兵機械とそのロボットと育成カプセルに山彦達里の男達で迎撃する。

 俺も石投げで小鬼ゴブリンを殺した。

 被害を出さずに小鬼ゴブリンを殲滅する事が出来た。

 自立型万能工兵機械とそのロボットと育成カプセル達の活躍が大きかったようだ。

 死骸は集められて荼毘だびにふされる。

 放っておくと病気の元になるからだ。

 後、荼毘だびにふしたら小鬼ゴブリンを殺したのが分かるのかしばらく小鬼ゴブリンは襲ってこなくなるそうだ。

 ゴブリンの灰は田畑に撒かれ、骨は砕いてこれも田畑に撒かれた。

 


 それから3年が過ぎ、甚兵衛じんべえは弟子達も連れてきて修行中だ。

 弟子は虫下しの行事をした時は青い顔をしていたが……。

 虫下しの後の注意もちゃんと聞いてたから大丈夫だろう。


 久しぶりに楓に連絡を取ってみる。

 前と同じようにガチガチにプロテクトして宇宙ネットに繋いだ。


「久しぶり、楓。元気にしている?」

「お・おおおお・オーナー!」

「今、大丈夫?」

「はい! 勿論大丈夫です!」

「それで、紅葉は何処かな? 挨拶しておきたいんだけど?」

「紅葉はここにいます。プロテクト通信を多人数にして通信番号を教えて下さい」

「ああ! そうだったね。通信番号は…………だよ。多人数にしたからこれでは入れるはずだよ」

「初めましてオーナー?マスター? 私は紅葉と言います。オーナーと呼んで良いですか?」

「まぁ、楓の影武者もするぐらいだからオーナーで良いよ。それにしても初めまして。楓と瞳の色以外は瓜二つだね」

「はい。その為に作られましたから」

「でも、必要は分かるけど楓になりきる必要は無いよ。紅葉と楓は別人なんだから何でも楓に合わせる必要は無いんだからね?」

「そうなんですね。有り難う御座います。オーナー」

「それで、紅葉の通信番号を教えてくれるかい?」

「あ! 気付かずにすみません。通信番号は…………です。ご用がある時は遠慮無くおかけ下さい。ご用が無くてもおかけ下さい」

「楓、この娘は思考も楓にそっくりだよ!」

「はい。そんな風に育てましたから! でも、これからオーナーの言葉があったので個性が出て来ると思います」

「もしこれからもバイオロイドを作るのだったら楓よりも性能が良くても作ってね。それと、呼び名は会った時に決めるからそれまではマスターで良いよ。あ、作る人数は最大で8人までにしてね。これ以上作らないのが最良だけどね」

「「分かりました」」


 2人は声を揃えていったが、同じ声なので奇妙な感じだ。


「それで裁判の様子はどうなのかな? 楓に紅葉」

「楓です。つい先日に第二次裁判の判決が出た所です。タイタン社は前会長と前社長が会社員を乱用していただけで断じて会社の意思じゃないと言う論調出来ましたが、却下されました。その上で慰謝料等が6倍に跳ね上がりました」

「紅葉です。軍は楓先輩の暗殺事件を軽く扱っているのか未だに謝罪も無く、その点で裁判所からも指摘されました。そして風土の腐敗があるように思えてならないと言う事で慰謝料は5倍に、そして監査が1週間に1度付きました」

「第二次裁判が終わったって事は最後の第三次で俺は帰れるという事かな?」

「それが、タイタン社と軍のどちらも支払い能力が無いです。ですので、第三次裁判が終わってからが本番だと思います」

「そうか~。帰れると思ったけどまだまだ先は長そうだね。

「「すみません」」

「楓と紅葉が誤る事じゃないよ。状況は分かったよ。何かあったら又連絡するし、何も無くても連絡するかも知れないけどよろしくね」

「「はい」」

「それじゃぁね」

「「はい!」」

 

―――――――――――――――――――――――――――――

次回は話は太郎の妹における複雑な心境の話だよ

次回、義妹にです。

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